27日、ニュース番組『AbemaPrime』(AbemaTV)では、先月16日にニュージーランドで行われた「“空飛ぶスパゲッティモンスター教”(以下スパモン教)の結婚式」をピックアップ。晴れて夫婦となったトビー・リケッツさんとマリアナ・フェンさんに、生中継で話を聞いた。
スパモン教は、元々アメリカのボビー・ヘンダーソン氏が、2005年にカンザス州教育委員会で、進化論と同時にインテリジェント・デザイン(ID説:何らかの“絶対的存在”が人間を創ったという学説)を教えるという検討がなされるにあたり、“ID説は科学的ではない”と意義を唱えるために創始したパロディ宗教。進化論とID説に加え、スパモン教も同時に論じられるべきだなどと掲げると世界中で話題となり、入信者が急増。現在はオランダやニュージーランドで正式な宗教団体として認定されるまでになっている。
スパモン教の衣装(?)は海賊風。また祈りの際に「ラーメン」と唱えるなど、ユニークな教えがあり、昨年11月には、アメリカ・マサチューセッツ州の女性が、免許証にスパゲッティの湯切り用ザルを被った写真を申請し、認めさせたことがおおいに話題になった。
このほどパスタ婚(スパモン教の挙式)第1号となった新婦のマリアナさんは“信念”について「優しさを持つこと。そして当たり前のことを当たり前と思わないこと」と説明し、新郎のトビーさんも「誰に対しても寛容でいることが大事。無宗教の人も、他の宗教を信仰する人も、リスペクトすること」など、ルールにとらわれないことを強調。
番組ではさらに、スパモン教日本支部の「ナポリタン」さんを取材。「(信者の数について)把握しているだけで日本では1700名だが、実際はその3~5倍いるのでは」「活動のメインは、ローカライズ。思想を輸入するのではなく、日本に馴染みやすくしていきたいと思っている」といい、Facebook上で活動報告や身の上相談や恋愛相談を行っている。例えば「洗礼」については、
〈洗礼(せんれい、ス:パスタテマ)とは、入信に際して行われる浄化儀式の事です。入浴(シャワーでもOK!)時に自分自身で行う事ができます。洗礼によって、原罪およびそれまでに犯したすべての自罪が赦されます。〉
と説明され、洗礼名については、「ナマエ」・「洗礼名」・「ミョウジ」の順に記名(例:マコト・ジェノベーゼ・タカハシ)で、何をつけるかは自分の好み。二郎ファンなら「ジロリアン」がオススメといった具合だ。
また公式グッズであるお守り【ボトル・ヌードル】も制作。ボトル内には創造主スパモンの偶像(ヌードル)と、司教によって丁寧、且つ大切に浄化された“シン(芯=神)”が飾られ、価格は1本1,800円(税・送料込)。
「ナポリタン」さんによると、スパモン教日本支部にはサラリーマンをはじめとして、医者や弁護士といった職業の人がいるとのこと。パスタフェリアン(信者)になる人の傾向を「精神的負荷が高い方が、心の平穏を求めるのではないかと思う」と分析した。
メインMCの宮澤エマは「ニュージーランドのスパモン教は個人主義。一方で日本支部は司教がいたり、お守りがあったりと、宗教的な活動もしっかりしている。国によって、スパモン教の存在価値が様々」と興味津々。この日は小松靖アナウンサー、宮澤、コメンテーターのセクシーチョコレート・REINAら英語に堪能な出演者ばかりで、それぞれが中継先と直接やりとりをおこなったが、疑問は尽きず、時間が足りないほど。とはいえ、その“自由さ”は感じ取っていたようだ。
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