全国で過去最多の497人を記録している新型コロナウイルスの重症患者数。
東京都医師会の猪口正孝副会長は3日、都のモニタリング会議で「医療と通常医療の両立が困難な状況が生じ始めており、今後医療機関は更なる予定手術等を制限せざるをえなくなる」と報告。大阪でも、吉村知事がコロナ対策本部会議で「重症病床使用率が70%に達すれば、赤信号をともすという判断基準を作っている。現在63%という状況だが70%に達するのはほぼ間違いないという状況にある。まさにこの赤信号をつけるべきタイミングだ」と話した。
“医療崩壊”の問題について、同日夜の『ABEMA Prime』に出演した堀江貴文氏は「医療機関のリソース不足については、給料を今の何倍かにするしかない」と訴えた。
番組で堀江氏は「病院経営者の知り合いに聞くと、いま病院の経営がめちゃくちゃヤバいことになっている。みんなに“病院に行くのは危ない”と思われていて、風邪を引いたとか、そういう急を要さない疾患では通院しなくなっているから。そして、お金はもらえるけどコロナ専用病院にするような危険は冒したくない。そして、医療従事者の中には働きたいと思っている人もいるかもしれないけれど、そこはやっぱり一枚岩ではないと思う。公共交通機関を使って通勤しようとすると嫌がられたり、子どもが差別を受けたりする。僕だって、家族に“もっと安全なところで働いてよ”と言われたら“すいません、僕は無理です”と言っちゃうと思う。だから医療崩壊の原因で一番大きいのは、差別の問題だと思う」と指摘。
「他の国は外出禁止命令を出したり刑罰を課したりすることもできるが、日本はあくまで要請であって、働くことについても強制することはできない。公立の病院だって少ない。だからやれるとしたら資金注入しかないと思う。医療機関、頑張って働く人にお金をちゃんと注入しましょうよと。今も多少の手当てはあるだろうし、お金の問題じゃないかもしれない。現場のことを全て分かっているわけではないので無責任かもしれないが、給料を2倍、3倍にするという対策を取って、働く人たちを皆で称賛するという雰囲気が作れればいいと思う」と訴えた。
■「忘年会需要を見込んで頑張っていこうと思っていたのにこれだ」飲食業界の苦境
感染拡大を受け、全国で飲食店への営業時間の短縮要請が出されている。堀江氏自身、焼肉バーをプロデュースする飲食店業界の当事者だ。
堀江氏は「僕が経営している店はインバウンドが多かったので、もうメチャクチャだ。それでも数店舗だから、メッセンジャーで知り合いに“来ないの?”と、地道な“力業”の営業を頑張れば、なんとかトントンまでは持っていける。入店時に問診票に記入していただいて、アルコール消毒と検温をしていただいている。今のところ、それで特に問題は起きていない。でも100店舗単位のチェーン店などは壊滅的だと思う。知り合いの経営者にも、“借りた100億円のうち、半年で70億円溶かしました”とういう人がいた」と、業界のリアルな状況を説明。
「東京都では応じれば40万円が支給されるが、これをもらって喜んで店を閉めるのは、もともと客が入らずトントンか赤字の個人経営の店だけだと思う。僕が行っているスナックもそうだ。でも、大手チェーンや、そこそこの規模でやっているお店は応じていない。その意味では、何の役にも立っていないし、何もして欲しくない。結局、客は確実に減っている。緊急事態宣言が終わったらちょっと元に戻るかな、8割9割くらいまで戻ったな、忘年会需要を見込んで頑張っていこうと思っていたのにこれだ。もうみんな無理だ」。
一方、国が推奨する“マスク会食”については「僕もミュージカルの稽古をやっている最中だが、キャストの子たちは本当に真面目で、飲食のとき時だけは外して、それ以外はずっとマスクを付けている。原理的にはマスクをすればするだけリスクは下がるので、実行する人がいるのはいいことだ」とコメント。
「“GoToトラベルは続ける”とか、菅さんは強いメッセージを出している。そうやってリーダーがぶれずにメッセージを出し続けるということが大事だ。首相動静を見ていると分かるが、菅さんは“こんな人たちとも会ってるの?”というくらい、色んな業界の人たちに会って声を聞いているから、ある程度適切な施策が打てている。例えばLINEグループを山のように作ってそこから声を吸い上げるみたいなことができると、もっときめ細やかなことが実行できると思う。だから陳情もしないと損だ。飲食業界も観光業界のように困ってるんだということを言わないといけない。ハンコを無くしたように、菅さんは必要であればやると思う。若手芸人の人たちだって、“劇場で公演できなくて困っているので、なんとかしてください”“僕たちは票を持っているから、芸人を応援する政治家になってみませんか”と訴えれば補助金が出る」とも話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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