17歳の女子高生3人が恋にセックスに揺れ動くリアルな心情を描くひと夏の青春恋愛物語『17.3 about a sex』が、9月17日からABEMAにて配信されている。「初体験の世界平均年齢は17.3歳―――――」。あるサイトに載っていた情報をきっかけにして、ぼんやりとしか考えていなかった彼女たちの性の悩みが浮き彫りになっていく。それぞれの恋と性の悩みを映しながら、掘り下げていくテーマは「性教育に向かい合っていく」こと。性教育を始め、女性たちのリアルな行動と本音をゲストと共に語るニュース番組『Wの悲喜劇 ~日本一過激なオンナのニュース~』でMCを務めるSHELLYに、日本の性教育について語ってもらった。
――本日はよろしくお願いいたします。9月26日放送の『Wの悲喜劇』には、女子高生たちのカリスマ的インフルエンサーで『17.3 about a sex』に出演する、ひかりんちょさんがゲスト出演しました。まずは、彼女の印象から教えていただけますか。
SHELLY:現役女子高生で17歳という可愛らしい面をちゃんと持ちながら、同世代と繋がろうという熱い思いを感じました。
――番組の中で、ひかりんちょさんの元には、10代のファンの子たちから性に対しての悩みが届くというお話がありました。それについては、どんな印象を持たれましたか。
SHELLY:中高生たちが悩んでいるのは当然だと思います。問題は、悩みの内容だと思うんです。生理については、36歳の私だって、閉経を迎えるまで悩み続けることだと思います。生理用品も何を使えばいいかわからないとか、タンポンを使ってみたいけど怖いという質問は、本来ならば彼女に行く前に解決されるべき問題ですよね。ただ、もっと踏み込んだ内容、同い年にしかわからないことなら、一番に彼女に相談するのもいいかもしれません。
――周囲に相談できる相手がいない子供たちが多いということですよね。
SHELLY:それは本当に問題だと思います。日本は性に対してタブー視している部分が大きすぎる。
――SHELLYさんはこれまでも性教育について様々なお話をされていますね。日本の性教育で違和感を感じるところはどういったとこにあるのでしょうか。
SHELLY:日本は性に対してタブー視している部分が大きすぎますよね。例えば生理についていえば、生理は性とは関係ないんです。女として生まれたら勝手にやってきて勝手にずっと続くもの。セックスや出産とも関係なく、本人の意思とも関係なく、自然にやってくるんです。それについての教育がしっかりしていないのは、ハッキリ言って人権問題。もっと言うと、なんで生理用品の税金を払わないといけないの? ピルを病院で処方してもらわないといけないの? 生理用品にはなんでナプキンとタンポンしかないの? と、たくさんおかしな点があるんです。そもそも生理用品を隠して使うような文化も気持ち悪くないですか?
――ナプキンを隠して持つというのは、女性であれば誰でも経験がありますよね。でも、考えてみると、悪いことをしているわけじゃないのに不思議ですよね。
SHELLY:そもそも母親から恥ずかしいものだと、人に見せるようなものではないと伝えられている人が多いと思います。私自身は、自分の娘にはちゃんとした知識を持ってもらいたいですし、生理の話をしたときに恥ずかしいような反応をする人がいると疑問に思います。
――小さいころから正しい性教育を受けていれば、多くの女性が楽になっていたような気がします。
SHELLY:生理のことに関して教えないということは、人生の中で大変な課題を与えていることになります。ピルを使えばこんなに楽になるんだよって、誰も教えてくれない。しかも、日本にはピルしかない。海外だとIUD(※)がありますが、日本ではそれも結婚して子供を産んだ人しか使えない。独身の人には入れてくれないんです。なんで医者が決めるの、国が決めるのって思いませんか? 私の体は私のもので、私が生きやすくなるためのツールがこんなにあるのに、認められていないというのは大きな問題です。
(※ Intrauterine deviceの略で、避妊の目的で子宮内に装着する小さな器具)
――私は大人になってから体調管理の問題でピルを使うようになりました。でも学生のときは知識もなかったし、使っていても親に隠していたと思います。
SHELLY:もっと言うと、避妊の目的で使ってもいいじゃんって思うんです。避妊で使っていても何も悪くないし恥ずかしくない。女性だけがセックスすることについて恥ずかしがらないといけないような状況がおかしい。私は、18歳から飲んでいます。ピルの情報もどこかで学ぶ機会が必要だと思います。
――さきほど、お子さんのお話がありましたが、SHELLYさんは、2歳と4歳のお子さんがいらっしゃいます。これから思春期、多感な時期、恋人ができるなど、さまざまな成長過程を迎えるにあたって、性についてはどういう距離間で接していきたいと考えますか。
SHELLY:生理に関してならば、すでに説明しています。生々しい話で申し訳ないですが、一緒にお風呂場に入ったときに見ることもありますし。「大人になると月に一回あるんだよ」と2歳と4歳に話して聞かせています。いずれその日が来たら、「どうぞお使いください。いろいろありますよ」と詳しく教えてあげたいですね。
――お母さんが話してくれるというのは子供にとってとてもありがたいことですよね。これが、お父さんになるともっと難しいように感じます。
SHELLY:子供たちの父親にも話をしています。子供たちが生理になって「仕事帰りにタンポン買ってきて」と頼まれたら「いいよ、わかった」って言える人になってほしいって。もし私が男の子を生んでいても、同じように生理の話をしていました。いずれ女の子を大事にする日が来たときに知っておくべきことですよね。男の人にとっても、女性という生き物と生きていく中で必要な情報なんです。
――SHELLYさんご自身が育った環境はいかがでしたか。
SHELLY:私は女三人兄弟なんですけど、父親に生理用品買ってきて、は絶対に言えなかったですね。長女が子供を産んで赤ちゃんに母乳をあげているときに、恥ずかしがるような父親だったんです。ただ、それを姉たちが変えてくれました。だんだん父親も進化して、感覚のアップデートができたんです。60代のお父さんでもできるわけですから、親世代の人たちもしていくべきです。
――どんな世代でも意識は変えられるということですね。
SHELLY:寄り添いながら、理由を伝えて、時代の変化を伝えていけば、上の世代も変わると思います。
ーー本日は貴重なお話ありがとうございました!
テキスト:氏家裕子
写真:You Ishii