毎週金曜日、日本の夜を熱くさせているドラマ『24 JAPAN』は、世界的大ヒットシリーズ『24』の日本版リメイク。テレビ朝日と20世紀FOXがタッグを組み制作された本ドラマは、オリジナル版のシーズン1がベースになっている。CTU(テロ対策ユニット)に勤める獅堂現馬(唐沢寿明)が、日本初の女性総理候補・朝倉麗(仲間由紀恵)の暗殺計画を阻止するため、さらに事件に巻き込まれた家族を救うため、戦い抜く24時間。どんでん返しが続くスピーディな展開は、本家に引けを取らず、視聴者も夢中になっている。
そして第6話から新たに出演者として仲間入りを果たすのが、時任勇気だ。時任が演じるのは凄腕の暗号解析係・マイロ役。CTUの暗号解析をより強化するために登用された解析のプロフェッショナルだ。
オリジナル版の『24』全シーズンに加え、スピンオフまであまねく鑑賞し、本ドラマの撮影に気合い十分で臨んだという時任。現場でマイロとして暗躍する思いや、父親である時任三郎とのやり取りまで、インタビューで語ってくれた。
大ハマりした『24』の日本版に出演!暗号解析係マイロ役に愛着
『24 JAPAN』第7話場面写真/© 2020 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
――オリジナル版の『24』は、ご存じでしたか?
時任: 僕は原作は観たことがなかったんです。『24』といえば、芸人さんがジャック・バウアーの物真似をしているのを見たことがある程度でした(笑)。自分の出演が決まってから、オリジナル版のシーズン1~8、スピンオフまで全部観ました。
――え、一気に全部ですか!?
時任: もう、ハマりました。本当に面白かったです!今回はシーズン1を題材にしているので、1だけで本当はよかったのかもしれないんですが、ハマってしまったので全部一気に観ました。
――時任さんは、シーズン何が好きでしたか?
時任: ええ…どれだろう!?マイロ役を演じるので、やっぱりシーズン6ですね!マイロ以外だと、クロエ(オブライエン)が好きです。後半、すごく出てくるじゃないですか。クロエとジャックの友情も良いですよね。ジャックに頼まれて、「また~!?」と言いながらも手伝っているのがかわいいな、と思って観ていました。
――時任さんが演じるマイロの印象は、いかがでしたか?
時任: 怒ってばっかりだなって…(笑)。僕が演じるマイロも、喜怒哀楽が激しいです。怒ったり、泣いたり、喜んだり、“自由人”という感じを出しています。上司にため口を使ったり、お使いを頼んだりして、少し失礼なこともするのですが、仕事においては凄腕の技術があるので、そこに信頼を置いてもらい、愛されているキャラクターだなと思います。第6話からマイロが登場して、CTUの空気が少し変わったような気もします。非日常な出来事が勃発する中で、マイロを介して普段のCTUが垣間見えるので、是非注目してもらいたいです。
――マイロを演じる上で、具体的に準備されたこともありますか?
時任: マイロは海外出身という設定で、僕も共通する部分があるので(※時任はニュージーランド生まれ)、「海外から来た人だったら、こういうアクションを取るだろうな」ということを考えながら演じています。マイロの役に自分の経験を入れ込んでいる感じです。海外の人は、ジェスチャーが多いじゃないですか?皆さん、身振り手振りが激しいですよね。そうしたジェスチャー表現は、マイロに取り入れています。
――時任さんも普段ちょっとジェスチャーを入れてしゃべったりします?
時任: どうですかね!?そうでもないと思います。写真を撮影する時も普段ポーズをあまり取らないので、今回の撮影でピースをしたのは新鮮です(笑)。
緊張感あふれる、唐沢寿明との共演シーンは「NGを出してしまったけど…」
『24 JAPAN』第7話場面写真/© 2020 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
――『24』はセットも非常に本格的です。足を踏み入れて、いかがでしたか?
