「腹が減ってね……」俳優・宝田明が語った戦後の"ひもじさ" 奇跡のような再会エピソードも
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 15日深夜、『カンニング竹山の土曜The NIGHT』(ABEMA)が放送され、俳優の宝田明が第二次世界大戦後に味わった「飢え」の苦しさについて語った。

 この日は「8/15終戦記念日 特別企画 宝田明(86)壮絶戦闘体験」と題して、俳優の宝田をゲストに招き、戦争時代のエピソードを聞いた。

▶映像:戦争経験者の俳優・宝田明が経験した"奇跡的な再会"(1時間37分頃~)

 終戦直後のエピソードを語っていた宝田は、なにかを思い出したように突然言葉を詰まらせると「腹が減ってね……」と絞り出した。

 友だち数人と「なにか食い物を」と畑を探していると、そのなかの1人が「イナゴがいる!」と、虫を見つけたそう。「イナゴなら食べられる」と思い、宝田は虫を捕まえて噛みしめたそう。

 しかし、イナゴだと思った虫はバッタで、宝田は下痢がおよそ2週間続いたという。宝田は「でも噛み応えはあるしね。キャベツの中にある尺取り虫みたいなのも食べちゃうもんね……。『ひもじい』ということはそういうことです」と、吐露した。

「腹が減ってね……」俳優・宝田明が語った戦後の"ひもじさ" 奇跡のような再会エピソードも
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 一方で、宝田は小学校6年生のときに満州から日本に引き揚げてきたが、大坂の街では優しい体験もしたそう。

 八百屋の前を通ると、大きくて赤い果物が目に入り「なんだろうなあ」と思いながらも通り過ぎると、背後から「カランコロン」という足音がせまり「ちょっと待っておくんなはれ」と声を掛けられたそう。

 振り向くと割烹着を着た女性がおり、「どこから帰ってたきはりました?」と問いかけたため、宝田は「ハルピンから」と答えると、女性は「これを食べなはれ」と、さきほど眺めていた果物である柿を4つ施してくれたそう。この女性の親切に感動した宝田は、俳優になってからこの話をインタビューで告白したという。

 すると、ある日大坂で公演をしている最中に、宝田のファンクラブの人たちから招待を受けて尋ねることに。

 「宝田さん目をつぶってください」と言われ目を閉じると、背後から「カランコロン」という下駄の音が。振り向くと笑顔で割烹着姿の女性がいて、宝田は「あら、柿のおばさん!」と思わず声に出したという。

 女性は「あんた、こんな偉うならはるんだったら、あのとき柿をもっとあげておけばよかったね」言葉をかけてくれたそう。宝田のインタビューの内容を知ったファンクラブの会員が探してくれたそうで、奇跡の再会話に竹山も「すごい話ですね」と感動していた。

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