7月3日から放送を開始したTVアニメ『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』。「ソウルイーター」などで知られる漫画家・大久保篤氏が描く「炎炎ノ消防隊」(講談社「週刊少年マガジン」にて連載中)を原作としたアニメの第2期だ。
本作は、とある理由から“悪魔”と呼ばれる新入隊員の少年“シンラ”こと森羅 日下部(CV:梶原岳人)が、人々を救う“ヒーロー”を目指す物語。アニメ放送直後から、劇場版さながらのスケールで描かれる作画のクオリティの高さや、個性溢れるキャラクター描写が反響を呼んでいる。
今回、ABEMA TIMESでは監督・シリーズ構成を務める南川達馬氏にインタビューを実施。『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』の魅力やアフレコ現場での裏話を聞いた。
――今回、スタッフやキャストはどのようにキャスティングされたのでしょうか?
南川:「弐ノ章」で新登場する名前のあるキャラは、ある程度音響さんから何名か提示されまして、その中から希望を出して各所協議の元、決定されています。オーディションというより決め打ちに近い形でしょうか。
一部、とある作品の関係性の都合で確定決め打ちの方がいらっしゃいまして、変更することなく出演していただくことができました。過去に魂いただかれちゃった方ならお分かりになると思います。娘はすでにいるのでお父さんと猫。弐ノ章も楽しみにしていてほしいです。
――アフレコ現場で印象的だった出来事があれば教えてください。
南川:1話のBパート、”特殊消防隊ヌードカレンダー”のシーンで秋樽 桜備と武久 火縄がポージングをして話すシーンがあるのですが、パートの収録直後、こちらの録音ボタンが切れたあとに火縄役の鈴村健一さんが「なんだよあのポーズww」と零していたのが印象的でした。
▶映像:鈴村健一がツッコんだ桜備と火縄のポージングシーン(18分頃~)
パート・コ・パーンの笛については、私から実際に吹いてほしいと録音の根岸さんに相談しました。収録の際に、音割れなどの理由で録音できない可能性が大きかったのですが、技術的な問題はクリアしました。しかし、その後の笛の収録時に都度都度、やれ「もっと悩んで」、だったり、「こういうセリフを笛で。」(台本には笛の翻訳文などつけたりする場合もあり)だったり、”色々感情を乗せた笛を”と、こちらから色々なオーダーをだしたのですが、明らかに「?」と悩みながらも前を向いて笛を吹いてくださった小野大輔さんが印象的でした。
他にも、アーグ大隊長役のチョーさんが息を吸うようにドMを演じていらっしゃったことも印象深かったです。そして、皆さん本当に仲良さそうに収録しているなとアフレコ現場を見て感じました。
――「炎炎ノ消防隊」のアニメ化にあたり大切にした世界観を教えてください。
南川:原作の世界観は常に大切です。アニメだから大切にするという限定的な世界観は存在しないと思います。「壱ノ章」から引き続きの原作の物語を描いていく中で、新しい場所がでてくるのでその世界の広がりをしっかり見せようと考えました。
――難しかったポイントや苦労した点はありましたか?
南川:元々「壱ノ章」からあった場所の延長にある場所は想像しやすかったのですが、全く新しい場所はそのバックボーンから思考する必要があったので中々に悩ましかったです。
――監督からみたTVアニメ『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』の魅力はなんですか?
南川:最高にエンターテインメント出来ていることだと思います。先ほど、作画についても述べましたが、同じように音・色・編集などの要素が噛み合っていて、すべてが高水準で制作されているからです。さらに、それが損なわれない物語が今後展開されていることが原作で保障されています。最高です。(※作画についてのインタビューは前編で)
――最後に、ファンのみなさんにメッセージをお願いします。
南川:原作ファンの方も、アニメではじめて「炎炎ノ消防隊」に触れて頂いた方も、どちらからでも楽しめるように制作しています。今後の展開も満足いただける作りをしておりますので、引き続き「炎炎ノ消防隊」を宜しくお願い致します。
▶『炎炎ノ消防隊 壱ノ章』
YouTubeマガジンチャンネルにて全話無料公開中
https://www.youtube.com/playlist?list=PLIGSjnmKivFcknx6K0AId_w6C9umJwy95
▶【インタビュー前編】
「間違いなく上手くいく」と1回目の作画上がりで確信…南川監督が明かすTVアニメ『炎炎ノ消防隊 弐ノ章』制作秘話
(C)大久保篤・講談社/特殊消防隊動画広報課