今年6月に複数女性との不倫が発覚し、その後、活動を自粛していたお笑いコンビ・アンジャッシュの渡部建が3日に記者会見を開いた。記者陣から質問が相次いだこの会見は、じつに約96分間にわたって続けられた。復帰前の禊会見という受け止め方が大勢を占めた今回の会見だが、各国の不倫謝罪会見に対する反応はさまざまだ。中には「もっと報じるべきニュースがある」といった厳しい意見も聞かれた。
イタリア人の料理家であるベリッシモ・フランチェスコさんは「世界中に不倫はあると思うんですけど、日本ほどニュースは盛り上がらない。もう当たり前すぎて誰も気にしない。まったく同じことでイタリアだったらもう終わってるし、みんな忘れている。間違いは皆ある。だから優しく見てあげましょう」と話すと、フランス在住の日本人女優であるユキコ・ナガシマさんは、知人のフランス人に聞いた話として「プライベートなことを人の前で謝るということはあり得ないと意外がっていた。また不倫を咎めるのは『まったくもって馬鹿げたことだ』とも。昔の大統領のシラクさんは、多くの愛人がいたことで有名。だからといって大統領の任期を最後まで終えた。プライベートはプライベート。公の場は公の場とはっきり分かれている」と主張した。
中でも鋭い意見だったのが、カナダ出身のタレントであるカイル・カードさん。カイルさんは「カナダの場合は不倫をしようがしまいが、別にニュースにならない。むしろ『もっと報じるべきニュースがあるでしょ。もっと大事なことが世の中で起きている』という感じで、芸能人が不倫しようがしまいが、どうでもよくない? という感じだ」と話し、今回の報道の過熱ぶりを疑問視した。
一方、ロシア出身の弁護士であるベロスルドヴァ・オリガさんは「基本的にはロシアでも不貞行為といった不倫があったらテレビでは報道され、週刊誌なども出たりはする。ただ日本のような謝罪会見まではしない。もしかすると、『謝るのがイヤ』というロシアの国民性。そもそも普段も謝らないのに、謝罪会見といった形で、世間の前で謝るといった風習は見受けられない」とロシア人の特性を踏まえた独自の主張を展開した。
では、日本の若者には、今回の会見はどのように映っていたのか。YouTuberでモデルのねおは「ニュースをはじめ聞いたときはビックリしたというのはあったが、先日の会見を見て、人前に出る方が謝ったりするのは大事だなとは思うが、あの会見は違う方向に行ってしまっていると感じて、見るのがツラかった」と率直な心境を明かした。
「渡部さんの会見以前に」と前置きをして、持論を述べたのは統計学者の鳥越規央氏。鳥越氏は「渡部さんの会見は96分あった。にもかかわらず、菅総理(31分)と安倍前総理(3分)を合わせても34分だった。二人の2倍以上の時間を費やして(渡部さんは)会見をしている」と話し、4日に釈明会見をした安倍前総理、さらに記者会見を開いた菅総理大臣を例に挙げつつ私見を述べた。
これらの話を聞いたお笑いタレントの千原ジュニアは「我々は人前に立つ芸能人だからというのもあるのだろう」と話すと、「不倫した芸能人が謝罪会見を開かなければいけないというのであれば、せいじがまだやっていない。至急やらせましょう」などと話し、重い空気を笑いに変えた。(ABEMA『ABEMA的ニュースショー』)
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