現在公開中の映画『アンダードッグ』より、プロボクサー役を演じた森山未来のメイキング映像が到着した。
第88回アカデミー賞外国語映画賞の日本代表に選出されるなど、多数の映画賞を席巻した『百円の恋』から6年。監督・武正晴、脚本・足立紳をはじめとする製作陣が、キャストに森山未來、北村匠海、勝地涼を迎え、再びボクシングを題材に不屈のルーザーたちへ捧げる挽歌を作り上げた。過去のささやかな栄光が忘れられず、かませ犬(=アンダードッグ)になり果てた今も、ボクシングにしがみつく事しかできない主人公を中心に、人生から見放された三人の男たちのドラマを描く。
今回到着したのは、過去の栄光を忘れられず、かませ犬となった今もボクシングにしがみつく、崖っぷちボクサー・末永晃を演じた森山未來のメイキング映像。武正晴監督から、「(練習シーンを)今度は正面から撮ります」といわれ、「練習しておこう」とパンチングボールの練習をはじめる森山。一見すると簡単に見えるが、パンチングボールは、動体視力とリズム感を鍛えるためもので、ボクシング初心者なら誰もがつまずく、高度なトレーニングのひとつ。すこし緊張した様子でパンチングボールを打ち始めると、速いスピードでボールを連打することに成功!その姿に、ボクシング指導の松浦慎一郎も思わず「上手い!めっちゃ上手くなってる!」と褒め称え、森山も照れたような笑顔を見せる。撮影に入る前から、松浦とともに本格的なトレーニングに励んできた森山の実力がわかる映像となっている。
出演のオファーがきたとき、ボクシングを観る習慣もなければ、これまで格闘技をやったこともない、ボクシング初心者だったという森山だが、演じる役は元日本ライト級一位という経歴を持つプロボクサー。「ちょっとボクシングをかじっただけじゃごまかしきれないだろうと思い撮影の約一年前からトレーニングを開始しました。パンチを打つことから始めて、殴ったことも殴られたこともないから、その感覚を知りたい一心で練習しました」と明かすように、長年ボクシングをやってきた晃をリアルに演じるため、撮影前から猛特訓!別の仕事で海外に滞在したときは松浦と現地で落ち合い、スパーリングを行ったという。本作の最大の見せ場である、森山演じる主人公・末永晃の人生の再起を賭けたラストマッチの撮影前には、体力的にも精神的にもハードな撮影でありながら、プロボクサーと同様に食事制限を行って挑んだ。「食事制限は相当キツかったです。実際にボクサーの方は試合の1ヶ月前から食事制限を始めて、その凄まじい飢餓感の中でトレーニングを経て試合もする。ボクサーはギリギリの世界で生きている、凄まじい方々なんだと身をもって知りました」と振り返る。過酷な役作りを経て、“プロボクサー・末永晃”の佇まいをスクリーン上で体現してみせている。俳優だけでなく、舞台やダンスなど幅広い分野で表現を追求する森山が初めてプロボクサーに挑んだ臨場感に溢れた映像を、是非とも劇場の大きなスクリーンでご覧いただきたい。
(c)2020「アンダードッグ」製作委員会