知っていそうで知らない“性”に対する疑問や悩みに、仲良し3人組女子高生が体当たりで答えを探っていくABEMAオリジナルの連続ドラマ『17.3 about a sex』。第5話となる『人を好きになることに性別って関係ある?』では、アウティングの危険性を学ぶ。アウティングとは、当事者の了解を得ずにその人の性的指向や性自認について第三者に暴露する行為を指す。扱うテーマゆえにかなりヘビーな内容に仕上がっているが、近年社会問題の一つとして挙げられるアウティングを理解する貴重な回であるのは間違いない。
女子高生の咲良(永瀬莉子)は、以前から心惹かれていた朝日悠(水沢林太郎)から告白される。同時に朝日がバイセクシャルであることも知らされる。あまりの突然の事実に動揺を隠せない咲良は、いつものガールズトークの場であるファミレスで親友の紬(田鍋梨々花)と祐奈(秋田汐梨)に相談をしてしまう。その行為がアウティングであることに無自覚に…。
翌日、学校では大きな騒ぎになる。朝日が「ゲイだ」という噂が、何者かによって学校裏サイトに書き込まれたのだ。朝日のパーソナリティを知るのは、本人を含めて4人。一体誰が!? ガールズトークの場であるファミレスで誰かが聞き耳を立てていたのか!?
「2人だから言ったんだし。広めるつもりとかなかったし…」。そんな思いを抱く咲良に紬は「でもそれって、書き込みをしている人と同じじゃない?」と痛いところを突く。自責の念に駆られる咲良に、生物教師の城山先生(ソニン)はアウティングの危険性を語る。「それが原因で自殺をしてしまう人もいる。いじめられたり、今までいたコミュニティにいられなくなったりすることもある」。
事実、朝日は心無い男子同級生たちの好奇の目にさらされ、ロッカーには「ゲイ」との張り紙が貼られている。咲良にとっては、親友に対して軽い気持ちで口にした相談。しかし当事者にとっては、存在の根幹を揺るがすような大きな秘密。無知と想像力の欠如が招いた悲劇である。
犯した罪の重さに落ち込む咲良。しかし被害を受けた張本人である朝日は、なんとSNSでカミングアウト動画を配信。朝日はたいしたことではないと言うように「全員に言っちゃったからアウティングも成立しない」と逆に咲良を励ます。そして判明する、書き込み犯人の素性と動機とは……。
まさに「口は災いの門」であり、知識不足からくる無自覚が一番怖い。生物教師の城山先生が言うように、アウティングとは当事者を追い詰めかねない危険な行為だ。とくに今は軽い気持ちで書いたことが一瞬にして拡散するSNS時代。細心の注意と自覚を持って向き合わなければならないということを『17.3 about a sex』は教えてくれる。