2020年7月からTVアニメ第2期が放送・配信中の「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所(以下、ムヒョロジ)」。約2年ぶりに制作された新シーズンに対して、続きを待ち望んでいたファンも多い。
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今回ABEMA TIMESでは、同作で主役の2名を演じる村瀬歩(ムヒョ役)と林勇(ロージー役)にインタビューを実施。両名の作品に対する想い、各キャストに関するエピソードなどを聞いた。
―― 2018年に放送された第1期から約2年を経ての第2期になりました。久々に「ムヒョロジ」のアフレコ現場に入った際のエピソードを教えてください。
村瀬:「ムヒョロジ」はキャスト同士の仲が良くて、現場の雰囲気がすごく良いんですよ。以前にみんなでご飯に行ったり、バーベキューに行ったりしたこともあって、全体で結束力のようなものが生まれているんです。
林:もちろん仕事はみんな本気でやっていますが、ご飯に行くときなどは文化系の部活みたいな雰囲気ですね(笑)。
村瀬:「酒飲め飲め!」って言われることもないよね(笑)。「ムヒョロジ」のキャストにはマイペースな人が多くて、だからみんな気が合うんです。
林:それぞれの立ち位置のようなものが決まっていて、斎賀みつきさん(今井玲子役)がピシッと言ってくれたりとか、カッキーさん(※ヨイチ役の柿原徹也)が面白いこと言ってくれたりするんです。
村瀬:柿原さんは先輩ですが、もう無茶苦茶面白い(笑)。破天荒なところもあるんですが、それでみんなが笑顔になる感じ。林さんはときどき魂ここにあらずって顔をして、それを斎賀さんにいじられたり、ツッコミを入れられたりしてます(笑)。
■「頭では分かっていても、やっぱり気になる」村瀬歩&林勇が考える“ムヒョとロージー”
―― アフレコは、何か周りのスタッフから演技の指示はありましたか。
林:僕が演じるロージーは、作中で最も成長を期待されているキャラクターで、しゃべるシーンが多いんです。ロージーは「ムヒョのためになりたい」と思っていながらも、最初はどこかムヒョに甘えているような感じがありました。
第2期では、ムヒョと離れ離れになって、ロージーなりに「このままじゃいけない」と強く思うようになっていきました。それまでは「ムヒョのためになるんだ!」という態度は虚勢のような気がしていて、アニメ第2期になってからは「ムヒョと同じ土俵で戦うんだ!」とあらためて決意できました。ロージーの気持ちの変化、成長はきちんと演じなきゃいけないと思っています。
―― 第2期の8話で2人が合流したシーンは盛り上がりました。
林:別れた恋人が再会するような……(笑)。
村瀬:いや、僕はそういう感じには思わなかったですけどね?! 師弟関係でしょう。林さんは韓流を見すぎなんです(笑)。
林:韓国のオーディション番組を見始めてからいろいろ漁って、韓流ドラマを見すぎちゃって。今、すごく韓流にハマっています。
村瀬:話を戻すと、ムヒョとロージーは不思議な関係なんです。ムヒョもロージーのことを放っておけないと思っているけど、あんまり手を貸しすぎると彼の成長を阻害してしまうと確信していて、頭では分かっていても、やっぱり気になる……みたいな複雑な感情を持っているんです。
ロージーと話しているときはムヒョの親心みたいな、親愛の感情が見えてくると感じていて。ただ、ムヒョはそういう優しさを見せるのが嫌な性格だから、見せないようにするのが彼っぽいですよね。
林:ムヒョは天才って言われているから、2人の才能の差は歴然なんです。その中で「ロージーを助手として選んだ」ことで、ムヒョは責任を感じていると思います。罪悪感とはまたちょっと違う気がします。
村瀬:エンチュー(CV:神谷浩史)を助けるための道なりに、ロージーを引きずり込んじゃったっていうのもありますからね。でもそういうことを考え始めると、僕の中のムヒョは「キメェ……」「うるせえな、余計なことを考えるな」って言ってくる(笑)。
ムヒョは自分の心の中を見られたくないんだけど、情はしっかりあるタイプ。演じる上で、そこはかなり大事にしました。
―― 第1期の中で特に印象に残っているストーリーはありますか?
村瀬:顔剥ぎソフィー(CV:後藤邑子)が怖すぎました。あとはティキ(CV:太田哲治)も。見た目もインパクトがあるのに、声がついて怖さがさらに増しましたよね。
林:「どういう声で来るんだろう?」って僕たちもワクワクさせられました。ゴリョー(CV:小林裕介)もそうじゃないですか?
