史上最もきらびやかで、かつ混沌とした爆破マッチになりそうだ。
DDTは12月23日、スカイツリーの麓にある東京ソラマチで路上プロレスを実施する。そのメインイベントである爆破マッチで対戦するのが大仁田厚と安田大サーカス・クロちゃんだ。クロちゃんはレスラーでもなんでもないのだが、前回の路上爆破マッチ(としまえん)で大仁田との因縁が発生。大仁田がシングルマッチを要求する事態に。これをわりと重く見たDDT側が今回の試合をマッチメイクした。前回、爆破の餌食になったクロちゃんは大仁田に共演NGを通告したのだが、この“リマッチ”に関しては事務所がOKを出しているとのこと。
12月9日には、スカイツリーを見上げるドームガーデンにて記者会見と爆破実験が行われた。戸惑うしかないクロちゃんに大仁田が用意したのが「ねんしょ(念書)」。つまり対戦成立の覚書だ。クロちゃんは無理やりサインさせられ、無事にではないが対戦が成立してしまう。
「今年の汚れは今年のうちに。(クロちゃんは)ヨゴレだから」と言う大仁田だが「俺はお前が好きなんじゃ!」と、対戦要求は一種のラブコールであるとも主張。爆破実験では12月らしく、クロちゃんの顔写真をあしらったクリスマスツリーを爆破バットで振り抜いた。
スカイツリーをバックに爆音が轟き、火薬の匂いが漂う異様な光景。クロちゃんは“大社長”高木三四郎もろとも爆風に吹き飛ばされてしまう。
「これはヤバい……」とたじろいだクロちゃんは、素人である自分に助っ人をつけさせてほしいと要求。これを受け入れた高木だが、自分はすかさず大仁田につくと宣言してみせた。さらに伊藤麻希&クリス・ブルックスのNEO伊藤リスペクト軍団も大仁田の助っ人につくとのこと。試合としてはシングルマッチだが「with」という形で助っ人がつく軍団抗争だ。
いきなり相手側の助っ人が揃ってしまう状況に慌てたクロちゃんだが、SNSを通じて助っ人を募集することに。「いろいろやらかしてきたから嫌ってる人は多いはず」と、大仁田と敵対するレスラーを呼びかけるという。
いざ向き合うとなぜか強気になるクロちゃんは、大仁田に向かって「涙のカリスマって呼ばれてるけど、ロートルで涙腺が弱くなってるだけ」など暴言を連発。「勝ってきっちり引導を渡さないと。また引退させます」という決意も語った。
と同時に「向こうに女子(伊藤)がいるならこっちも女子選手を。合同練習で愛が芽生えるような」とよからぬ目論見も。先日、DDT系列の東京女子プロレス・ハイパーミサヲが団体スタッフと結婚しただけにクロちゃんも「勝利と結婚、両方もってく」と意気込む。しかしこれには社長である高木が「NG出しますんで」。
会見後、クロちゃんはさっそくツイッターで助っ人を募集。同じ松竹芸能に所属するスーパー・ササダンゴ・マシン、前回の路上爆破マッチでも絡んだ青木真也が名乗りをあげた。強力な援軍だが、ここでちゃっかり「キープで」と返事をしてしまうところがクロちゃんのクロちゃんたる所以か。
さらにクロちゃんは東京女子プロレスの人気選手、グラビアでも活躍するインターナショナル・プリンセス選手権保持者の上福ゆきをスカウト。かつてリング上でクロちゃんにヒザを舐められた過去を持つ上福は断固拒否の姿勢を見せたが、日付が変わって10日がクロちゃんの誕生日と知り、お祝いとして助っ人参戦することに。パリピである上福は相手が誰であれ誕生日は祝いたい性分のようだ。
こうしてクロちゃんの助っ人はマット界随一のアイディアマン、MMAの強豪、グラビアタレント兼女子プロレス王者の3人に決定。12月23日、クリスマスシーズン真っただ中、ライトアップされたスカイツリーを見上げながらの爆破マッチ。クロちゃんはまたも爆破されてしまうのか。それとも勝利を掴むのか。あわよくば結婚もありうるのか。クロちゃんの体と伊藤、上福のヒザが危ぶまれる。