起き上がれないほどのだるさ、腹痛、貧血、イライラ。女性にしかわからない苦悩をもたらす、生理という現象。それに伴う症状による経済的損失は、約7,000億円とも言われている。にも関わらず、生理に対する正しい知識と理解を持つ人は案外少ない。日本の性教育の遅れもあるが、生理の際の症状が人によってばらつきがあることも大きな要因。また生理のない男性にとっては身近に感じにくい話題で「生理=女性だけの問題」として無関心になりがちだ。
そんな風潮に警鐘を鳴らすのが、SNS時代の女子高生たちが“性”の悩みや疑問に真正面からぶつかっていくABEMAオリジナルの連続ドラマ『17.3 about a sex』の第7話。タイトルはズバリ「男子の皆さん、1週間出血し続けたことありますか?」である。
アセクシュアルの紬は人生の岐路をかけたスピーチ大会に出場しようと意気込むが、当日の朝に生理からくる貧血で倒れてしまう。そのせいでスピーチ大会に間に合わない。紬は「生理なんてやりたくてやっているわけじゃないのに。毎月血を出して、体調が悪くなって。意味ない!ほんと意味ない!」とぶつけどころのない怒りを煮えたぎらせる。
注目なのはドラマのエンディングで示されるデータだ。女性の生涯で生理の日は6年9ヶ月以上で、生理用品代は34万円以上もかかるとされている。約8割の女性が生理痛を経験しているが、「生理の時に寝込む(1.9%)」「痛み止めを飲んでも辛い(4.0%)」「痛み止めを飲めば大丈夫(26.8%)」「生理痛はあるが大丈夫(45.9%)」「生理痛なし(21.4%)」と内訳を見ると十人十色であることがわかる。
紬は低用量ピルを服用することにする。親友の祐奈(秋田汐梨)は「避妊のために飲むもの」という認識しかないが、実は生理痛を抑えたり、生理前の身体的・精神的な不快な症状PMSを軽減したりする効果もある。しかも生理周期を調整することも可能。祐奈のようにピル=避妊というイメージが先行し、誤った認識からハードルを高くしてしまっているのが現状だろう。
今回の第7話では、そんな生理に対する正しい知識と新しい選択肢を提示。生理痛の重さは人とは比べられない。保険適用でピルを処方してもらうこともできる。ジェネリック医薬品ならば低価格だ。大切なのは自分自身をいたわること。わからないことがあれば、婦人科に行けばいいだけ。紬の行動力に勇気をもらう女性が一人でも多くいれば嬉しいし、男性にもぜひ見て知って理解してほしい。