高校生作家ふたりが共作して物語を作り出す挑戦を描いた映画『小説の神様 君としか描けない物語』が、いよいよ公開を迎える。主人公のうち、ひとりは、デビュー以降、売上が右肩下がりでスランプ状態の千谷一也、もうひとりは超売れっ子の人気小説家・小余綾詩凪。正反対のふたりが顔を付き合わせ、反発やときに共鳴しながら、ひとつの物語を組み上げていく奇跡がファンタジックな映像美で綴られる。
W主演となったのは、佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS from EXILE TRIBE)と橋本環奈。息の合った共演で絶妙なバランスをなし、物語にリアリティを与えた。ABEMA TIMESでは佐藤に単独インタビューを実施、出演の背景にある並々ならぬ思い、未来の願望まで、緩急自在に語ってもらった。
久保監督との共闘「この作品にかけた想いは計り知れない」
――『小説の神様 君としか描けない物語』の完成、おめでとうございます。佐藤さんにお話がきたのは、いつ頃でしたか?
佐藤: ありがとうございます。今思えば、きっかけは、僕が『DTC-湯けむり純情篇- from HiGH&LOW』を撮っていたときでした。頭にミュージカルシーンがあって、そこだけ久保監督の監修だったんです。現場で久保監督に、「大樹、いつまで制服着れる?」と聞かれたんですよ。まだ『小説の神様』をやること自体、僕は知らなかったのですが、その質問だけをされて。気づけば1年くらい経ったときに、HIROさんから「こういうお話があって、久保監督が“大樹がいい”と指名してくれているらしいよ」と初めて聞きました。久保監督が初めて撮る青春映画の主演に僕を選んでくれたこと、本当にうれしかったです。
――「制服」というワードもありましたし、うっすら「学園ものかな?」と想像はしていたんですか?
佐藤: ちょっと思いました。しかも、そのとき恋愛映画を撮っていたのもあって。
――『4月の君、スピカ』ですか?
佐藤: そうです、そうです。「また恋愛系をやるのかな?」と最初は思ったのですが、蓋を開けてみたら全然違って。小説に青春を捧げる学生の話だったので、これはもう「ぜひやらせてください!」という感じでした。久保監督とは、これまでMVも含めて本当にたくさんご一緒させていただいていますし、プライベートでもかなりご飯に行かせていただいています。素の僕も、スイッチの入っている・仕事をやっているときの僕の顔も知ってくださっているので、まったく不安もなかったですし、いろいろな面を知っている監督だからこそ撮れた作品かなと、思っています。準備も含めて、この作品にかけた想いは計り知れません。
――撮影が終わった今も、連絡を取ったりしているんですか?
佐藤:ずっと取っています。「めちゃくちゃいい大樹が撮れてます」など、逐一報告してくださるんです。『小説の神様』を撮り終わってからも、MVを何回も撮っていただいているのですが、その度に新たな僕を引き出してくれる方で。監督を信頼しているので、本当に、一番尊敬して大好きな監督かもしれないです。
「泣く」と書いていなかったけれど涙が出た、リアルな演技ができた理由は
――お話にあったように、本作は「小説に青春を捧げる学生の話」なので、葛藤しながら小説家という職業にかじりつく一也の姿は、仕事に向き合う社会人なら誰しも共感を呼ぶ気がしました。佐藤さん自身も重ね合わせたりしましたか?
佐藤: はい。一也のお父さんの、「小説家っていうのは、書くべき時間に書き続けることができる人間だけがなれるんだ」という台詞があるんです。初めて台本を読んだとき、「小説家だけでなく、どの職業でも当てはまるな…」と、すごい感じました。例えば、僕らで言うと、「どれだけ体調が悪くても、待ってくれているファンの皆さんのために、ステージに立たなきゃいけない。それがプロだ」みたいに言われている気がして。一也は高校生の設定ですが、学生だけではなくて、社会人でも、もっと年齢を重ねた方にも、同じように言えることだと思います。世の中に発信できるのは、すごくいい機会だなと思いました。観ていただく方に、それがすごく刺さったらいいな、力強い作品だな、と思いました。
――頑張る一也の姿にも、共感していらしたんですね。
佐藤: 僕と似ていたんです。一也はシンプルに好きなものにまっすぐ取り組んでいて、それに人生をかけてやっている、めちゃくちゃかっこいい男だと僕は思うので。しかも、中学生で一度は成功しているというのは、見えない努力がかなりあったからでしょうし。原作の相沢先生に実際お会いしたときも、半分フィクション・半分ノンフィクションで、実体験に当てはめている部分もあるとお聞きしました。ある種、リアルな部分を一也に反映しているような気がしたので、本当にやりがいのある役だなと感じました。
――先生は現場で、佐藤さんの演技について何かおっしゃっていましたか?
佐藤: ……「一也はそんなかっこいいもんじゃない」とか(笑)。でも、逆に僕から質問することのほうが多かったです。「担当の方とは、どれぐらいの頻度で会うんですか?」、「そのとき、どれぐらいリアルな話をされるんですか?」とか。例えば、映画の中でも一也が担当者さんにバッサリ「全然ダメ」と言われるシーンがあるんですが、「リアルに言われるんですか?」と聞いたら、「全然言われますね」など、教えていただきました。
――いろいろ聞いた中で、特に糧になったようなことはありましたか?
