「ウイグル人を助けてください」強制収容所に3度拘束されたウイグル人女性の訴え
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 1日深夜、『カンニング竹山の土曜The NIGHT』(ABEMA)が放送され、3度にわたってウイグルの強制収容所に送られた女性によるインタビューVTRが公開された。

 番組では「中国のヤバい弾圧の全内幕ウイグル人が生告発」と題して、ゲストに日本ウイグル協会副会長のフメット・レテプさんと、理事のハリマト・ローズさん、グリスタン・エズズさんをゲストに招き、メディアでも報道され始めた、中国によるウイグル自治区への弾圧について話を聞いた。

▶映像:殴打や電気ショックも…ウイグルの強制収容所に送られた女性の証言VTR(15分頃~)

「ウイグル人を助けてください」強制収容所に3度拘束されたウイグル人女性の訴え
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 番組ではウイグル人女性の証言VTRを紹介。アメリカで実施された30分の単独インタビューを15分にまとめたもので、竹山は15分のVTR放送は、番組内で異例の長さだとしながらも「我々話し合いをしまして、ぜひみなさんに観てもらうべきVTRだと判断しました」と、意図を説明した。

「ウイグル人を助けてください」強制収容所に3度拘束されたウイグル人女性の訴え
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 VTRで女性は、1回目の収容体験は2015年5月13日だったと告白。幼い三つ子を連れ、エジプトから新疆ウイグル自治区のウルムチ空港に到着すると「確認したいことがある」と別室に連行されて3時間ほど尋問を受け、生後45日の子どもたちは警察に連れていかれたという。

 尋問は海外留学をした理由や、知っている人物について問われる内容だったとのこと。尋問が終わると口をテープでふさがれて、さらには頭に黒い袋をかぶせられた上に手錠をかけられて、刑務所へ連行。そこで7日間真っ暗な部屋に閉じ込められてさらなる尋問を受け、強制収容所へと移されたそう。

 すると7月末に「3人の子どもが重病のため仮釈放する」という通達があったものの、電話、身分証明書、パスポートが取り上げられ、尾行がつく形での仮釈放だった。女性がウルムチ市内の小児科病院に行くと、3人の子どもたちの首の右側に手術された跡を目の当たりにしたという。翌朝には1人の子どもが遺体となって引き渡されたそうで、現在子ども2人は生存しているものの、手術が施された理由はいまだにわからないとのことだ。

 2回目の収容は2017年4月17日で、警察に着いたとたんに荷物が取り上げられ、その日から拘束。3日間にわたって眠ることを許されずに尋問を受けたそう。「知らない」と答えると警察は女性を酷く殴り、頭部からの電気ショックも。尋問は壮絶で「殺してほしい」と懇願してしまうほどだったそう。収容所では正体不明の注射を打たれ、薬を飲まされることもあったという。

「ウイグル人を助けてください」強制収容所に3度拘束されたウイグル人女性の訴え
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 数か月後に精神病病院に移送されると、記憶が定かではないまま実家に戻ることに。24時間の監視下におかれた状態での生活をつづけたそうで、収容所での体験を一切口にすることはできなかったそう。

 そして、2018年1月18日に再度収容さて、無期懲役か死刑になることを告げられる。子ども2人がエジプトの国籍を持っていたため、「自身が死刑になったあとにはエジプトに送還してほしい」と要求したという。

 これがきっかけでエジプト政府関係者と面会する機会を得た彼女は、子どもが小さいことから「2か月以内に戻る」ことを条件に、子どもを連れてエジプトに行くことに。しかし国当局は実家に残る両親、兄、妹、親戚など、一族26人を拘束しており「お前が帰ったら家族を釈放してやる」と告げたそう。

 エジプトを戻ってきた女性は、戻らなければ「一族の人生を破壊することになる」と恐怖していたが「帰ったら殺されるに違いないため、祖国で起きていることを世界に知らせる決心をしました」と告白。

 エジプトでは身の安全を図れないと考えた女性はアメリカ政府との接触を考え、エジプトのアメリカ大使館に連絡。アメリカ大使館は状況をすべて聞き、10日ほどすると「アメリカが守る」という連絡がきたという。

 女性はアメリカ政府の支援でアメリカに渡り、その後多くのインタビューに応じてウイグル人のために精一杯の発信活動に従事。活動を急ぐ理由について「なぜなら、私はそう長く生きられない、収容所を出るときに正体不明の注射を打たれたことがあるからです」と、生きているうちに現状を世界に伝えたいからだと明かした。

 最後に女性は「ウイグル人を助けてください。ウイグル人は残酷極まりない虐殺を受けています。中国は、今回私たちを物理的に虐殺し、消し去るつもりなのです。『教育』ではなく、虐殺によって私たちを地球上から消してやるのが狙いなのです。私たちの言語、独自文化、民族衣装、飲食まであらゆる伝統文化が禁止されています。消滅させられています。ウイグル人を保護するために力を貸していただきたいです」と訴えかけていた。

中国によるウイグル自治区弾圧を当事者が告発
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