芸歴10年以内のお笑い芸人を対象とし、今年で第41回目を迎える「ABCお笑いグランプリ」。かまいたち、ジャルジャル、霜降り明星などの歴代優勝者達を輩出した本大会は、若手芸人の登竜門的存在となっている。
▶視聴ページ:『第41回ABCお笑いグランプリ』決勝戦(7月12日14:00~)
今年は、7月12日(日)14時25分より決勝の様子を朝日放送テレビで生放送、ABEMAにて全国ライブ配信される。決勝進出を決めたのは、オズワルド、カペポスター、からし蓮根、コウテイ、さや香、世間知らズ、そいつどいつ、滝音、チェリー大作戦、ビスケットブラザーズ、フタリシズカ、ベルサイユの12組。お笑いファンたちが注目する実力派、個性派が交わるバラエティ豊かなラインナップだ。
MCを務めるのは、南海キャンディーズの山里亮太。自身も2004年にABCお笑いグランプリにて優秀新人賞を受賞している。「この大会が大きな分岐点だった」と語る山里に、本大会の見どころや注目芸人について話を聞いた。
ウケなかったら解散も…「本当に大きな分岐点」だった大会
――第41回「ABCお笑いグランプリ」の決勝がいよいよせまってきました。MCに抜擢されてのお気持ちはいかがですか?
山里:めっちゃくっちゃ光栄ですよね。ついに、好感度バブルがここまで押し上げてくれたかと!「ABCお笑いグランプリ」は、自分が芸人を初めてから一番最初に出会った大きな賞レースで、一生の思い出だと思っています。
僕の時は司会が桂文枝師匠だったのですが、その時にしたやりとりって夢の様だったんですよ。「自分が文枝師匠と喋ってるなんて信じられない」と感激しましたし、他の芸人達もそうだと思うんですね。(本大会に出場する)芸人達の一番大事な瞬間に話を聞くという大事な役割を、自分がしていいのかという緊張はありますが、とても楽しみです。
――芸人にとっては本当に特別な大会だそうですね。
山里:人生がかかっていますからね。芸人というのは面白い人は必ず売れていくっていう世界ですけど、賞を取ると売れていくスピードが違うので。ABCお笑いグランプリはそういう意味でも本当に重要な大会なんです。芸人人生が成功するまでのスピードをロケットスタートさせてくれる。
――南海キャンディーズは2004年に出場して、優秀新人賞を獲得していますね。
山里:南海キャンディーズにとってこの大会は本当に大きな分岐点でした。それまでずっと「ボケとボケ」でやっていて全然ウケなかったんです。それでヤバイなと思って試行錯誤して、僕がツッコミになって初めて臨んだ賞レースだったんです。そうしたら予選から「ウケるぞ…!やっぱりボケとツッコミにしたら全然違う!」と手応えを感じて。「自分達で笑いを起こせる」という嬉しさを初めて感じました。
後から聞いたら、相方のしずちゃんはこのままウケなかったら解散を申し出ようとしていたらしいので、そういう意味でもABCお笑いグランプリが無かったら今の僕たちはいないです。この優秀新人賞をいただいたことで、自分たちの方向性が決まって、M-1グランプリに挑戦したので。
――まさに南海キャンディーズのお2人の今につながる大会だったわけですね。結成1年で決勝進出、優秀新人賞受賞というのも異例だと思うのですが。
山里:そうですね、珍しいと思います。本当ラッキーでした。男女コンビが珍しいですし、何よりもしずちゃんというキャラクターが特徴的でしたから。しずちゃんは前のコンビでもABCに出ているのですが(2002年に「西中サーキット」として審査員特別賞を受賞)、文枝師匠がしずちゃんをとにかくお気に入りで。僕らにインタビューしてくれるんですけど、僕が話している途中でもしずちゃんに話をふるという。映像も残っていて、自分でも忘れていたのですが、つい最近ある番組で観たら衝撃でしたね。本当にショックなことって自分でも忘れるんでしょうね。全く覚えてなくて!
――(笑)。しずちゃんという新しいスターが誕生した瞬間でもあるわけですね。
山里:本当にそうですね。ABCお笑いグランプリってそういう面白さがあると思います。新しいスター、新しいキャラクターを見つけることが出来るという。南海キャンディーズが出場した時の、最優秀新人賞が千鳥、優秀新人賞が友近、審査員特別賞が安田大サーカスで、みんな今も大活躍していますからね。安田大サーカスだけいびつな売れ方していますけど(笑)。
ABCお笑いグランプリに出る芸人は「一番ピュアで目が輝いている」
――今回のファイナリスト12組をご覧になっていかがですか?
