1日深夜、『スピードワゴンの月曜The NIGHT』(ABEMA)が放送され、怪談師がかつて住んでいたアパートで遭遇した恐怖体験を明かした。

事故物件アパートですれ違った女の顔が… 怪談師が語った恐怖体験
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 この日は「日本縦断 リモート怪談SP」と題して、各地方を代表する怪談師がリモート出演で怪談を披露。2週に渡って行われる企画の前半となるこの日は「日本の東編」として、匠平氏(北海道代表)、正木信太郎氏(東北代表)、吉田悠軌氏(関東代表)、チカモリ鳳至氏(北陸中部代表)が登場。事故物件芸人の松原タニシも見届け人として出演した。

 チカモリ氏は松原がいるということもあり「アパート関係の話ばかりを集めました」と、準備万端の様子。「〇〇が住み着いたアパート」というタイトルの怪談では、「これは僕が、実際に経験した話なんですよ。僕も当事者なんです」と、実体験であることを前置きしつつ話し始めた。

 チカモリ氏は母子家庭で、自身が小学校3、4年生のころ、ひょんなことから母親が「アパートの大家をやらないか」という話をアパートのオーナーから持ち掛けられたそう。3階建ての1階には居酒屋があり、チカモリ氏の親子は店舗奥の部屋に居住。2、3階は単身者向けのワンルームのアパートだったという。

 そんな暮らしが2年ほど続いたある日、学校から帰ってくるとアパートの前には人混みが。チカモリ氏は子どもながらに「ただごとじゃないな」と思ったが、居酒屋の常連客に「ちょっと君は下がっていなさい、部屋に帰っていなさい」と促され、部屋に戻っていたそうだが、警察がやって来たことからベランダに出て様子を伺ったとのこと。

 すると、アパートの3階の部屋でガス自殺があったことがわかったという。亡くなったのは近くの旅館に勤めている20代後半ぐらいの若い女性で、この事件は新聞にも載ったのだとか。

 その後、ほどなくして大家を辞めたチカモリ氏親子は別の場所に引っ越したそう。それからおよそ20年が経った2010年ごろ、チカモリ氏はこの街を訪れる機会があり、「そういやここに昔住んでいたな。あのアパート、あれからどうなったんだろう?」と興味を持ち足を運んだところ、アパートはそのまま残っていたという。

 居酒屋は別のオーナーが経営をしている様子で、2階、3階もカーテンが閉まっているものの人が住んでいる雰囲気があったらしい。しかし、当時の自殺のあった部屋にはボロボロのカーテンが閉まったままで、「ああここ、空き家なんだな」と直感的に思ったという。

 するとチカモリ氏は、気が付いたら自殺のあった女性の部屋の前に立っていたそう。無意識で会談を上った3階には2つの部屋があり、自殺があったほうではない部屋の前には小さな植木鉢や雑誌の束といった、生活感を感じさせるものが置いてあったという。反対に女性の部屋からは、生活感を感じさせるものはなかったそう。

 チカモリ氏は「なんかこう魔が差したというか、ドアの取っ手を引いてみたんです。本当は鍵がかかっているだろうと思ったんですけども、開いたんですよ。アパートの重い鉄の扉が音もせずスーッと、軽く開いちゃったんです」と、玄関のドアを開けてしまったことを告白。

 ワンルームであるため部屋の様子は一目でわかり、横にキッチンがある他には部屋に何もなく、ボロボロなカーテンが下がっているだけの部屋を確認したチカモリ氏。「空き部屋なのだから当然」と思い、すぐにドアを閉めたという。

 「こんなところを誰かに見られたら怒られちゃうな」と、立ち去ろうとしたチカモリ氏だったが、そのとき下のほうから軽い足取りで上がってくる足音を聞いたそう。隣の部屋の住人だと思い、気まずい思いをしながら自身も階段を下りたが、相手は特に何を言うこともなくすれちがったという。

 その相手の印象についてチカモリ氏は「グレーというか、グリーンというか、ちょっと薄い苔色というか、そんなカーディガンと、ベージュの長いスカートを履いた女性の方」と表現した。

 アパートを出たチカモリ氏は「自殺があってから何十年も経っているけれど、噂が残っていて誰も住みつかないんだな」と思い、何気なく例の部屋のベランダを下から見上げたそう。すると、先ほどすれ違った女性が立っておりチカモリ氏を見下ろしていたが、チカモリ氏いわく、その顔は「顔のパーツが全部ゆがんでバラバラ」だったという。

「本来目がある場所には耳がついていて、口がある場所には鼻がついていて、それがモゾモゾと動き回っているんです。その顔のパーツが動き回る女にずっと見られちゃった」と語るチカモリ氏は「これはヤバイやつを見てしまった」と思ったそうだが、なぜか「そいつをなんとかして捕まえてやろう」という考えがよぎり、アパートに戻って一気に階段を駆け上がったそう。

 しかし部屋のドアに手をかけると鍵がかかっていて開かなかったという。チカモリ氏は「さっきまで開いたドアが、完全に鍵がかかって、閉まって開かないんです。あの部屋がなんで開いたのか、いまだにわからないですし、あの顔がいびつにゆがんだ女というのは、あのときに自殺をした女性なのか、それともなにか違うものがやってきて住み着いているのか、だから空き部屋のままなのかなと。これがずっと、引っ掛かったままですね」と、話を締めくくった。

 「このアパートは今でもあります」とチカモリ氏が補足すると、井戸田潤は「あるんだ……」と驚き、小沢は「すばらしいね、怖いね」と、感想を述べていた。

▶︎動画:放送中に謎の怪現象も!?日本全国怪談師集合 ご当地最恐怪談

日本全国怪談師集合!ご当地最恐怪談
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