1年間に行方不明になる人が8万人を超える日本。去年11月3日、福島県いわき市の自宅を出たまま行方不明になった中野けい子さん（当時70）もその一人だ。
・【映像】コロナ禍で姿を消した中野けい子さん（70）を探しています
けい子さんの自宅は、JR湯本駅から車でおよそ10分の距離にある。夫の淳（ゆずる）さんによれば、失踪当日の朝は普段と変わらぬ様子で、一緒に日課だったウォーキングを済ませた後、家の中の片付けをするなどして過ごしていたという。昼食後、午後1時ごろから2人で韓国ドラマを観た後、けい子さんは午後2時ごろから庭で趣味のガーデニングを始めたという。忽然と姿を消したのは、その時だった。淳さんがほんの少し目を離した間の出来事。携帯や財布、保険証など、貴重品は全て置いたままだった。
近所の人たちが周辺を捜索したところ、草刈りをしている人に「常磐はどちらですか？」と尋ねたという証言を得たという。「常磐」とは自宅のある地域。家に帰ろうとしたものの、道に迷った可能性もある。また、自宅から直線距離で1.5km離れた場所にある防犯カメラが捉えた映像には、午後3時18分、赤いカーディガンにスカート姿、荷物を持たず手ぶら、よく見るとサンダを履きで歩いているけい子さんの姿が。
この日の最低気温は12度。夜には雨が降った。翌4日には地元紙「いわき民報」でも報じられ、11月5日午前8時前、防犯カメラの位置から東へ15kmの場所にあるバス停付近でけい子さんに特徴が似た女性の目撃情報、さらに失踪当日の午後8時頃、そこから2km北上した橋で目撃したとの情報も寄せられたという。しかし、付近は海沿いの道で交通量は日中でも少なく、午後8時になれば辺りは真っ暗になる。警察も周辺を捜索したが今のところ手がかりは見つかっていない。
それから2カ月。横浜に暮らす長男・努さんは、「数年前から、ちょっとチンプンカンプンなことを言ったり、私の友達の名前を出しても“うん？”ってなったり。ちょっと認識できてないのかなというような会話が何回かあって、“あれ？”というのを感じていた」と明かす。「もう12月末になってきて、ものすごく寒くなってきているので、とにかくどこか暖かい所で過ごしてくれているというふうに信じている」。
今までに280件を超える行方不明者を発見してきた探偵の姉崎一美氏は、「人里離れた方にわざわざ進んで行っているが、不安の中、ちょっと違うのではないかというご自身としては自宅の方向へ帰っているつもりだったのではないか。2カ月が経つが、どこかで保護され、お元気で暮らしている可能性は十分に考えられる。中には保護された先で通報されないまま、1年、2年と居たケースもある」と話す。
夫の淳さんは「2月には古希のお祝いがある。とにかくみんな待っているんで、無事に帰ってきてくれ」と話していた。けい子さんは身長157cm、中肉中背で左の口元に大きなホクロがある。問い合わせは、福島県警いわき中央警察署（代表電話:0246-26-2121）まで。（ABEMA／『ABEMA Prime』より）
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