多くの若い人が、感染しても無症状や軽症で済むとされる新型コロナウイルス。しかし、軽症だった場合でも、“後遺症”のような症状を訴える人が相次いでいる。厚生労働省も、来月~来年3月末までのスケジュールで、呼吸機能についての調査に乗り出すという。
・【映像】当事者が語る"コロナ後遺症"「退院して4ヶ月も微熱と倦怠感」
インフルエンザなどにも罹ったことがなかったという一輝さん(32)は、新型コロナウイルスに感染、軽症で済んだものの、4月上旬に退院して以降、37℃前後の微熱と倦怠感、下痢の症状に悩まされている。「一日中朝から強い倦怠感を感じる日もあれば、朝調子が良くても夕方になると具合が悪くなることもある。ただ、少し散歩するだけで息切れしてしまうし、仕事もできない状況だ」。
しかし、発症時にはあった味覚症状は消えており、退院後に受けたPCR検査の結果も陰性。5月には「歩くのも辛いくらい、息もできないくらい胸が圧迫されるような感じ」を覚え診察を受けたが、CT検査、血液検査、心電図検査の結果は異常がなく、医師にも「原因がわからない」と言われてしまったのだという。「入院中の費用は公費だが、退院後の費用は自分で払わなければならない」。
新型コロナウイルス感染者の診療にも当たっているナビタスクリニック理事長の久住英二氏は「ウイルスがいなくなった後も症状が長引く方がいるということが、海外でも問題視されてきている。米国のCDC(疾病管理センター)の調査でも、診断がついてから2~3週間後には倦怠感が半分くらいになっているものの、7割くらいの方で咳が続いているし、8割くらいの方で息苦しさが残ったままだったという。ただ、コロナに感染したことが直接の原因だということが科学的に証明できていない。一輝さんのケースも同様だが、現場の医療者としても、どのように説明し、対応すればいいのか、そのための根拠がないのが現状だ。今後、症例やデータを蓄積して、科学的に当たりをつけていかなければならない」と話していた。(ANNニュース)
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