12月5、6日の2日間にわたり放送されるテレビ朝日開局60周年2夜連続ドラマスペシャル『逃亡者』。その制作発表記者会見が11月25日に都内・収録スタジオにて行われ同ドラマで主演を務める渡辺謙と豊川悦司が出席した。
ドラマ『逃亡者』は1963~67年にかけてアメリカで放送されたテレビシリーズをリメイクしたもの。妻殺しの容疑を晴らすため逃亡する大学病院外科医と、その男を執拗に追い詰める刑事の姿が描かれる。主人公の外科医・加倉井一樹役を渡辺が演じ、警視庁特別広域捜査官・班長で追跡者の保坂正美役を豊川が務める。また、ABEMAでは6日の地上波放送終了後、オリジナルエピソード『特別広域追跡班 ~ヒトリヨガリの科学捜査官~』前後編が独占配信される。本編にも登場する警視庁特別広域捜査班のメンバー・鴨井航役の三浦翔平が主演を務める。
会見がスタートするとまず渡辺が「ちょうど1年前はまだ“逃走中”だったと思いますが、ようやくこの作品を皆さんにお届け出来る時が来たということで、ちょっと興奮しております。よろしくお願いします」と挨拶。続けて豊川は「今日は謙さんとやっとこういう舞台に立つことが出来てホッとしています。ちょうど1年前に撮影してまして、いつ放送するのかなと思っていたんですけど、年末の素晴らしい時期に皆さんに元気を与えられるようなドラマを届けることが出来て、大変うれしく思っています」と顔をほころばせた。
追われる側を演じるのが渡辺、追う側に扮したのが豊川。撮影中のお互いの印象について聞かれ渡辺は「同じシーンで撮影することはほとんどなかったんですけど、大体僕は泥だらけか血だらけかコソコソと逃げ回っている状態。一方、豊川はジーンズに革ジャン姿でスタイリッシュに構えてる。その姿が偉くかっこいいなと思って、“なんだよいい所、みんな持ってちゃうんだな”と思いました(笑)」と語り、会見場を和ませた。一方、豊川は「謙さんからは学ぶことが多くて、数少ない同じ撮影の日では、謙さんの一挙手一投足をどうしても見ちゃうんです。謙さんがこのセリフをどう言うのか、監督と話し合ったあの部分をどう芝居するのか、その瞬間を垣間見ることが出来たのは本当に貴重な体験でした。そういう意味では“生きた教科書”というか、すごく自分の身になった撮影となりました」と振り返った。
同作はアクションシーンも見どころの1つ。司会を務めた下平さやかアナウンサー(テレビ朝日)から「危険なシーンも多かったですよね?」と質問されると、渡辺は「60周年の記念作品ですけど、僕も60歳だったものですから、こんな激しい作品だったかと途中後悔しました(笑)。けれど、すごいヒーローを中心にストーリーが動くものではなく、普通の外科医が殺人犯の罪を着せられて逃走する話なので、華麗な動きを求められたわけではなかったです」とコメント。その上で「やっぱり俳優ってどこかネジが緩んでいるのか、走る電車の中でかなり激しいアクションシーンを求められることがあったんですけど、そのシーンは撮影していて興奮しましたね。初めて実際に動いている電車の中で撮影したんですけど、受ける感覚が全然違いました」とエピソードを明かした。
続けて豊川は「不謹慎かもしれませんが、今回演技の中でたくさんピストルを撃たせていただきました。それは素直に“楽しい”と思いましたね。アクション作品でしかこういう機会はないわけだし、そういう意味ですごく楽しく演じることができました」と回顧。それから「特に男性なら一度はモデルガンなどに憧れた時期があると思います。そういう意味でもドラマを通じてワクワクするような感情をお届けできると思います」とアピールに繋げた。
今作の監督を務めるのはドラマ『相棒』などを手掛けた和泉聖治。監督について聞かれた豊川は「噂はいろんな方から聞いてますし、作品ももちろん見させて頂いてますが、一緒に作品を作るのは初めてでした。“怖い人なのかな?”と想像していたんですけど、意外と静かに淡々と現場を進めていくような印象でした」「“えっ?”と思うような演出も結構ありましたし、その上ですごく柔らかく撮影していく人でした」と印象を明かした。
また会見中には来年への夢や願いを込めた“1文字の抱負”を披露する場面も。渡辺は「脱」と書にしたため「これは全国民・全世界の人が思っていることだと思います。脱・コロナですね。僕ら役者の世界もそうですけど、人と人との関係性を遮断されるようなこういう状況は、社会そのものが否定されているような感覚というか…今年はそんな1年だったと思います。来年はもちろんいろんなことに気をつけながらですけど、ワクチンが出来たりだとかで脱・コロナをして、みんなで笑い合って、飲むのも食べるのもお芝居をするのも普通に出来る……そんな世界が来ることを切に願っています」と力を込めた。
「握」と書いた豊川は「今年、自分の中でいつもと違うことは何だろうと考えてみたら、『俺、全然誰とも握手していない』と思って。本当だったら今日だって謙さんと『お久しぶりです』と握手するのに、それが出来ない。でも、人間というのは触れ合うことが大事で、ほんの一瞬でも体温を感じ合うことはすごく大切なコミュニケーションだと思います。それが断ち切られている現状ではありますけど、来年は“コロナウイルスを掌握できるように、打ち勝てるように”という思いでこの字を選びました」と説明した。
会見の最後には渡辺が放送を楽しみにしているファンに向け「精魂込めて作り上げた作品です。スタッフキャスト共にある意味泥水を飲むような、そんな時間を過ごしながら、なかなかハードな素晴らしい追跡劇を撮影することが出来ました。寒くもなってきましたし、ちょっと家に籠もらなくてはいけないというような状況にもなってきたので、ぜひ家の中であたたかくして、僕と一緒に2日間逃げ切っていただければと思います」と呼びかけた。
テレビ朝日開局60周年2夜連続ドラマスペシャル『逃亡者』は12月5~6日、午後9時より2夜連続で放送。三浦翔平主演の「特別広域追跡班 ~ヒトリヨガリの科学捜査官~」前後編は2020年12月6日(日)夜10時55分より同時配信。
取材・テキスト・撮影:中山洋平
『逃亡者』配信オリジナルストーリー「特別広域追跡班 ~ヒトリヨガリの科学捜査官~」前後編同時配信概要
配信日時:2020年12月6日(日)夜10時55分~(ABEMAプレミアム限定)
配信:ABEMAビデオ
視聴URL:https://abema.tv/video/title/50-75