芸能界きってのアニメ好き、お笑いコンビ・ハライチの岩井勇気。『ハライチ岩井勇気のアニニャン!』(TBSラジオ)、ニコニコ生放送『ハライチ岩井勇気のアニ番』など、アニメに関するトーク番組のMCも多く担当してきた。
そんな岩井が今年4月、Twitterに「僕の好きなキャラを描きました」と、『ハイキュー!!』に登場する及川徹のイラストを投稿した。『ハイキュー!!』は、バレーボールに青春をかける高校生たちを描いた、週刊少年ジャンプ掲載の人気作。アニメは現在4シーズンまで制作されている。
2020年10月2日からアニメ『ハイキュー!! TO THE TOP』の第2クールがスタートした本作。岩井から見た、『ハイキュー!!』の魅力とは何か、たっぷり話を聞いた。
▶視聴ページ:第2クールがついに放送開始!「ハイキュー!! TO THE TOP」
「アングルがめちゃくちゃ凝っている」作画や演出に魅了
――岩井さんと『ハイキュー!!』の出会いを教えてください。
岩井:掲載誌の週刊少年ジャンプを買っていたんです。読んでいて、「おもしろいな」と思いましたね。ただ、アニメが始まってからは、そちらで追いかけるようになりました。
――アニメ化されたとき、そのクオリティの高さに驚きました。
岩井:たしかに良かったですよね。単純に作画が良いっていうのと、アングルがめちゃくちゃ凝っている。バレーボールなので、試合の見せ場はだいたい空中戦。スパイクにしても、「このアングルで描いているのはすごい!」と思えるシーンがあるんです。普通にバレーボールを見ているだけでは、見られないような視点もある。しかも、それが動くから迫力がありますよね。
――フェイントなどのちょっとした動きについても、アニメになって「こう動いているんだ!」とあらためて納得できました。
岩井:ブロックを抜けてボールが相手のコートに落ちるときに別アングルになるとか。そういうところがアニメならではでいいですよね。
――強烈なサーブが打たれるときなど、絵の「線」が荒々しくなる演出も特徴的です。
岩井:あのたまにザッとした線になるのもめちゃくちゃいいですよね!「強いサーブを打ってんな~」って感じがします。球速もアニメだとすごく分かりやすい。この人は強い球を打っているとかが、絵と動きでわかるんです。
及川徹の良さは「勝つためにやっている」ところ
僕の好きなキャラを描きました。皆さんも描いてみてください。#及川徹#ハイキュー pic.twitter.com/811Yuodkww
— 岩井勇気 ハライチ (@iwaiyu_ki) April 8, 2020
――岩井さんがTwitterにイラストをアップした及川徹は、主人公の日向翔陽や影山飛雄が所属する烏野高校のライバル校・青葉城西の選手。「選手の力を100%引き出す」と言われる名セッター(トスを上げるポジション)です。どんなところに惹かれますか?
岩井:挑発するようなところもあるけど、チームメイト想いな感じもあって。それと、何より「勝つためにやっている」感じがあるところが良いですよね。
――チーム全員に目を配り、及川に「信じてるよお前ら」と言われると、チームの士気があがる。あんな先輩がいたらプレーしていても心強いし、楽しそうですよね。
岩井:そうそう、味方にあんな先輩いたら良いだろうなって。あと、アタッカーじゃないところも良い。あれだけ注目されていて、青葉城西はあの人のチームって感じなのに、スパイクを打ってアタックを決めるタイプではないんですよ。
――アタッカーではなく、司令塔ですね。
岩井:そうなんです。それと、進学先の高校に、バレー強豪校である白鳥沢学園高校を選ばなかったのも良いですよね。白鳥沢はチームプレイで強いというより、選手ひとりひとりが強いタイプのチーム。及川が入っていたら、それはそれでめちゃくちゃ強いチームになっていたでしょうけれど。
――及川を演じたのは、声優の浪川大輔さんでした。食えない言動や、コートの中で相手校にファインプレーを決められるとムキになる感じなど、演技も印象に残っています。
岩井:良かったですよね。及川が好きなのは、単純に僕が、浪川さんが好きというのもあります。浪川さん演じる及川は、どこか可愛らしいところもある。インターハイ予選の烏野高校vs青葉城西戦で、影山がツーアタック目でトスを上げ、相手コートに落として得点が入るシーン(ファーストシーズン第19話)。あそこの及川が悔しがっている感じとか、よかったですよね。
――そうすると、やはり「ハイキュー!!」での好きなエピソードは、及川に関するものでしょうか…?
岩井:アニメだと、セカンドシーズンのラスト、春高予選での烏野高校vs青葉城西戦(セカンドシーズン第20~24話)。及川のサーブの球速も精度も上がっていくんです。あそこはすごく良かったですね。最初は精度と引き換えに、パワーでサーブを打っていたけれど、そこに精度がついてきて…。圧倒的な感じがしました。あそこでも、サーブを打つとき、作画の線が変わるんです。それと、その試合のラストで、コート外にボールが飛んで行って、それを及川が追うシーン。コート外から、青葉城西のチームメイト・岩泉にめちゃくちゃ精度のよいトスを上げる!いちばん興奮したところです。
――「ハイキュー!!」のいちばんの魅力はどんなところでしょうか?
岩井:試合のスピード感かもしれないですね。とくにアニメだと、緩急がめっちゃある。リアルでバレーボールの試合を見ていると、何が起こっているかわからないことってあるじゃないですか。とくに男子バレーは球速も速いので。そこを、「入ったな」「ブロックしたな」と、細かく見られるのが楽しいです。最近のスポーツアニメだと、ある選手の回想シーンやバックボーンを見せてから試合シーンに戻り、そいつが活躍する…という展開が多いように思います。それはそれでよさがありますが、「ハイキュー!!」は試合をしっかりと見せている感じがありますよね。
――本日は楽しいお話をありがとうございました!
【作品紹介】
ふとしたきっかけでバレーに魅せられた少年・日向翔陽。中学時代、最初で最後の公式戦に臨んだ翔陽は、“コートの上の王様”と異名を取る天才プレイヤー・影山飛雄に惨敗する。高校生となり、かつてバレーの名門校といわれた烏野高校に入学した翔陽は、そのバレー部で影山と再会する。反目するふたりだが、やがて正確無比な影山のトスと、翔陽の身体能力をいかした「変人速攻」を生み出す。ふたりをはじめとする烏野高校バレー部が、一丸となってボールをつなぎ、頂点を目指す姿を描く熱血青春ストーリー。
(C)古舘春一/集英社・「ハイキュー!!」製作委員会・MBS
(C)古舘春一/集英社・「ハイキュー!! セカンドシーズン」製作委員会・MBS
テキスト:仲川僚子
写真:mayuko yamaguchi