村瀬:たおやかな、美しい感じの声ですよね。
林:あんな芝居もできるんだって驚きました。でも、またこんなこと言うと、アユちゃん(村瀬)が嫉妬しちゃうから(笑)。二人(小林と村瀬)もすごく仲良いよね。
村瀬:小林くんとは別の作品で共演していて、そっちの作品のキャストでもよく飲みに行っているんです。小林くんがゴリョーに決まったって知って、向こうの現場でそのことを訊ねたら「またアユと仕事できるのめっちゃうれしい」って返してくれたんです。
自分が出ている作品でも出ていない作品でも、小林くんの演技を聞くと「良い仕事してるな」と思うと同時に「悔しい」って気持ちも出てきちゃうのですが、それ以前にまず小林くんの人間としてのスタンスが好きですね。芝居を一緒にしていると楽しいんです。
林:プロの声優としてライバル心はありつつも、いがみ合ったりはしない。芝居論とかで話し合える仲なんだよね。
村瀬:なぜかどんなに盛り上がっても喧嘩にならないんですよね。多分、お互い喧嘩が嫌いなんだと思います。現実では、ムヒョとゴリョーみたいにいがみ合ったりしない(笑)。
―― 林さんには、ライバルのように感じる同業の方はいらっしゃいますか?
林:俺は本当にライバル心がない人間なんです。
村瀬:確かにそういうお話を林さんから聞いたことないかも。
林:ただ、歌唱力では、誰にも負けたくないっていう気持ちはあって。大先輩の谷山紀章さんであろうと負けたくない。でも声のお仕事だと、不思議と(ライバル心が)ないんです。
村瀬:僕は今むしろ、歌だろうと林さんにそういう気持ちがあることに驚きました。林さんはすごく平和主義者で、癒やし系(笑)。普段のほほんとしている印象が強い。
林:ヘコむことはありますよ。自分が落ちたオーディションで、他の人の芝居を作中で聞いたとき「あー。確かにこれは負けるなあ」って。
村瀬:僕はそういうとき、だいたい怒りに変わっちゃうからダメなんです(笑)。
林:でも「悔しい」って気持ちは共通していると思う。
村瀬:悔しさは原動力ですから。自分が仕事を続けられるモチベーションにもなります。
■村瀬歩、エンチュー役・神谷浩史の演技に「僕も頑張らなきゃ」
―― 「ムヒョロジ」はムヒョとロージー以外にも魅力的なキャラクターが多いです。
村瀬:僕は、なんだかんだ言ってエンチューですね。ムヒョの行動の目的が、エンチューを救うことなんですよね。僕が演じているキャラクターがそう想っているからこそ、自分もそこにシンクロしていきたい気持ちもあります。
エンチューを演じる神谷さんは現場によって佇まいをキャラクターに寄せていくタイプで、本当にプロフェッショナルな方です。だから別の現場でお会いすると、いい意味でギャップがあって、佇まいが演じるキャラクターに合わせてちゃんと切り替わっているというか……。キャラクターに自分から寄っていこうとする意識があるんだと思います。あれだけすごい人でも努力し続けているんだから、「僕も頑張らなきゃな」って身をつまされます。そういう意味でもエンチューが気になるキャラクターです。
林:俺はエビスですね。過去にいろいろやっているけど憎めないところがあって、ゴリョーをすごく慕っている部分も微笑ましいし、自分の命を賭けてでもゴリョーを救おうという熱量が良いなと思っていて。エビスとは友達になりたいです(笑)。
―― ついに物語の終盤に向かっていく「ムヒョロジ」ですが、視聴者にメッセージをお願いします。
村瀬:第1期ではデコボコな感じのバディでした。第2期では能力だけではなく精神的にも成長したロージーが、ムヒョと並ぶに値するバディとして再び巡り合って新たな強敵に立ち向かっていくところが大きな注目ポイントです。立派なバディとなった2人にまた試練が訪れるというのも手に汗握る展開なので、ぜひ最後まで見ていただけたらうれしいです。
林:ロージーはムヒョと離れて魔法律学院に行って、自分自身を見つめ直す機会に恵まれました。ムヒョが不在の中で難題をクリアしていって、成長した姿で再びムヒョと肩を並べるロージーの姿はとても見応えがあります。ぜひともロージーの活躍も見守ってほしいなと思います。
(取材・文:あいひょん)
(C)西義之/集英社・ムヒョロジ製作委員会 2