トランプ前大統領が2024年の大統領選に独立して再出馬?!「簡単には出ないと思うし、勝つのは容易なことではない」理由
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 退任にあたりビデオメッセージを発表したトランプ前大統領。家族や政権スタッフへの感謝の言葉の後、減税や経済政策、新型コロナウイルスへの対応など、この4年間の実績を強調した上で、「今週新しい政権が発足する。次期政権のもとで、アメリカが安全かつ繁栄した国になることを祈る」と、バイデン新大統領へのエールも送った。

・【映像】トランプ氏返り咲きの可能性は…?酒井教授による解説

トランプ前大統領が2024年の大統領選に独立して再出馬?!「簡単には出ないと思うし、勝つのは容易なことではない」理由
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 とはいえ、ついに敗北宣言を出さず、大統領就任式も欠席。ビデオメッセージの中でも「次期政権に受け渡すことになるが、我々がはじめた運動は始まりに過ぎない」と意味深長な発言をしていることから、2024年の次期大統領選に、再び出馬する意向なのではないかとの見方もある。

 敗れはしたものの、大統領選挙では7400万票を獲得。6日には過激な支持者たちによる議事堂への乱入事件も発生しており、今もアメリカ国内には熱烈な期待があることも伺わせる。事実、ある支持者は「彼が勝つ姿を見たかったが勝てなかった。でも、2024年に機会は巡ってくる。彼は再出馬するだろう」と期待を口にした。

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 トランプ氏が“愛国者党”を設立、次期大統領選を目指すとの見方について中部大学経営情報学部の酒井吉廣教授は「簡単には出ないと思うし、第三極から出て勝つというのも容易なことではない」と指摘する。

 「まず、議会が民主党と共和党である以上、政権運営はなかなかうまくいかない。バランスをとって行動する政治家であればあるほど付いていかない。今回もブルームバーグ氏が独立して出ようとしたが無理で、民主党から出て、そして敗けた。クリントン氏が勝った1992年の大統領選に独立して出たロス・ペロー氏も、かなりのお金と人員を使ったが、取れた票は2割にも満たなかった。これからの4年間、トランプ氏、あるいは営の人たちがそれだけ膨大なお金と、膨大な人員を使って選挙活動をどこまで続けられるかどうか。支援者たちだって、勝った場合の自分へのメリットを考えて行動する。トランプ氏の気持ちとしてはやりたいのだろうが、かなり難しいと思う」との見方を示す。

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 では、前回の大統領選では最終的にトランプ氏に乗ることになった共和党はどう動くのだろうか。

 「トランプ氏が話題に出てきたのは2015年の今頃だったが、当時は泡沫候補と言われていた。それでも予備選であれよあれよと勝っていった背景には、副大統領としてオバマ氏に代わって立候補していたバイデン氏の長男がこの年の5月に亡くなったことなどがある。これがなければ、民主党が勝っていたはずだ。逆に言えば、本当の意味で勝ちかどうかが分からない、ギリギリの勝ち方だったと言える。共和党が考えた勝因は、トランプ氏の常識破りの言動や、“忘れられた人々”と言われた白人労働者たちに焦点を当てた政策があったから、ということだった。そして、今回トランプ氏が敗けたのは、もう一方の“忘れられた人々”、マイノリティの黒人たちの勢いが大きくなったことだと思う。その時々で強い人に引っ張られるというのが共和党だが、トランプ氏が7000万票以上を取ったとはいえ、国内の政治状況を考えれば次回は戦略をチューニングせざるを得ないと思う。それはつまり、“脱トランプ”ということだ。加えて、今回の大統領選挙をしっかりと終わらせて次に向かう、という姿勢を示さない限り共和党に勝ちはないと思う」。

 さらに酒井氏は「重要なことは、トランプ大統領の政策として続くものもあるが、それをトランプ大統領がやるというのは別だということだ。バイデン政権の経済政策がどうなるかだが、彼は再統合、分断の解消を訴えているし、トランプ氏が手を差し伸べたブルーカラーの白人たちを切って捨てる政策は取らないはずだ。ましてやコロナの大変な状況の中で、1.9兆ドルの景気対策パッケージを出している。うまくいけば4年後もバイデン政権は勝てると思うし、今回トランプ氏に投票した人たちが次回もトランプ氏に、となるとは限らないと思う」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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