山田裕貴が出演する土曜ナイトドラマ『先生を消す方程式。』(毎週土曜夜11時 テレビ朝日系)のフライングドラマ『頼田朝日の方程式。-最凶の授業-』が、ABEMAプレミアムで配信中。頼田朝日役を演じる山田裕貴が収録現場で囲み取材に応じた。
▶映像:怪演が大きな話題に『頼田朝日の方程式。-最凶の授業-』全話配信中
鈴木おさむが脚本を手がけた『先生を消す方程式。』は、名門私立・帝千学園を舞台に、高いIQを誇る生徒たちに命を狙われる新任教師・義澤経男を主人公にした学園サスペンス。主人公の義澤役を田中圭、頼田役を山田裕貴が演じるほか、高橋文哉、久保田紗友、森田想、高橋侃、秋谷郁甫、松本まりかが脇を固める。一方、フライングドラマは『先生を消す方程式。』とリンクしながら、本編に隠された謎や真実につながるヒントを先んじて解明していく。
役者陣の力量が試されるドラマ
ドラマ本編の第4話では義澤が頼田の策略により死亡するという衝撃の展開を迎えた。第5話の終盤ではその義澤が土の中からよみがえるという、予測不可能な展開となっている。台本を読んだ時の感想について聞かれた山田は「こういうドラマがあってもいいと思いました。突飛な作品は僕が観てないだけなのか、あまり触れてこなかったんですけど、死んだはずの主人公が再び蘇っちゃうドラマがあっても面白いと思います。これは(田中)圭さんと喋っていたことなんですけど、激動の展開を迎えるがゆえ、大成功するかどうかのドラマになると話していました(笑)。そういう意味で、僕ら役者陣の力量が試されていると思います。どこまで高い所に持っていけるのかをしっかり考えなければいけないという気持ちはありました」と明かした。
SNS上では頼田の“狂気性”が話題となっている。放送終了後は毎回トレンド入りするほどの反響があるが、“怪演”と言われることについて感想を聞かれた山田は「すごいうれしいです。怪優とか言われたいなと思っていたので(笑)。でも、僕は狂気じみた役をやりたかったし、なんならやれる自信があったんです」「変わった役はやりがいもあるし面白い。ABEMAの『頼田朝日の方程式。-最凶の授業-』は反省点もあるけれど、見てくださるみなさんに響いているなら良かったと思います」と素直な気持ちを語った。
その上で「頼田朝日って絶対悪だと思うんです。いじめられてたからどうこうじゃない、ただの悪。だから僕は世の負の感情を全て伝えるようなキャラクターになれれば、より朝日が深いキャラクターになると思うし、ドラマ史上1番の“ただの悪”になればいいなと思っています。なんなら“朝日の言っていることは全部嘘なんじゃないか?”と視聴者の皆さんにも疑問を持ってもらいながら見て欲しいですね」とコメント。続けて「でも、怪演って言われるのはめっちゃ気持ちいいすね…(笑)。以前、『情熱大陸』(MBS・TBS系)で特集していただいた時“新時代の怪優”って紹介されたんですよ。それがめっちゃ気持ち良くて。(記者に対して)“怪演・怪優”推しでいってもらっていいですか?」とアピールした。
「こういう俳優になりたい」田中圭から感じる力
本編にて主演を務める田中について聞かれると、「共演するのは今回で5作目なんですけど、よりこの現場で深く話すことが出来ました」「今回僕は『頼田朝日の方程式。-最凶の授業-』の撮影で叫ぶシーンが多くて、声が出なくなっちゃったことがあったんですけど、圭さんが通っている鍼治療のクリニックとかも紹介してくれたり、まぁ素敵なお兄さんです。それはもちろん僕にだけではなく、現場全体に対してもそう。長尺の撮影の日はそっと差し入れをしてくれていたり、圭さんの背中を見ると、『こういう俳優さんになりたい』と素直に思わされますね」とコメント。それから「圭さんが演じる義経先生が本編の授業でビシッと締めてくれるから、僕が遊びを加えた演技をしていられるんです。そういうバランス感覚も圭さんは取ってくれていて、改めて、こういう人がたくさんの人に愛されるんだろうなと思いました」と語った。これからドラマは最終章に向かっていく。最後に今後の見所について聞かれると、山田は「このドラマの展開はぶっ飛んでいるし、これから加速するようによりぶっ飛んでいきます。そういったギミックを楽しんでもらいたいですね」と呼びかけた。
山田が思う“朝日頼田”という人物「悪の塊で虚無な男」
囲み取材終了後には、山田が個別取材に応じてくれた。「先ほど、朝日は“絶対悪”と仰ってましたが、演じられている山田さんの口から朝日という人物について解説してもらえませんか?」とリクエストすると、山田は「まったく世の中に必要のない悪の塊だと思っています。虚無な男だとも思うし、それを感じたのが本編の4話で義澤先生を刺した時、“あ、殺しちゃったわ。面白くないな”って感じたと思ったんですよ。生きていく張り合いがなくなったんですよね」と述べた。
その上で「でも義澤先生が蘇ったことがわかると、朝日は楽しくなるんです。トムとジェリーのような関係というか、朝日にとって義澤先生はいないとダメな存在なのかなと思います。だから2人の関係は深いなと思いました。本当のサイコパスならば“ただお前は邪魔。消えて”という風に殺害すると思うんです。でも、朝日は決してそうではない。虚無さの中にも妙な奥深さも感じることがあって、その手応えもあって“朝日を演じるのめっちゃオモロ”って思っています」と語ってくれた。
最後に「まだ見ていない方に、『先生を消す方程式。』『頼田朝日の方程式。-最凶の授業-』を楽しく見る方法を教えてください」と聞いたところ、「義澤先生の授業は胸にくると思います。あんまり“エンタメ”という感覚だけで見て欲しくないというか、ちゃんと授業の内容に耳を傾けて欲しいと思っています。このドラマもただのキャラ祭りではなくて、ちゃんとストーリーが内包されている作品。とにかく義澤先生の言葉は胸に刺さると思いので、今の若い子だけではなく、全ての人に体感して欲しいです」とアピールした。
土曜ナイトドラマ『 先生を消す方程式。』は毎週土曜よる11:00~放送。なお、ABEMAビデオでは放送後に見逃し配信、さらに本作のフライングドラマ『頼田朝日の方程式。-最凶の授業-』を放送後にABEMAプレミアムにて独占配信している。
テキスト・取材:中山洋平
撮影:Mayuko Yamaguchi