春アニメ「イエスタデイをうたって」も好評のまま、ストーリーもいよいよ佳境に入ってきた。漫画家・冬目景による独特なタッチのイラストと、男女の心を繊細に描くストーリーのアニメ化作品で、最終盤に向けて注目もさらに高まっている。主人公・魚住陸生(リクオ)を演じた小林親弘が、第9話の放送を記念した独占手記を寄せた。
<小林親弘:独占手記>
壊れるわけない関係だからこそ壊さなければ変わらない。浪と品子の関係をみていると特にそう思う。
自分が浪だったらどうしたら良いだろう。品子にとって、浪はあくまでも惚れた相手の弟であり、家族のような存在だ。
その関係性を分かったうえでも自分の気持ちに整理をつけられず、身近にいるからこそずっと好きでいてしまう存在。こういう状態はとにかく、伝え続けるしかないのだろうか。
それとも認めてもらえるように何かを頑張るしかないのか。それは何なのだろう。彼の目線に立つと途方もない道筋がみえてくるようで辛い。
培った関係性を変えるには、やはり踏み出して壊す勇気を持たなければならないのだろうか。しんどい道だ。
昔読んだ岡本太郎氏の自伝に、親戚のお姉さんが初恋だったがあちらは子供としてしか見てくれず、ついに実らなかったと書いてあったのをふと思い出した。
距離感に違いがある片思いを抱いているとき、ミルクホールの杏子さんの言う通り何が大切かを自分でしか決めるしかないんだろうな。この物語が進むにつれて段々と各々が決断を迫られる場面が増えるために、みていて胸が苦しくなる。
ぐぅ…みんな最終話までなんとか耐えてくれ…。
苦しいので話題を変えよう。
杏子さんといえばミルクホールなんですが、今では喫茶店へと変わって、ほとんど見かけませんよね。
今作をみて気になった方は是非お住いの地域のミルクホールを調べて覗いてみてください。とっても雰囲気のあるお店が沢山ありますよ…!
そんなこんなでもうすぐ梅雨入り?いいえ、クリスマスな第9話でしたがいかがだったでしょうか。
次回はこりゃまた大きな出来事がありますよ!第10話もお楽しみに…!
◆作品情報「イエスタデイをうたって」とは
1998年よりビジネスジャンプ~グランドジャンプ(集英社)で連載、2015年に完結した漫画家・冬目景による漫画作品。コミックスはシリーズ累計140万部を突破。現在も多くのファンに愛されている。
◆ストーリー
大学卒業後、定職には就かずにコンビニでアルバイトをしている”リクオ”。特に目標もないまま、将来に対する焦燥感を抱えながら生きるリクオの前に、ある日、カラスを連れたミステリアスな少女―“ハル”が現れる。彼女の破天荒な振る舞いに戸惑う中、リクオはかつて憧れていた同級生“品子”が東京に戻ってきたことを知る。
※品子のしなは木へんに品が正式表記
(C)冬目景/集英社・イエスタデイをうたって製作委員会