世界的大ヒットドラマ『24』(邦題：『24-TWENTY FOUR-』）をテレビ朝日と20世紀FOXがタッグを組んで制作した日本版リメイクの『24 JAPAN』。 “米国史上初のアフリカ系アメリカ人大統領”が誕生するまでの24時間を描写したオリジナル版のシーズン1をベースに、“日本初の女性総理”が誕生するまでの総選挙当日の24時間を克明に描く。1日の出来事を1時間1話、全24話で紡ぐフォーマットはそのままに、最大のスケールで展開する“日本初のリアルタイムサスペンス”で、主演を務め日本版ジャック・バウアーを演じるのは唐沢寿明。テロ阻止のため極秘任務に当たる一方で、誘拐された家族を取り戻すため戦うCTU（テロ対策ユニット）の獅堂現馬（しどう・げんば）役に挑む。
当日は、都内某所に作られた日本版CTUのセット内でのインタビュー。もともと、携帯の着信音をCTUの内線電話の着信音にしているほど、『24』ファンの唐沢。セットについて尋ねると、「オリジナル版を観たことがある人なら、一目でCTUだとわかるぐらいオリジナルをリスペクトして作ってある。細かいとこころまで美術スタッフたちのこだわりとか思い入れがわかります」と答えるテンションは高めだ。ちなみに、オリジナル版はCTUの色調は青が基調だったのに対し、日本版はグリーンだが、「グリーンというとすがすがしくて爽やかなイメージがあるけれど、グリーンにはダークな裏切りといった意味もあるらしい。実際、CTUの内部には何人かの裏切り者が出てくるから、そういうことも表現しているんじゃないかな」と明かした。
取材時、「7話までの撮影が進んでいる」と唐沢。「ただ今回は犯人グループ、総理大臣候補、CTUに獅堂の家族と全部撮影シーンがバラバラで、共演者ともなかなか会う機会がない」らしい。とはいえ、「キャストはもちろん、スタッフやプロデューサー、監督もすごく気合が入っているんです。やっぱり恥ずかしいものにしたくない…。とくに他のリメイク作よりもという気持ちが強い気がします」という。「たとえば、作風とか、画質、世界観などその辺りのこだわり方が違うんです。正直言うと、世界的に大ヒットし、一大ブームを作ったオリジナルを超えることは難しい。それでも、このストーリーを日本に置き換えたらどうなるか。そこを絶対に面白くしてやるぞと思って取り組んでいるし、絶対に面白いと思う！」と熱弁を奮う。
誰もが知るジャック・バウアー役を演じるに当たっても、こう話す。「ジャック・バウアーを演じるって…どうなの？ という声も聞きます。自分自身もオファーされた時は驚きましたから（笑）。ただキーファー・サザーランドのモノマネをするわけではないし、それに、世間でジャック・バウアーはすごく破天荒でルールを守らない暴走男というイメージがあるけれど、演じているキーファー・サザーランドは決して、そんなふうに演じてない。とくにシーズン1は家族がさらわれてしまい、仕方なく敵の言いなりになって法を破らざるを得ないことをしている。もう20年前の作品だから、みんな記憶が曖昧で、勝手な思い込みだったりするんです。ジャックは家族を愛する一人の男なんです。だから、僕は獅堂を家族思いの普通の男として演じたいと思ってます」と語る。
放送が10月9日（金）からいよいよスタートする。「もうプレッシャーはあまりないですね。やり始めたらやるしかないし、どんな作品でも真摯に作るしかないと思っています。それがなければ、作品に気持ちが入っていかないし、熱量が視聴者に伝わらないと思うんです」と唐沢。「まず1話をちゃんと見てもらえればと思います。1話見たら3話ぐらいまでは見てみようかなとなって、そのあとはハマッていただけるんじゃないかと（笑）。放送は金曜日の夜です。早く家に帰って、酒でも飲みながら、『24 JAPAN』を楽しんでいただけるようになれば嬉しいなと。それを願っています」
テレビ朝日開局60周年記念番組の『24 JAPAN』は毎週金曜23時15分より放送。なお、ABEMAでは、地上波では見られないオリジナルストーリーを含めた“配信スペシャル版”をお届け。また、地上波放送後より、全話をいつでも好きな時に見逃し視聴も配信していく。
インタビュー：前田かおり
撮影：You Ishii
