「帰るだけなら問題ない。おじいさん・おばあさんにも“ちょっとだけ顔を見せる”という程度なら大丈夫だ」お盆の帰省について京大・宮沢准教授
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 「Go To トラベルキャンペーン」が継続する中、加藤勝信厚生労働大臣が4日、「感染者の増加スピードが高まっていく。そうした場合には再び緊急事態宣言を発出する可能性ももちろんある」と示唆。一方、西村康稔経済再生担当大臣は「県またぎの移動の自粛はお願いしていない」としながらも、「実家に高齢者がいる場合は十分注意を」と呼びかけている。

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 いよいよ迫るお盆の帰省の問題について、同日夜の『ABEMA Prime』に出演した京都大学ウイルス再生医科学研究所の宮沢孝幸准教授(ウイルス学)は「西村さんと同じ考えだ」と話す。「帰省するのは問題なく、うつしてしまうような行為をするかどうかが問題だ。会話のときにはマスクを着用し、食事の際など、マスクを外すときは小声で喋ってほしい。それから、飲み会、どんちゃん騒ぎはやめる。5人がダメとか4人がダメとか言われているが、数は関係ない。2人でも大声で喋り合ってしまえばダメだ。カラオケにも注意してほしい」。

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 その上で宮沢氏は、重症化リスクが高いとされる高齢者との接し方について、次のように話した。

 「今回の帰省は、親やご先祖様に会うのが最大の目的だと思ってほしい。高齢のお父さん・お母さん、あるいはおじいさん・おばあさんがいる場合も、会話は少なめにして、ちょっとだけ顔を見せるという程度なら良いと思う。確かにGo To トラベルによって、ある程度ウイルスが広まってしまう可能性もあるが、今のところコントロールできている状況なので、地方で爆発的な流行は起きないのではないか。むしろ、冬の方が心配だ。冬に流行すれば、正月の帰省ができなくなる。そうすると、1年間も会えないという人も出てくる。もし亡くなってしまったら…と思う人は、いま帰った方がいいのではないか。僕は孝行息子ではなかったが、親に会えない現状なので、そう思う。もちろん、親御さんやおじいちゃん・おばあちゃんが会いたくない、かかりたくないというのであれば、それはそれで良くて、お手紙でも書いていただければと思う」。

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 また、先月27日の会見では菅官房長官が改めて「ワーケーション」の推進に言及、話題を呼んだ。

 ジャーナリストの佐々木俊尚氏は「“和製英語だ”とか、“けしからん”と言う人がたくさん現れたし、“休みの日まで働かされるのか”という社畜的な文脈で語られがちだ。しかしこれは10年以上前からアメリカで使われてきた言葉で、基本的には地方の海辺や山の中に行って釣りや海遊びをしながら仕事もしましょうというスタイルの話だ。“3密”にもならないし、大声も出さないわけで、むしろ東京で飲み会に出て騒いでいるよりも安全で、コロナの時代に適合したワーク・スタイルだ。ただ、自分で自分の仕事をコントロールできる人でないと成立しない働き方なので、誰もができるものではない。そういう中で国が言ってしまったことで、日本人全員がやらなければならない、やれるというようなイメージになってしまったのは行き過ぎだったと思う」とコメント。

 リディラバ代表の安部敏樹氏も「ここ数年の国の政策にも入っている言葉で、地方創生の事例として総務省、地方でも和歌山県などが推進している。これを批判している政治家たちは関連文書を読んでいるのかと言いたい。ワーケーションをしている拠点の近くの旅館にマイクロツーリズム的に行くといった動きが出てくれば、長期的には非常に良い政策だと思う。今のタイミングでなければ推進できないという意味でも、ここで予算を使った方が良いと思う」とした。

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 宮沢准教授は「ワーケーションできるのであれば僕も1週間くらいしたい」としながらも、「僕はGo To キャンペーンは愚策だと思っている。旅行業や飲食業だけでなく、もっと困っている人に対して重点的にやるべきだ。西村大臣ばかり見えているが、もう少しリーダーシップを発揮して、安倍総理が“安全に外に出て下さい”と言えば済むことだと思う。逃げているなと思う」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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