先日緊急リリースされたレディオヘッドの最新アルバム『ア・ムーン・シェイプト・プール』。発売5日間という短期間にも関わらずUKチャート1位を獲得するなど好調だが、発売一週間前に公開したリード曲「Burn The Witch」のミュージック・ビデオを巡り「盗作疑惑」が浮上している。
クレイアニメのポップなキャラクターの中に魔女をいけにえにするホラーなストーリーで、昨今の移民問題などに切り込み物議を読んだ「Burn The Witch」のミュージック・ビデオだがイギリスのアニメーション『Trumpton』に作風が酷似していると、アニメーターのゴードン・マレイの息子と家族が主張、ブランドイメージを損なったとし著作権侵害で告訴を検討しているという。
『Trumpton』は60年代に一世を風靡したコマ撮りで作られたアニメ作品。英デイリー・メイルの報道によると、今回訴訟を検討しているのが、本人ではなく義理の息子のウィリアム・モレット氏で、メディアに「レディオヘッドは事前に我々に確認すべきだった」と持論を展開している。一方で、ウィリアム氏は当の本人である95歳のクリエイター、ゴードン・マレーはレディオヘッドの映像を「本人が驚くだろうから一切みてせいない」と発言するなど不可解な点も指摘されている。
海外メディアは両方の作品を知る英国人からも「Burn The Witch」のミュージック・ビデオが「『Trumpton』の盗作である」という主張には懐疑的な意見も多く、今後「訴訟の用意がある」としながらも、実際法定での争いの発展するかは今のところ不明。レディオヘッド側はこの件に関して一切反応を示していない。
「Burn The Witch」のミュージック・ビデオは、イギリスの映像ディレクター、クリス・ホープウェルが手がけ2003年にもレディオヘッドの「There There」のビデオを制作している。今回の論争とは別に「Burn The Witch」の映像に関しては1973年にイギリスで制作された実写映画『ウィッカーマン』のシーンに似ている場面が発見され、本作品にインスパイアされたとの指摘も寄せられていた。