コロナ禍で深刻化…若者の貧困問題を解決するには?少子化対策の拡充、教育無償化を
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 2021年最初のABEMANewsBAR橋下』は元旦の2時間スペシャル。「10年後の日本どうする!?会議」と題し、未来のリーダー候補である4人の若手政治家と徹底討論。若者の貧困問題について、激論を交わした。

 まず、母子家庭に育ち中学卒業後は経済的な理由から社会に出た経験のある立憲民主党の中谷一馬衆院議員が、若者の貧困問題について思いを語る。「今はコロナ禍もあって、生活が非常に苦しくなっている若者もいると思う。僕の場合、小学校の時に両親が離婚し、母は女手一つで僕と妹2人を育てた。母が働いても働いても貧困状態だった。現在でもひとり親家庭の80%はお母さんが働いているが、50.8%が貧困状態。これは本人の努力の問題ではなく、制度が不備である証左だ」。

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 その上で中谷議員は「僕自身、月に500時間くらいアルバイトをして、寝るのは学校の机の上みたいな、何やってるんだろうな、という状態が続いていた。そういう苦労はこれからの世代にはさせたくない。だから子育て、教育にかかる費用の基礎的な部分に関してはシンプルに国が責任を持つよ、という状態にすればいいと思っている。少子化対策にかかる予算が5兆円くらいだが、これを10兆円くらいの規模にしたとしても、財政的には回収できると思う」と訴えた。

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 これに対し、自由民主党の小林史明衆議院議員は「“なんでもデジタルかよ”と思われるかもしれないが、情報の格差によって生じてくるものも多々あると思う。私も地元・広島でシングルマザーやシングルファーザーの方々に会うが、困窮するとどうしても情報が入ってきづらくなり、どこで必要な支援策がどこで受けられるのかもわからない。そこをデジタルでマッチングできないか。もう一つは、人手不足の業界、例えばトラックの運転手さんはなり手不足なので、広島県では免許を取ってもらうために奨学金を出している。しかし、その存在が知られていない。こういう資格を取れば年収がいくらになる、といったことが可視化されていないからだ。労働力不足のところに人が行けば経済成長にもつながるので、分配できるお金も増えてくる」とコメント。

 「これから始まるデジタル化で、毎年5000億円が使われている地方のシステムの3割、政府が使っているシステムも、8000億円のうち3割は削減できるといわれている。そうすれば、いきなり3、4000億円のお金が生まれてくる計算になる。それによって回していくということもできるだろう」。

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 公明党の伊佐進一衆議院議員は「よく若者の貧困問題の話をすると、先輩方や年配の方々は“我々だって昔は貧しかったけど、一生懸命頑張ってここまで来たんだ。若者も頑張れ”と言われる。しかし、そのような努力ができた背景には、例えば企業における終身雇用や年功序列、福利厚生、あるいは奥さんが家庭にいて夫をずっと支えるといった構造があった。こういうものが失われてしまっているにも関わらず、今の社会保障とか雇用政策というのは、そういう伝統的な家庭観やモデル家庭みたいなものをターゲットにした支援が多い。そうではなく、どのようなライフスタイルであったとしても受けられる雇用支援、社会保障制度が必要だ」と指摘した。

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 また、中谷議員と同じ立憲民主党の関健一郎衆院議員は「大学までコストゼロ。ベーシックサービスとして、受けたいと思えば教育が受けられるということが第一歩ではないか」とした。

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 橋下氏は「生まれてから大学を卒業するまでは教育費無償というのはぜひ実現してもらいたい。その安心感が持てれば、貧困の問題だけじゃなくて少子化問題も含めて大きく変わると思う。“こっちにお金を使うのが優先だ”という若い世代の声が大きくなれば実現できる範囲だ。もちろん、単純に無償化してしまうと経営難の大学を救うだけになるという意見もあるので、仕組みは考えないと。たとえばクーポン制度みたいにすれば、受験生が集まらない学校は淘汰され、800ある大学が全て生き残るということにはならないと思う。それから、国ばかりがお金を手当するといったら大変なので、自治体にやらせることも必要だ。大阪では私立の高校の無償化を初めてやったが、これも自治体の改革の中で予算を生み出せた」と話していた。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)

橋下徹×未来リーダー!10年後の日本どうする!?会議
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