日々、霞が関の省庁を取材する記者が、取材に基づき「霞が関は菅総理が怖い」とする主張を展開。この意見に国際政治学者の舛添要一氏が「官房長官時代にものすごい官僚をコントロールして、気に入らないのは首を飛ばしている。それがそのまま続いているので、おっしゃる通り」と応じる一幕があった。
ABEMAで放送された『ABEMA的ニュースショー』に出演したテレビ朝日経済部の梶川幸司記者は、民間の企業と霞が関の省庁を担当する2つのチームからなる経済部に籍を置いている。
安倍前総理から菅総理に変わり、省庁の幹部に変化を聞いた話として「安倍さんの時よりも今の官邸の方を役人は見ている」と明かすと、「色々な要素があり、私が見ている世界だけかもしれないが」と前置きしたうえで次のように理由を説明した。
「菅さんは直長級の幹部に直接指示を出してくる。デジタルだと平井大臣、規制改革だと河野大臣など、大臣が頑張っているような演出もあるが、その裏では総理自身が直接指示を出しているように霞が関は受け止めていて、人事もそうだが、戦々恐々とした受け止めが安倍前総理のときとは違った形である」
その話を聞いた千原ジュニアの「総理でありながらフットワークが軽いということか」とする投げかけに対して、梶川記者は「官房長官時代のスタイルというものが、総理になっても引き続き続いているような印象を受け止めとして霞が関は見ている」と応じると「逆に言うと、コロナの対応でGoToであるとか、さまざまな後手後手や迷走と言われることもあるが、誰が取り巻きでやっているのか。官邸に20年くらい権限が集中して改革の歴史があり、その下に霞が関が従属するような形になったが、(官邸が)強すぎる結果、取り巻き含めて、いまどのように動いているのか。混乱がどのような形になるのか。お役人は注意をもって見ている」と続けた。
この話に意見を求められた舛添氏は「官房長官時代にものすごい官僚をコントロールして、気に入らないのは首を飛ばしている。それがそのまま続いているので、梶川さんがおっしゃる通り」と話すと「菅総理は一見、暗く見える。明るい笑顔を見せないので、なお怖いのだろう」と私見を述べた。
舛添氏の話を受けて元NHK職員でお笑いジャーナリストのたかまつななは「安倍さんの時は今井さんという秘書官がいて、かなりコントロールしていたという話を聞いた。菅さんにとっての今井さんのような方が今後現れるのか、総理一人で全部はできない。その辺はどうなのか」と疑問を述べると、同じく政治部の大石真依子記者が「この人という人が見えてこないというのが、取材をしていて難しい。最終的に総理が決めてしまう。官房長官のときのスタイルを引きずっているという印象があり、現在の加藤官房長官なり、他の人たちが、かつての菅官房長官のような役割をどれだけやっていけるのか、今後の政権運営を取材する中でも注目だ」と答えた。
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