すでに176万人あまりの感染者と、欧州最多となる6万2000人以上の死者を出しているイギリスでは、世界に先駆けてファイザー・ビオンテック社製のワクチン接種も始まった。
接種は80歳以上の高齢者や医療従事者が優先され、臨床試験以外での接種で“世界第1号”になったのは90歳のマーガレット・キーナンさん。拍手の中、「私の接種で効果が出れば他の人たちのために希望になるでしょう。この恐ろしい病気を取り除くために、最善を尽くしましょう」と呼びかけた。
テレビ朝日ロンドン支局の寺尾拓人特派員は「8日に打ち始めたのはファイザーのワクチンで、これを4000万回分確保し、どんどん接種を行っている、これを2、3月頃までに1回、そして3週間空けてもう1回打つ。全てが終わるまでには、かなりの時間がかかると思う」と話す。
一方、翌9日には英・医薬品医療製品規制庁のレイン長官が会見で「昨夜2件のアレルギー反応が出たことを報告する」と、ワクチンを接種した医療従事者2人からアレルギー反応が出たことを明らかにした。年齢や具体的な症状は明かされていないが、いずれも回復に向かっているという。
「9日に2人から同じようなアナフィラキシー反応が出たと報じられている。ただ、いずれもアレルギーの既往歴があったということで、現地メディアも大々的に“副反応が”と報じているわけではない。規制当局も“アレルギーのあった人は接種を控えてください”という注意喚起も行っているし、現時点では至って健康な人に副反応が出ているわけではない」(寺尾特派員)。
病院を視察したジョンソン首相は、接種を受けた人が「すべてはイギリスのためだ」と話すと、「そう、イギリスのためなんだ」と応じ、「ワクチン反対派が多くいることは知っているが、接種は皆にとっても国にとっても、安全で正しいもの」と訴えた。現地メディアによると、8日の初日だけで数千人が接種を受けたという。
現地の空気感について寺尾特派員は「まずは皆が祈るような思いで見つめている状況だ」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)
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