1日深夜、『カンニング竹山の土曜The NIGHT』(ABEMA)が放送され、中国公安を名乗る人物が、日本ウイグル協会の人物をスパイ活動に勧誘する様子の動画が公開された。
▶映像:在日ウイグル人に中国からかかってきたスパイ勧誘電話を公開(1時間29分頃~)
番組では「中国のヤバい弾圧の全内幕ウイグル人が生告発」と題して、ゲストに日本ウイグル協会副会長のアフメット・レテプさんと、理事のハリマト・ローズさん、グリスタン・エズズさんをゲストに招き、メディアでも報道され始めた、中国によるウイグル自治区への弾圧について話を聞いた。
ハリマトさんによると、2018年1月に妻の親族が日本旅行から帰国してすぐに収容施設に入れられ、その後もさらに親族2人が収容されたとのこと。2019年1月に親族3人が釈放されると、今年の5月に、ウイグルにいる兄を通じて中国国家安全部を名乗る男性からテレビ電話で「スパイになれ」と言われたと告白した。
実際にそのときに録画していた映像を番組では紹介。冒頭はハリマトさんの兄との通話の様子が映されており、「今日は母の日だから、お母さんとデパートに行ってきたよ」など、とりとめのない会話が記録されていた。ところが、その後突然ハリマトさんの兄が「ちょっと話があるそうなので」と、隣にいたと思われる別の人物に電話を代わった。
そこに現れたのは中国国家安全部(公安)を名乗る男性で「ちょっと話を聞いてもらっていいですか?」と切り出すと、ハリマトさんが在日ウイグル人に呼びかけて集会を開いたのではないかと指摘。ハリマトさんが「覚えがない」と否定すると、すぐに「覚えてないならいいです」と笑顔になって「覚えてなくても友だちになれます」とコメントした。
相手は「友だちになりたい」という切り口から「協力をしてほしい」と持ち掛けて、日本ウイグル協会がどのような組織なのかを教えてほしいと要求。「君を悪いようにはしない」と発言すると、ハリマトさんが日本に帰化できていないことを把握しているとも語り、「もし『私たち』に協力すれば、帰化の問題は簡単に解決できます」「電話1本で解決できるかもしれません」などと、条件提示をした。
ハリマトさんが「協会のことについては、本当になにもわかりません。ご自分で調べてください」と突き返すと、公安を名乗る男性は「大丈夫です。君と話すのは今日が初めてです。とりあえず友だちになりたいです」と食い下がってきたが、ハリマトさんは返事をせずに電話を切った。
ハリマトさんによると、以前から執拗に電話がかかってきていたが、要件は予想できたために出ないようにしていたそう。しかし妻から「(妻の)お兄さんがすごくつらくて、できれば1回(電話に)出てみれば?」と、意味深に言われたことから電話を受けたそう。
また、7人いる日本ウイグル協会理事のうち6人がすでに帰化をしており、恐らく唯一帰化をしていないハリマトさんを狙い撃ちにしての交渉だったとも解説した。