新型コロナウイルス感染拡大の影響により、大きなダメージを受けている観光業界。外出自粛や訪日外国人の激減などにより、「人力車」の利用客も大幅に減少しているという。
そんな中、新たな試みとして始まったのが「オンライン人力車」。“乗客の目線”にこだわったカメラ撮影により、人力車から見える景色を生配信。さらに、ビデオ通話を利用して車夫の観光案内を楽しむことができる。
『ABEMA Morning』では、大学生時代に浅草で車夫のアルバイトをしていたテレビ朝日のアナウンサーが、“新たな観光”を体験取材した。
この日、「観光人力車 いつき屋」に案内してもらったのは、小江戸・川越の街。オンライン人力車の大きな特徴は、日本だけでなく海外からも複数の客が同時に参加できること。並木アナの「何県からご覧になっていますか?」という質問に、「京都です」「私は茨城県です」といった答えが返ってくる。さらに、1回の利用料(1ユーザー1500円・30分コース)で、おひとり様だけでなく家族や友人と一緒に参加することも可能だ。
「いろんな年代の建物が残っているというのも川越の特徴ですね」(車夫)
「川越に行ったことなくて、初めてなんですよ」(並木アナ)
「これが初めてなんですね?それはうれしいです」(車夫)
画面越しのコミュニケーションではあるが、車夫と客の距離感は実際の人力車と変わらない。また、参加者は全員初対面だったが、気軽に会話を楽しみながら川越の歴史や魅力に触れることができた。
「僕は人力車に乗ったことも、もちろんひいたこともなくて。どういうものなのかなっていうのが、観光の下見と同時に観光もしたくなるし、人力車にも(実際に)乗ってみたいなと感じましたね」(京都からの参加者)
新型コロナの収束の見通しが立たない中、オンラインを活用した“観光サービス”が街の活性化に繋がることが期待される。
「コロナがきっかけで始まったんですけど、それをきっかけにして/川越ってこんな町なんだよ、こんなおもしろいことやってるよっていうプロモーションとして活きてくればいいかなって」(「いつき屋」の高田玄さん)
体験取材を終えた並木アナは、「私もバイトしていた時、お客さんとのコミュニケーションで、周りの雑音で声がよく聞こえないことがあったんです。今回はオンライン人力車なので、イヤホンでスムーズにお客さんと会話することができたのもよかったと思いました」と自身の経験から語った。
いつき屋の人力車の平日利用率は、例年に比べて半分ほどに減っているという。オンライン人力車のサービスは今後も継続するといい、次回は14日と19日に実施予定だという(申込みは公式Facebookから)。
(ABEMA/『ABEMA Morning』より)