人口知能やデジタル技術の向上は、人々の暮らしをより豊かにする。しかしその最先端の恩恵を悪用する者はいつの時代も絶えない。知っていそうで知らない“性”に対する疑問や悩みに、仲良し3人組女子高生が体当たりするABEMAオリジナルの連続ドラマ『17.3 about a sex』。その第7話では、近年問題となった“デジタル痴漢”を取り上げる。
▶︎︎︎︎︎︎動画:デジタル痴漢の被害にあった女子高生が訴えたいこと
Apple製デバイス間で画像などのデータを共有できる便利な機能AirDrop。しかしその機能を不適切に利用し、卑猥な画像を無差別に女性に送りつける卑劣な犯罪が現実に存在している。第7話では、この“デジタル痴漢”被害にあった女子高生がその憎むべき犯罪に対して怒りの声をあげる。恥ずべきことに日本は痴漢に対する認識が甘い。ローマ字の“CHIKAN”が英単語として流通しているというのだから驚きだ。改めて言うまでもないが、「痴漢、ダメ絶対」である。
バス通学中の女子高生・紬(田鍋梨々花)のスマホに男性の下半身が写された卑猥な画像が送られてくる。紬は“デジタル痴漢”被害にあったことを親友の咲良(永瀬莉子)や祐奈(秋田汐梨)に相談する。「最近多いらしいよ。女の名前のアカウントを見つけて送りつけてくるの」「まじばかだよね。『きゃあ!』とかいう反応期待してみてんのかな?」。そんなことを話しながら、ほとんどの被害者は女性であるという不条理に怒りを覚える。
その怒りを紬は『17歳の私が社会に言いたいこと』をテーマにした高校生のスピーチコンテストでぶちまける。「女の容姿、名前であることで身勝手な男性の欲望の捌け口にされてしまう」「日本は海外から痴漢大国と認識されている。性犯罪は年間で1万件以上。その被害者の9割が女性。通学路で痴漢にあい、誰にも言えずにいる状況はこの国のあらゆる場所で起きている。それを当然のように話している私たちも異常」「通学するだけで身の危険を感じ、気をつけなければならないのでは安全な国とは言えない」と地獄のような現状を訴えかける。
全女性を代弁するかのようなこの感情の解放は、日本で横行している痴漢(CHIKAN)という許されない行為に対する怒りと悲しみを改めて認識させる。何が何でも「痴漢、ダメ絶対」だ。痴漢大国という不名誉なレッテルを拭い去る日が訪れない限り、日本に住む女性たちに安息はない。