佐藤: 「自分が情熱を注いできた小説家を“辞めます”というとき、どういう表情をするんですかね?」という話もしました。台本では「泣く」と書いていなかったのですが、現場でそのシーンになると、自然と涙が流れてしまったんです。監督は、「大樹の泣いた表情を撮ったは撮ったけど、使わないと思う。後ろ姿だけでどんな顔をしているのか、観ている人には(想像してほしいので)見せたくない」とおっしゃっていたんです。「それはそうか」と納得していたのですが、いざ本編では、正面から撮った画が使われていて。きっと、一也が辛かったんだろうと感じてくださったと思いますし、あそこまで感情を人の前でさらけ出すことはなかなかないので、すごくリアルな部分が出てよかったな、と思っています。
相手役・橋本環奈と共演した片寄涼太について、正直、意識は「する」!
――共演の橋本環奈さんとの息もぴったりでした。初共演ですよね?
佐藤: 初共演です。最初、本読みでお会いしたときは「意外とサバサバしているのかな?」という第一印象でした。クランクインしてから、一緒にごはんに行くようになったりすると、「なんて明るくて、裏表がなくて、みんなに好かれるんだろう」という印象になり、気づけば僕も人として虜になっていました。一也が詩凪に会って惹かれたのと同じで、僕も「橋本環奈さん」という人に惹かれていたのかなと思います。
――明るく、裏表なく、みんなに好かれるのは、佐藤さんも共通項のように見えます。
佐藤: あ…確かに(笑)。僕も橋本さんも、マイナス思考ではないんです。めちゃくちゃポジティブで「楽しかったら、いいよね!」みたいな波長は、すごく合いました。現場も、すごい明るかったです。
――グループのつながりで言うと、片寄涼太さんと橋本さん共演の『午前0時、キスしに来てよ』もありました。意識するものですか?
佐藤: します、します(笑)。最初、橋本さんのキャスティングを聞いたときも、涼太くんとやるのを知っていたから、正直「え!?一緒じゃないですか!」と思いました。でも当然、作品の内容が全然違うので、だったら違う面を見せられるから、いいなと思ったんです。涼太くんには「橋本さんって、どういう人なんですか?」みたいなことを僕から聞いたりもして、「とにかくパワフルだよ。年の差とか関係なく話してくれる方だから、きっと楽しいと思うよ」と言われました。…逆に、現場に入ってからは、橋本さんに「涼太くんってどうだったの?」と、めちゃくちゃ聞いてました(笑)。
――あまり、そういう機会もないですもんね(笑)。
佐藤: そう、気になって!ほかの現場で涼太くんがどういうふうなのか、なかなか聞かないじゃないですか。橋本さんは、僕のことは普通に今、「大樹」と呼んでいるけど、涼太くんのことは「ヨセさん」と呼んでいるんです。呼び名ひとつでわかると思うんですけど(笑)、僕と涼太くんは同じ年齢でも「距離感が全然違う」と言ってましたね。
Jr.EXILEとしての励み「グループの顔として、どんどん拡げていきたい」
――佐藤さんは俳優としての面もありながら、EXILE、FANTASTICSの活動や『シブザイル』(毎週火曜よる9時より生放送)のMCなど、近年めきめきと活躍の幅を拡げられている印象です。手ごたえも感じていますか?
佐藤: めちゃくちゃ充実しています。ただ、僕がリーダーをやらせていただいているFANTASTICSはJr.EXILEにあたるのですが、下の世代は、未来を担っていかなきゃいけないと思っています。三代目 J SOUL BROTHERS、GENERATIONSを継ぐグループを作らないといけないと思っているので、正直、焦りもあります。もっと会社を盛り上げなきゃいけないですし。だから僕の個人活動も、グループに響いてくると思うので、ひとりでやっている仕事もすごく大事にしていきたいんです。ある意味、グループの顔として、どんどん拡げていく役目だと思っているので。
――『小説の神様』をきっかけに、佐藤さんを知る方もいて、グループの発見につながるかもしれない。
佐藤: 観た後に、「えっ?あの人、EXILEの人だったんだ!」と言われたら勝ちかなと個人的には思っています。「あの子、誰?」と調べてもらって、「EXILEでこういうことをする人がいるんだ」と思ってもらえたら、うれしいです。いつか、僕が出演する映画でFANTASTICSが主題歌をやって、それを入り口にグループを知って、曲を聴いてくださる方がいたら…それが本当に一番やりたいことで、僕の願いです。
取材・文:赤山恭子
撮影:You Ishii
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— ABEMA TIMES (@ABEMATIMES) October 2, 2020
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締切:10月8日(木)☑️@shokami_movie
▼インタビューはこちらhttps://t.co/7DOlUi2j5m pic.twitter.com/9SSBaQGLzB
『小説の神様 君としか描けない物語』
出演:佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)、橋本環奈、佐藤流司、杏花、莉子、山本未來、片岡愛之助、和久井映見
【ストーリー】
「僕は小説の主人公になり得ない人間だ」
中学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……自分を見失い思い悩むナイーブな売れない高校生小説家・千谷一也。一方、同じクラスの人気者でドSな性格でヒット作を連発する高校生小説家・小余綾詩凪。性格、クラスでの立ち位置、売れている、売れていない……すべてが真逆の男女2人に、編集者から下されたミッション―それは、2人で協力し、1つの物語を作り、世の中の人の心を大きく動かす大ベストセラーを生み出すことだった!凸凹な全く真逆の2人が反発しあいながらも物語を一緒に作っていくうちに、やがて彼は彼女の抱える大きな秘密を知ってしまう…。友情を超えて近づく2人の距離。悩み傷つきながらも、好きなことをあきらめずに挑戦し続けた先で、2人が生み出す<物語>の行方はー?
©2020映画「小説の神様」製作委員会
10月2日(金)より全国公開