時任: そうですね、初めて入ったとき、(緑のライトが)まぶしく感じました。オリジナル版が20年前なので、今の日本に置き換えると、いろいろ進化している部分があると思います。例えば、携帯もすごく進化していますし、CTUも緑という色で近未来感を表現していると思いました。オリジナル版を観ている方だったら、「ここ、似てる」「ここ、変わってる」とか、見比べても楽しめると思いますし、初めての方は新鮮な気持ちで観ることができるので、楽しみ方はいろいろありそうですよね。
――撮影はいかがですか?
時任: 僕は基本的にCTUにずっといるので、水石伊月役の栗山千明さん、南条巧役の池内博之さん、明智菫役の朝倉あきさんとのシーンが多いです。「はじめまして」の方ばかりだったので、とても緊張していたのですが、実際現場に入ったら、出演者の皆さんもスタッフさんも優しく温かい方々だったので、すごく安心しました。
――時任さんから積極的にコミュニケーションを取ったりもされますか?
時任: 僕、人見知りなんです…。これからの撮影で徐々に皆さんのことを知っていきたいです!
――主人公・獅堂現馬役の唐沢さんとの共演については、いかがでしょう?
時任: 唐沢さんとは、今のところ1シーンだけご一緒しました。とても重要なシーンで、現場も緊迫感がありました。そんな中、僕が緊張してNGを出してしまったのですが、唐沢さんが誰よりも先に「大丈夫だよ」と声をかけてくださって、「格好いいな…」と思いました。
頼りになる父・時任三郎との会話、「俳優をやろうと思う」と言った日
――今回『24』に出演されることを、ご家族にお話しましたか?
時任: 伝えました。「よかったね!」という感じでした。父(※時任三郎)からのアドバイスは特にはなかったんですけど…、役者を始めたばかりのときは、聞いたこともありました。
――例えば、どんなことを?
時任: 僕、最初台詞覚えが本当に悪かったんです。すごく苦戦して、思わずネットで「台詞を覚える方法」とキーワード検索したりもしました(笑)。レコーディングをして聞きながら寝るとか、歩きながら台詞を言うとか、お風呂の中で台詞を言うとか、いろいろな方法が載っていました。結局たどり着いたのは、「とにかく繰り返し読む」です。いろいろな方法を試したのですがそれでもダメだったので、最終手段として父に聞いたんです。父からも、「とにかく繰り返し読む!」と言われました(笑)。「あ、一緒なんだ、それしかないな」と思って。今は台詞覚え大丈夫です!
――時任さんご自身はニュージーランドで生まれて、幼少期は日本以外にカナダ、ニュージーランドで過ごした経験や、高校時代2年間カナダへの留学経験もありますよね。あちらでの活動を考えませんでしたか?
時任: 僕は、海外には合計8年ほど住んでいて、約21年間が日本なんです。向こうでは役者になりたいという気持ちはありませんでした。ただ、家庭環境的にも芸能界が身近にある環境だったので、日本に戻ってきた11歳頃から興味が湧いてきました。ですが、一歩踏み出す勇気も、自信もなくて。大学生になって、周りが進路を決めていく中で、ようやく「1回チャレンジしてみようかな」と決心しました。興味があるのに、やらない後悔は嫌だなと思ったので、まずは自信をつけるために体重を13キロ落として、筋トレも始めて形からつくっていきました。
――俳優を始めるとき、お父様に相談しましたか?
時任: いえ、一切しませんでした。父に「俳優をやろうと思う」と言ったのも、事務所が決まった後でした。父に言うのは、とても緊張しました。改まって深刻に言ったら、絶対に向こうも構えるだろうなと思ったので、いつも交わす「おはよう」くらいの感覚で、さらっと言いました。内心は、「何て言われるかな…!?」とドキドキででした(笑)。父は、「いいんじゃない?やりたいことをやりなよ!」と言ってくれて、すごく安心しました。今までも僕が「やりたい」と言ったことは、全力で何でも応援してくれたので感謝しています。
テレビ朝日開局60周年記念の『24 JAPAN』は毎週金曜23時15分より放送。※一部地域を除く。なお、ABEMAでは、地上波では見られないオリジナルストーリーを含めた“配信スペシャル版”を放送。
『24 JAPAN』第7話場面写真/© 2020 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.
取材・文:赤山恭子
撮影:You Ishii