山里:みんな本当にセンス抜群ですよね!これに点数をつけないといけないって、審査員の皆さんもめちゃくちゃ難しいと思います。
順番も結構大事なんですよね。漫才が続いた後にコントがポンって入って来ると新鮮で面白かったり、ぶっ飛んだコントや漫才の後に正統派がくると、「面白いけどものたりない」って思われてしまったり…。逆に正統派漫才が「これだよ、これ!」って支持されることもあるし。コウテイの後とか場が荒れるから絶対やりたくないですけどね!今回の大会はコントと漫才が良いバランスだなと思います。
――特に注目されている芸人さんはいらっしゃいますか?
山里:みんな面白いのでなかなか難しい質問ですが、唯一の女性でピン芸人のベルサイユは気になりますね。南海キャンディーズと同じ、男女コンビは世間知らずとフタリシズカがいて、でも全然違って面白いですね。フタリシズカみたいに「(横井さんが)あわよくば相方と付き合いたいと思っている」っていうのも、うちには無いからすごいなと。どういうネタなのか楽しみにしています。
ちなみにしずちゃんも、昔組んでいたコンビの相方の事が本気で好きで、しずちゃんが台本も書いていたものだから、「どんなネタでも一回は抱きつく」場面があったらしいです(苦笑)。
――山里さんがこのファイナリスト達と同期、同世代だったら「この人に一番嫉妬する」という人はいますか?
山里:同期だったらファイナリスト全員ですよ。売れそうな人には全員嫉妬です。でも、新しい笑いをやられてしまうというのが一番の嫉妬の理由ですね。漫才が下手というのは努力不足で、いくらでも練習できるけど、センスというのは叶わないと絶望に陥るので…。
コウテイとか良くも悪くもあんなネタ思いつかないし、ビスケットブラザーズもコントのセンスすごいし。自分たちの世界観を一番持っている人ってなるとコウテイになるのかな。あんなネタ恐くて僕なら出来ないです。
――超個性派なファイナリスト達がどの様な戦いを繰り広げられるのか、決勝が本当に楽しみです!
山里:この頃って「将来バラエティでここがライバルだな」とか一切考えずに「ネタが面白ければ売れるんだ!」って一番ピュアに考えているんですよね。とにかく目が輝いている。
――野球でいう、甲子園みたいな感じですかね。
山里:そうそうそう!そのうちみんな「キャラクター見せたらあの番組にハマるな」とか考え出しちゃう(笑)。ABCお笑いグランプリに出る頃のみんなはとにかく純粋にお笑いを楽しんでいる。お笑いが好きで好きで仕方ないみんなが一番良いネタを持ってくるので、楽しみにしていてください。そして、この中に第二の千鳥さん、第二の霜降りが絶対いるので、自分の好きな芸人を見つけてもらえたら嬉しいです。
――決勝楽しみにしております。今日は楽しいお話をありがとうございました!
撮影:Mayuko Yamaguchi
取材・テキスト:中村梢
第41回ABCお笑いグランプリ【決勝】 番組概要
配信日程: 7月12日(日) 午後2時25分~午後5時25分(生放送)
配信チャンネル:ABEMA SPECIAL
番組URL:https://abema.tv/channels/abema-special/slots/BerikuLTHgHpZu
出演者:
MC:山里亮太(南海キャンディーズ)、川添佳穂(ABCテレビアナウンサー)
審査員:小沢一敬(スピードワゴン)、柴田英嗣(アンタッチャブル)、陣内智則、兵動大樹(矢野・兵動)、山内健司(かまいたち)、ユースケ(ダイアン)、リンゴ(ハイヒール)
リポーター:濱家隆一(かまいたち)
ゲスト:ミルクボーイ(第32回決勝進出)、霜降り明星(第38回優勝)、エンペラー(第40回優勝)
<決勝進出12組> 組み合わせ
Aブロック【オズワルド、からし蓮根、世間知らズ、チェリー大作戦】
Bブロック【カベポスター、コウテイ、そいつどいつ、ベルサイユ】
Cブロック【さや香、滝音、ビスケットブラザーズ、フタリシズカ】
※こちらの番組はABC(関西)でも生放送。
第41回ABCお笑いグランプリ~最速!最深!新王者を徹底解剖【優勝者特番】
配信日程: 7月12日(日) 午後5時25分~午後6時30分(生放送)
配信チャンネル:ABEMA SPECIAL
配信URL:https://abema.tv/channels/abema-special/slots/98JM5WfhDjMkMm
出演者: 第41代チャンピオン ほか
MC:霜降り明星