新型コロナウイルスの影響でコンサートの中止や延期があいつぐ音楽業界に役立ちたいと、ドラムメーカーが支援に乗り出した。
ドラムセットのハイハットと呼ばれるパーツは上下2枚のシンバルで構成されていて、プレーヤーが左足でペダルを踏むことで上側のシンバルと下側のシンバルが重なる仕組みだ。ペダルの踏み込み具合で無限の音色を出すことができる。
一方、今や生活に欠かせない消毒液。特に不特定多数の人が使う場合、手押しのポンプの部分は直接触れないに越したことはない。これをハイハットの仕組みを使って手で触れずプッシュできるアイテムをドラムメーカーが発売した。
パール楽器製造広報課・大友正彦課長は「GWあけくらいに、楽器店さんのSNSの投稿でハイハットスタンドを使った消毒液スタンドを拝見しまして、コロナの感染拡大でライブ、コンサートが自粛していくなかで、何かできないかなという中、楽器メーカーとして一般の方々にも使えるような形で商品化することで、コロナの感染予防にお役立てできないかなと」と話す。
これだ!と思ったドラムメーカーの担当者はすぐに製品化に向けて動き出した。既存のハイハットのスタンドと、ドラムのスティックや指揮者のタクトを置く台を合体させるところまではスムーズだった。しかしボトルを押す部分だけは作らないといけなかった。各社の消毒液ごとに異なるポンプの形状に対応するため、メーカーはポンプを押すプレートの新規開発に着手した。試行錯誤の末、サンプルを作り、およそ2週間で完成にこぎ着けた。プレートはスライド仕様になっていて、あらゆるポンプの形状に対応する。
「耐久性についてはアーティストのアドバイスを受けて進化している。最終的にコンサート、ライブにつながるためには会場で使うという以前に、その前の段階から皆さんが感染予防をして頂きたい。」
ドラムメーカーが思を込めて作った「ペダル式」消毒液スタンドは全国20以上の楽器店で購入することができる。(ANNニュース)