地上波放送では見ることのできない、配信作品だからこその挑戦がある。9月17日からスタートしたABEMAオリジナルの連続ドラマ『17.3 about a sex』は、SNS時代の女子高生たちが“性”の悩みや疑問に真正面からぶつかっていく青春ドラマだ。メインキャストを務めるのは、リアル思春期真っ盛りの現役女子高生。Seventeen専属モデルの永瀬莉子、田鍋梨々花、秋田汐梨の3人だ。テーマはずばり、性教育。ゆえに劇中では赤裸々なセリフや表現がいくつも飛び交う。しかし学校の授業のように堅苦しくはならない。それは“青春ドラマ”という枠組みの中で性に関する悩みや疑問を散りばめているから。メインとなる3人の彼女たちが試行錯誤の末に自ら答えにたどり着くという構成も、成長物語として見やすいエンタメ要素が強い。
第1話では、清野咲良(永瀬莉子)が彼氏・堀田劉生(新原泰佑)に誘われ初体験に挑むも、恐怖心から拒否して逃げ出してしまう。しかも咲良はネット上の誤った情報に踊らされて、とんでもない赤っ恥をかく。くわえて劉生が体目的だったことが判明。咲良は親友の原紬(田鍋梨々花)と皆川祐奈(秋田汐梨)と共に、正しい性知識を身に付けることを誓う…。
咲良たちの“性”の授業の場となるのは、放課後のファミレス。3人が赤裸々ガールズトークに花を咲かせる姿は妙にリアルだ。永瀬らが演じるキャラクターとほぼ同年齢という共感が生み出す現実感も大きい。セックスに対する誤った憧れを持ってしまう咲良を演じた永瀬が、体当たりで挑む初体験未遂シーンは真に迫り過ぎてハラハラ。ちなみにドラマタイトルになっている『17.3』とは、初体験の世界平均年齢のことだ。
第2話では、他人に性的魅力を感じないアセクシュアル(無性愛)に切り込む。人を好きになったことがない紬が幼馴染の青木康太(藤枝喜輝)とひょんなことから再会する。デートに誘われた紬は、康太から告白されてキスもされてしまう。しかし紬は気持ちが悪くなり嘔吐。「自分はほかと違うのではないか?」と悩む紬は、生物教師・城山奈緒(ソニン)から「アセクシュアル」という性質があることを知らされる…。
人間は様々な面においても十人十色であることを改めて実感することのできる貴重な回。アセクシュアルという設定のキャラクターを全うするべく、田鍋梨々花は劇中の女子高生たち同様にネットや動画サイトを駆使してリサーチに励んだという。また酸いも甘いも知っているかのような雰囲気のソニンによる、性についての説明台詞もトリビア満載で説得力十分だ。
第3話のテーマは性病。実は性に奔放だった祐奈が性器ヘルペスであることが判明。うつしたのは一体誰?元カレ?それとも出会い系で見つけたエリートサラリーマン風の新カレ?ところがその新カレには大きな秘密があった…。