政治ジャーナリストの細川隆三氏がGoToトラベルなど一連のコロナ対策による対応の遅れ、さらにステーキ会食などで支持率が急落している菅政権について「国民が苦しんでいるときに寄り添う姿勢が感じられない。意見する人もいるが、結果的に、意見する人もズレている」など、苦言を呈した。
20日にABEMAで放送された『ABEMA的ニュースショー』に出演した細川氏は、GoToトラベルの一時停止について問われると「世論調査でも国民のおよそ7割から8割が停止すべきと言っている。何よりも大きかったのが内閣支持率が急落したこと。これは菅さんとしてはショックだったはず」と話し、世論に押される形で下された決断であったと指摘。
細川氏の意見に対して舛添氏が「12日の毎日新聞で支持率と不支持率が逆転して支持しないが高くなった。さらにNHKの調査でGoToを止めるべきという人が79%に達した。菅さんは支持率を気にする人だ」と話すと、二階幹事長の存在についても触れた細川氏は「二階さんは観光業界、旅行業界のドンと言われている方。二階さんも推進派。二階さんというのは、菅さんの政権誕生の最大の功労者。二階さんに対する遠慮もあったのでは」と私見を述べ、菅内閣の支持率が急落している現状について「世論と離れている。ガースーですと言ったり、ステーキ屋さんの話もズレている。国民が苦しんでいるときに国民に寄り添う姿勢が感じられない」と苦言を呈した。
その話を聞いたMCの千原ジュニアが「周りにいないんですかね…」と不思議そうにこぼすと、細川氏は「色々と意見する人もいるが、結果的にみると、そういう人たちもズレている」と話し、バッサリと切り捨てた。
細川氏の舌鋒はマスコミにも向けられた。「総裁選挙のときに菅さんが雪深い秋田県のイチゴ農家の出身で、東京で段ボール工場に勤めて、苦労して大学を卒業して、『政治の世界に行かなければ日本は変えられない』と縁もゆかりもない横浜市議会選挙に出て、国会議員に…という叩き上げの苦労人というサクセスストーリーをTV局が頼んでもいないのにバンバン流した。だから発足当初の世論調査では、菅さんを支持する理由で一番多かったのは、『菅さんの人柄が信頼できる』だった」と述べた細川氏は「マスコミが作り上げたという一面もある」とも主張した。
いま総理に求められていることについても言及すると「これというコロナ対策が無く、皮肉にもGoToの一時停止が初めての対策となった。これからは経済をどうしていくのかが菅さんに問われている。国民に寄り添う姿勢も見せなければいけない。ネットの番組に出るのもいいが、ぶら下がりではなく、ちゃんとした記者会見をして、国民に訴えること。説明すること。ぶら下がりでは心に響かない」と要望した。
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