「実は僕の祖父がフランス人なんですよ」。瞳の色を褒められそう真顔でボケるのは、人気お笑いコンビ・アルコ&ピースの平子祐希だ。ところが愛妻・真由美との関係性を聞き出していく中で見えてきたのは、妻に対する“アムール”な想い。妻への執着ゆえに「妄想の世界で小学生時代の真由美に会いに行った」という狂気の淵を歩く“奥さん大好き芸人”平子に、子持ち夫婦円満の秘訣、そして子育てについて聞いた。
夫婦の仲を保つのに大切なのは感情の発露だと主張する平子。「奥さんに対しては、綺麗、可愛い、大好き。この3つの言葉が大事。思ったときにそのまま言葉に出して素直に伝える」と指南し、「愛しているよりも、大好きの方がいい。僕のこだわりとしては、好きの前に“いっぱい”を付ける。幼いように思われがちな表現だけれど、母性に訴えて女性への浸透率をより高めることができる。愛しているに比べて、大好きの方が恋愛のニュアンスを大きく含んでいるから、家族の一員としての“愛している”ではなく、恋愛相手の感情としての“大好き”の方が伝わる」と説明する。
夫婦円満こそ、子育てをする上での何よりもの教材。「僕たち夫婦は子供たちの前で平気でキスまでします。抱き合って軽くキスをする程度ですが、鎖骨より下は二人だけの時間に取っておくというラインも決めています。やはり自分の両親が仲良くて、その愛の結晶として自分がこの世に生れ出たんだと子供が感じるのは何よりもの教育。抱き合う僕らの間に子供たちが入ってきたときは、二人で子供の頬にキスをする“サンドウィッチチュー”というイベントが始まります」。遊びを取り入れながら温かい家族関係を築いている。
現在二児の父親。性教育についての考え方については「彼らにとって一番の身近な男女が僕と妻。性の前にまずは愛情というものがあり、愛があって初めて成立・確立するものだという教育は自然にしたい。東京の子供なので成長するに従い外部の刺激もあるでしょうが、あえてシャットダウンせずに、良くも悪くもまずは自分で考えろと教えたい」と真剣な眼差し。
幼少期に一度は抱く「子供はどうやってできるのか?」という問い。そんな素朴かつ複雑な疑問に関しては「僕が両親に『僕はどうやって生まれたの?』とよく聞く子でした。それに対して両親は『大好きな人同士が合体すると大好きな子供が生れる』と教えてくれました。なので僕も将来的に子供たちが同じような疑問を口にしたら、僕の両親が伝えてくれたようなニュアンスで話をしていきたいと思っています」。混じりけなしの優しいパパの表情で教えてくれた。
“女子高生とセックスのリアル”をテーマにしたABEMAオリジナルの連続ドラマ『17.3 about a sex』の副音声番組『本当は知りたいセックスのこと!バービーとウチらの「17.3 about a sex」~特別版~』にゲストとして出演。赤裸々なドラマの内容に「今まで社会ぐるみで蓋をしてきた部分がようやくこじ開けられてきたと思う。今後のいい一つの大きな教材にすらなりうるドラマで、解決策も逃げずに提示されている」と共感。性に潔癖な母親を演じた藤原紀香の熱演には「難しい役どころ、という言葉が色々なドラマで使われがちだけれど、このドラマの母親・亜紀役こそが、本当に難しい役どころだと思います。藤原さんが台本を渡された時にどういう解釈で挑まれたのか気になります」と称賛している。
テキスト:石井隼人
写真:mayuko yamaguchi