『ラップスタア誕生』過去最多応募からralphが優勝 審査員全員が絶賛のコメント「先輩に勧めたい若手のラップ」
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 新型コロナウイルスの脅威が広がり、日本中で外出自粛やイベント中止を余儀なくされていた2020年5月、日本全国にいるラッパーたちの中から次世代を担うラッパー“ラップスタア”の募集が開始された。会いたい人に会えない、行きたい場所に行けない中、応募者は閉ざされた部屋や人気の無い夜の公園からそれぞれの想いを曲にした。そして、10月19日、過去最多の応募者数1416名の中から神奈川県出身のralph(22)が優勝者に選ばれた。

 『ラップスタア誕生』は、参加者が即興フリースタイルではなく自らの生い立ち・人生などをテーマにしたリリックで挑むオーディション番組。優勝を手にした栄えある1名のラッパーには未来を切り開く活動資金300万円と豪華副賞が贈呈される。

 ファイナルステージに進んだのは東京都のnoma(20)、神奈川県の麻亜女(26)、兵庫県のweek dudus(20)、神奈川県出身のralph(22)、栃木県のItaq(20)の5名。審査員はKダブシャイン、ANARCHY、SEEDA、HUNGER(GAGLE)、伊藤雄介の5名だ。収録は無観客で行われたため、パフォーマンスするラッパーにとっては緊張感増す環境となっただろうが、HUNGERは「審査員とバチバチに目が合いながらパフォーマンスするのはすごくプレッシャーになると思う。でも、これをどう乗り越えるかはこれからの時代に必要なスキルになる」とコメント。Kダブシャインも「原石をダイヤにするのはプレッシャー。プレッシャーに負けるのではなくプレッシャーに背中を押させるのが正しい使い方だ」とファイナリストを鼓舞した。

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 優勝したralphとHIPHOPの出会いは少年時代。インド人の父を持つralphは、外国人の血が入っていることからイジメに合い、悔しくて始めた格闘技をきっかけにHIPHOPのカルチャーに自然と辿りついたという。

 ステージの1曲目はYung Xanseiのトラックに乗せた『N.B.K』。「これはLIFE…」から始まり、「団地の前で座って どっかでパクったパン食って 誰かの帰りを待ってる少年が未だあそこに居る気がしてる 迎え行く金を持って」「神がいるんなら会ってみたい もちろんタダじゃ済まさない」と、彼の生い立ちや厳しい境遇を描写したリアルなリリックを野太い声で歌い上げ、凄みのあるパフォーマンスを見せた。

▶映像:ralph ファイナルステージパフォーマンス『N.B.K』(1時間2分頃~)

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 MCでは、「言いたいことは一つだけ。俺はこのカルチャーHIPHOPが大好きです。踊れるのも早口も歌も最高だよ…でも、俺が救われたHIPHOPは、ラッパーの体の一部、肉の塊でアゴ殴られたみたいな重いHIPHOP。同世代が飛び跳ねている間に、俺は地に足つけて一歩一歩この3年間やってきたみたいに進んでいくよ」「もし俺みたいなはぐれ者が1人でも見ているなら一言だけ言わせてください『俺らの時代を作るぞ』」と、呼びかけた。

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 2曲目はMURVSAKIのトラックで『Real talk』。「気に食わねえならお前が変えろ 腐ってんなら作りゃ良いだろ」「悔し涙で喉が潤う 負け犬共狼煙を上げろ 長いモノも食いちぎればshort まずは俺が手本を見せよう」「有言実行がThugの長所 時代が変わるとしたら今日」「16年後のさんピンCAMPのヘッドライナーに載るMY NAME」と、次世代を背負う覚悟と似た境遇に居る同志へのエールを感じさせるような一曲だった。

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 オーガナイザーのRYUZOは「俺は審査員じゃないけど結構やられてますね」と、打ちのめされた様子。ANARCHYは「かっこよかったです。ここで優勝しなかったとしても、来週俺のスタジオに来て一緒に曲作ろう」と声をかけた。SEEDAは「初めて、全部の言葉を聞き取れたのが凄かった。アツかったっす、かっこよかったです」とコメント。

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 HUNGERは「僕はralphさんに対するイメージが完全に出来上がっていて、それが凄く高いハードルだったので、ライブで聞いたらどうなるのかなと思っていた」「まだまだ余地があって、それがずしっと入ってきて、パフォーマンスとしてすごく優れていると思いました」と評価。ralphはYouTubeで自身の楽曲「Selfish (Prod. Double Clapperz)」が52万回再生されるなど、すでに多くのHIPHOPファンの間で楽曲の完成度の高さは知られているが、改めてステージでもその実力を見せつけたようだ。

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 伊藤雄介は「スタイル的にはオルタナティブなスタイルで勝負しているけど、リリックはバチバチ正統派の日本語ラップ。先輩に勧めたい若手のラップ。ちゃんと(90年代の価値観が)受け継がれて、かつ新しいことで若者にも支持のあるラッパーがここにいますよ!と先輩たちに教えたい。それはなかなかできないこと」と絶賛。

 Kダブシャインは「出だしの貫禄でがっつりつかまれたのと、ステージングも仕上がっていて自分の持ち味をちゃんと理解している」「リリックで、自分に対して厳しい部分を大事にしているのがHIPHOPだなと。オールドスクールのKダブシャインでも納得のDOPEなHIPHOPを感じさせる後味だということをはっきり言っておきます!」と評価した。

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 審査員全員から称賛の言葉を浴びせられたralphは「嬉しい以外の…あれがないっすね…」とポツリ。その様子に「嬉しいの感情を表現するのが下手」「それもHIPHOP」とKダブシャインとRYUZOが笑いながら声をかけていた。

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ファイナルステージは「楽曲部門」「パフォーマンス部門」の総合点で審査された。

◆楽曲部門

3位 noma(9pt)

2位 week dudus(35pt)

1位 ralph(40pt)

◆パフォーマンス部門

3位 noma(12pt)

2位 week dudus(28pt)

1位 ralph(45pt)

の結果となり、総合点でralphが優勝。優勝後のコメントでは「こんなこと言うと思わなかったですが、全員ここに居る人ライブ上手いです。このレベルにならないと勝てないんでよく考えてやってください」と、次の王座を狙うラッパーに呼びかけた。優勝賞金300万円の使い道を問われると、「製作費と、匠音(ファイナリスト麻凛亜女の息子)にミニカー買うっす」と、優しい一面も見せた。

ラップスタア誕生 - FINAL STAGE
ラップスタア誕生 - FINAL STAGE
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