20日夜の『NewsBAR橋下』(ABEMA)に生出演した安倍総理大臣に、かねてから地方分権を訴えてきた橋下氏が「少子高齢化時代になり価値観が多様化し、しかも国際情勢も複雑になっている中、今の日本の国の形、行政の仕組みで本当に色々な政策が実行できるのかという疑問を抱いている」と切り出すと、次のように持論を訴えた。
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「日本がここまで国際社会で存在感を発揮できたのは安倍総理の実績だと思うが、本当はもっと世界を飛び回ってもらって、外交・安全保障に集中してもらった方がいいのではないか。例えばトランプ大統領やプーチン大統領や習近平国家主席は待機児童問題のようなことはやってないと思うし、それこそミサイルや貿易のことに集中しているはずだ。これからは内政の仕事はもっと地方に振っていかないといけないと思う。地方分権というと地方が力を持つように思われるが、大阪の吉村知事や北海道の鈴木知事のような若い首長が切磋琢磨やっていけば政府の負担は少なくなる。実際、総理をされていて仕事が多すぎるなとは思いませんか。また、日本では国と地方の役割分担が本当に曖昧・不明確だ。例えば保育所一つとっても、厚生労働省の細かな基準があるので、自治体はちょっと定員を増やすということもできない。僕が大阪府知事の時にも、“いや、これが国の基準です”とはねられてしまった。もう地方の方で責任を持たせてください、ルールを変えさせてくださいと言っても、今の日本の仕組みではそれができない」。
さらに橋下氏は「例えば今回の持続化給付金も、霞が関から民間の事務局に業務を委託しているが、実は地方の出先機関に国家公務員が20万人いる。この地方にいる国家公務員たちが、永田町や霞が関が決めた政策を自分たちの仕事としてやるという感覚が全然ないように思う。だから民間に委託してしまう。僕は国の出先機関は全て知事の下においてマネジメントしてもらったほうがいいと思っている。明治時代に作られたこの中央集権体制の節目が来ている」指摘した。
安倍総理は「確かに今回、各自治体の首長は大変な力を発揮してくれた。地域のことを一番よくわかっているのは地域だし、身近なことは地方自治体がやるというのが本来の地方自治と国との関係なのかなとも思う。待機児童の話も、大きな予算を作って待機児童をゼロにしていくという方針を立てるのは国だが、実際に保育所整備の実務をやるのは地方自治体だ。安倍政権においても地方分権を進めてきているが、これからもかなり思い切った地方分権を進めていく必要があると思う。今の仕組み、在り方は戦後75年かけて作り上げられてきたものだが、地域がそれぞれの特性を活かして伸びていかなければいけないし、世界と繋がっていくという時代になった。やはり関係を常に見直していく必要があると思う」と話していた。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)