性的マイノリティーの人々を表す「LGBTQ」という言葉は一般化してきたが、「SOGI(ソジ、Sexual Orientation Gender Identity)」を知っている人はまだあまり多いとは言えない。

「女子が女子を好きになってもいい」 教育現場で広がる「性的SOGI」という考え方
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 SOGIは人の属性を表す言葉で、「Sexual Orientation=性的指向(好きになる性)」と「Gender Identity=性自認(心の性)」のそれぞれのアルファベットの頭文字を取った略称だ。「どんな性別を好きになるか」「自分自身をどんな性だと感じているか」という観点から、性的マイノリティーでなくとも当事者として捉えることができる考え方である。

【映像】「クラスの友達にトランスジェンダーを打ち明けたい…」“性的SOGI”って何? (1時間4分ごろ~)

 『Wの悲喜劇 ~日本一過激なオンナのニュース~』(ABEMA)では、2時間スペシャル番組として『コロナ時代の性教育』を配信。突然の“コロナ休校”に見舞われ、生活が一変した若者たち。若者世代・母親世代・LGBTの方々をゲストとして招き、討論した。

 開業助産師としての本業の傍らで小~大学生・保護者向けの性教育をテーマとした講演活動を行っている櫻井裕子さん。過去、学校での講演後に回収したアンケートの中には、以下のような感想が寄せられたという。

「今日の話を聞いて自分はこれに当てはまるんだなとようやく思えた」

「女子を好きな女子がいても良いと言われてホッとした」

 地域差はあるものの、櫻井さんによると、教育現場は「LGBTQ」から「SOGI」中心の捉え方に移行しているのだという。「LGBTQというと個人のカテゴリになりますが、SOGIだと性自認と性的指向。すべての人に当てはまる属性」と櫻井さんは語る。

「女子が女子を好きになってもいい」 教育現場で広がる「性的SOGI」という考え方
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 しかし、今小学校・中学校向けの教科書にイラストともに多く並ぶのは下記のような表現だ。

「思春期になると男らしい・女らしい身体つきになっていきます」

「異性への関心が芽生えます」

 異性愛こそが当然のことであり、性自認・性指向は大多数が同じという認識の記述だ。これらについて「打開していく必要がある問題」だと櫻井さんは述べ、近年の「性自認・性指向には個々人によりバリエーションがある」という風潮に、人々の関心は徐々に高まっているという。

 櫻井さんは自身が携わった事例として、とある中学生の性自認が身体の性別と異なったケース(女性の身体を持って産まれたが心は男性)を挙げた。

 その生徒が担任教師に対して「(トランスジェンダーであることを)友達に打ち明けたい」と相談したところ、担任教師は「その前にみんなが学習したほうが良いだろう」と判断し、先に性に関する1時間の授業を行うことになった。

 その授業に外部講師として招かれたのが櫻井さんだった。教師たちが持ってしまっている思い込みを変えていくのは「とても労力がかかることだった」そうで、授業の組み立て方についての打ち合わせだけで「2時間もかかった」と述べた。

「女子が女子を好きになってもいい」 教育現場で広がる「性的SOGI」という考え方
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 授業では「いろいろな話を伝えた」と語る櫻井さん。SOGIの話をしたとき、生徒たちはまったく抵抗せず受け入れてくれたように見えたという。

「(性教育について)変わっていこうとしている学校もある。時間はかかるかもしれないですが、少しずつ世の中が変わっていこうとしているのかなと思います」

(ABEMA/「Wの悲喜劇 ~日本一過激なオンナのニュース~」より)

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【動画】Wの悲喜劇 ~日本一過激なオンナのニュース~ 「コロナ時代の性教育」(配信中)
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【映像】「Wの悲喜劇 ~日本一過激なオンナのニュース~」公開収録SP「“普通”ってナニ?」後編
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