子育ては親育てだとよく言われる。21歳でタレントのぺこと結婚し、翌年に第一子を授かったりゅうちぇるもその言葉を実感している一人だ。広く言動が注視される芸能界で働き、なおかつ若い年齢で親になった。愛息子誕生直後は焦燥に似た「若いからってなめられたくないっ!」という気持ちが先走り、“良き父親像”を意識し過ぎていたという。パパになって2年。現在のりゅうちぇるは「だいぶ角が取れてきました」とリラックスした表情を浮かべる。親としてはもちろんのこと愛息子に人としても育てられている、りゅうちぇるパパの今を聞いた。
第一子となる長男・リンク君は現在2歳。「今ちょうどイヤイヤ期に差し掛かっているので、お風呂に入れるのも超大変!忍耐、勝負!まさに子育ては親育て~!」と笑い飛ばすりゅうちぇるからは、試行錯誤しながら大らかに子育てに勤しんでいる様子が手に取るようにわかる。「たしかにだいぶパパであることには慣れてきたし、徐々に角が取れていくのを感じます。自分らしく無理のない程度に子育てに向き合うことができている気がする」と実感を込める。
独創的なファションに身を包み、突き抜けた明るさを持ったカップルだったぺこ&りゅうちぇるは、バラエティ番組を中心に一躍引っ張りだこに。インフルエンサーとして若年層からも支持を集めた。そんな二人が結婚し、親になった。しかもSNSの時代。注目が集まらないはずがない。
「結婚も出産も早かったことから、自分の中で“若いからってなめられたくないっ!”という変な意識が生まれました。独身時代は自分のやったことはすべて自分の責任になるけれど、親になると自分の行いのせいで子供が後ろ指をさされることもある。だから仕事でも、自分としてはやりたいけれどパパとしてはどうなの?と考えすぎて自分の表現を狭めてしまう時期がありました。“いいパパでいなければ!”という決めつけに縛られていたんだと思いますね」
そんな緊張した心も、愛息子の日々のささやかな成長に目を細めるうちに解きほぐれていった。「子供のため家族のためは大前提ですが、子供と一緒に過ごすうちに自分にとって何が大事なのかが見えてきた気がする。今はバランスよく、パパとしての責任もしっかり考慮しつつ、自分らしさを見失わないバランスを保ってお仕事と向き合えるようになってきました」とタレントとパパの心地よい両立を実践している。
現在育休中の妻・ぺこに対する想いも、母親になった瞬間から変化した。「出産に際してぺこりんは生まれてくる子供のために『痛い』と言わないと決めていました。子供も痛い思いときつい思いをして出てこようとしているわけだからと…。しかもお産まで12時間もかかりました。出産に立ち会う中で、ぺこりんの母親としての強さを感じました」とリスペクト。
なによりも尊敬しているのは、ぺこが辛い時にしっかりとりゅうちぇるに弱音を吐いてくれること。「しんどい時はちゃんと僕に相談をしてくれて、無理して頑張りすぎない。ピンチのときにピンチだと伝えてくれるから、僕も積極的に助けてあげることができる。親になったぺこりんを見て、改めて惚れ直すというか感謝がある。その感謝が増えたから喧嘩もなくなりました」と円滑なサポート体制が仲をより深めている。
パパといえども、仕事が多忙を極めて心に余裕がなくなるときだってある。りゅうちぇる曰く「満月の夜になると疲れがどっと出る」そうだが「そんなときにぺこりんとリンクがテレビを見ながら爆笑している姿や笑いながらゴハンを食べている姿を見ると、“絶対にこの笑顔を守らなければいけない”と奮い立たされる。めっちゃ刺激的で楽しいことは結婚して減ったけれど、今まで感じたことのない心がジワッとする幸せが増えているのを毎日感じる。一人だったらここまで強くなれなかったと思います」。子供同様に自らの成長も感じている。
りゅうちぇるは9月18日より配信されたABEMAオリジナル連続ドラマ『17.3 about a sex』と連動した特別番組「誰も教えてくれないけど、本当は知りたいセックスのこと!バービーとウチらの『17.3 about a sex』~特別版~」の第2話ゲストとして出演。「僕が担当するのはアセクシャルに悩む女子高生の回ですが、アセクシャルに限らず周囲に同調して無理矢理恋バナに参加して悩んでしまう人は多い。人には色々なタイプがいるし、恋愛には正解がない。そんなことをわかりやすく教えてくれる素敵なドラマ」とアピールしている。
テキスト:石井隼人
写真:mayuko yamaguchi