いよいよ動き出す菅義偉新総裁。感染防止と経済活動を両立させた新型コロナウイルス対策など、安倍政権の継承を掲げつつ、地方創生や行政のデジタル化などについても繰り返し言及、改革に意欲を見せている。
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そんな菅新総裁の番記者をしていた経験もある、テレビ朝日中国総局長の千々岩森生記者は「私は菅さんだけでなく、石破さんと岸田さんも数年にわたって担当した。その上で公平を期して言うが、3人の中では菅さんが圧倒的に面白い。華はない人だが、話をしていると、“何かやってやろう”とギラギラしているのを感じる。内輪や2人だけで話すと、本当に悪い顔をして、ニヤニヤしながら表で言えないことを言う。改革派という意味では、見た目も歯切れも言葉遣いも違うが、小泉純一郎さんタイプと言っても良いかもしれない。民主党政権時代、私は民主党担当だったが、その間にも会いに行っていた。面白いし、菅さんを見ていると、野党時代の自民党がどっちの方向に行きそうなのかが見えてくる。そういうことを思わせてくれるタイプの人だ。政治家としての佇まいが本当に面白いし、ワクワクさせてくれるタイプの人だと思う」と明かす。
その一方、「一番前に出るイメージはではない。14日の会見を見ても分かるとおり、口下手で、カリスマ性で人を引っ張るタイプではない。官房長官は今までの菅さんのようなタイプで十分だが、総理大臣にはそういう部分が求められると思う。安倍さんは国の顔として華があったし、トランプさんと並んでもカッコイイという面があった。その点は心配だなというのが正直なところだ」と話した。
無派閥の菅新総裁を支えてきた“菅グループ”の中核をなすといわれる「ガネーシャの会」メンバーで、経済産業副大臣の牧原秀樹衆議院議員は、次のようなエピソードを紹介する。
「日本人がアルジェリアで武装集団に襲われた事件の時のことだ。民間機が飛んでいないため、現地の方もご遺体も帰国することができないという時に、政府専用機を使ってはどうかという話が出た。ところが政府専用機は皇族や総理だけが使えるものだし、必ず2機がセットで飛ぶものだということもあり、できませんと言われてしまった。それでも菅先生は“日本人を助けるためなんだから、1機でも飛ばせるなら飛ばせ”と押し切った。普通の政治家なら諦めてしまうところ、正しいと思ったらやり遂げる強さがある」
「もう一つは、私が環境政務官の時にある局長の方から聞いた話だ。その方は若い頃、横浜市役所に課長として出向したそうだが、中央省庁出身ということもあり、肩で風を切るような感じだったそうだ。そんな中、横浜市議1期生だった若き日の菅先生と言い争いになった。意気揚々と“菅さんという生意気な議員を言い負かして来た”と言ったら、周りの人は驚いて“あの人は1期生だが、市会議員の精神的支柱だ。そんなことしたら市役所でやっていけないよ”と心配されたそうだ。翌日、菅先生に呼ばれたのでドキドキしながら行ったら、部屋に入った瞬間、菅先生は頭を下げてお詫びをされたた。“いやいや先生、頭を上げて下さい”と言ったところ、“悔しかったので徹夜で全て調べた。そしたら言い争いになった7つの項目のうち、4つは君が正しかったが、3つは君が間違っていた。そこについては謝れ”と(笑)。以来、局長と菅先生は食事などをする関係になったという」。
牧原議員によれば、菅新総裁はこうした人柄によって幅広く人脈を構築、情報網を張り巡らせているのだという。
「菅先生は朝・昼・晩と色々な方と食事していて、自宅ではこの数十年、食事をしていないとも言われている。特に夜は皆さんと10分間ほど喋って、またまた別の場所に行って、という具合だ。下手をすれば、野党議員の中には自分の党の代表よりも菅先生の方が好きだという人もいると思う。同様に、菅先生の役に立ちたいという方は役所、地方の首長、マスコミも含め、ありとあらゆるところにいて、“今日こんなことがあった”という報告が次々と入れてくる。だから菅先生の携帯電話は鳴りっぱなしだ」。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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