「激しく抵抗すべきだったのに、なぜここで立憲民主党は賛成するのか」新型コロナ関連法改正案に橋下氏が苦言
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 1月30日のABEMANewsBAR橋下』に、新型コロナウイルスに感染、入院した経験も持つ立憲民主党の小川淳也衆議院議員が生出演。国会で焦点となっているコロナ関連法の改正案について意見を戦わせた。

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 放送の前日(29日)から始まった国会での審議を経て、2月3日に成立した改正案。

与野党の幹事長による会談の末、刑事罰については全て削除して、行政罰の過料についても大幅に引き下げることで合意した。特措法の改正案では都道府県知事の時短営業の命令などに従わない事業者については50万円以下の過料としていたものを30万円以下の過料に修正し、緊急事態宣言前の場合は20万円以下の過料を科すことにした。

 また、感染症法改正案に盛り込まれていた、入院を拒否した場合の罰則については刑事罰を削除し、50万円以下の過料とした。

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小川:ここは橋下さんと意見が分かれるところかもしれないが、我々野党の側としては、まず入院環境を整えてくれよと。何千人もの人が入院できずに不安を抱えているのに、拒否したら罰則。しかも最初は懲役だった。冗談かよ、という気持ちで、かなり抵抗した。営業自粛要請についても、違反したら罰則という話になっているが、その前にちゃんと補償してくれよと。それが十分じゃないないから、店を開けざるを得ないケースもあるわけで。過料は残ったが、懲役は撤回させた。野党内でも評価は分かれるかもしれないが、半歩は前進したと思っている。

橋下:もともと僕は罰則が必要だということを言ってきた立場だけれど、ここで立憲民主党が賛成しちゃうというのは残念だった。補償のあり方をしっかり議論してもらうというのが、今回の特措法改正の一番のポイントだったはずだから。

ここで言う罰則というのは何かというと、いわば補償を導き出すための方便というか、便法。今までの休業のお願いは、従うも従わないも自由。だから補償はありませんよと。もちろん、予算で支援金や協力金などは出しているが、これを法律上明記させようと思ったら、強制的な休業じゃないといけないわけで、その強制性を裏付けるための罰則であったはずなのに、罰則の程度が焦点になってしまった。お店の立場としては、それが20万円だろうが30万円だろうが、“払って店を開けた方がかえって利益になる”と思えば、無視するお店も出てくるはずだ。だから本来は罰則を付けて強制的なものにした以上、補償をどうするかということの議論をしっかりとすべきだった。

だから罰則を緩くしたから賛成、というのは違うと思う。法律では“支援を講じる”ということにしかなってないし、具体的にはどうするのか。政府がこれから国会で答弁するとか言ってるけど、この一番難しいところを議論し、明確にさせないままなら、特措法はやっぱり“クソ法律”のままだと思う。

小川:我々に頂いている批判は、まさにその点だ。あえて言うが、この程度の妥協で賛成していいのか、という思いはある。橋下さんがおっしゃった通り、どういう補償にするのか、それを与野党の修正協議で法律に書き込めるのが一番良かった。

今は1日あたり6万円、30日間で180万円の給付なので、小さなお店にとっては十分な額だ。一方で、大きなお店はとてもやっていけない。サイゼリヤの記者会見が話題になったが、ましてや大企業は全く対象外だ。やっぱり規模に応じた補償を、というのが私の主張でもあるので、できるだけ具体化したい。

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橋下:立憲民主党に限らず国民民主党も維新もそうだが、野党が強くならないと二大政党制にならないので頑張ってもらいたいが、立憲民主党がよく分からないのは、肝心な時に国民の感覚をうまくすくい上げられていないところ。

僕も特措法についてはテレビ番組で福山幹事長に話をしたし、実際に福山さんが動かれたことも間違いないんだけど、法案の提出は本当に年末のギリギリ。そのあたりが遅かったんじゃないのかなと思う。それから、菅さんに対する蓮舫さんのような攻め方も、国民には受けないと思う。これまでの、これは賛成したらいいのにというところはガンガン反対していいたのに、特措法では、これこそまさに反対しないといけないところで賛成するとか、誰が、どういう感覚でやってるのかがさっぱり分からない。

これまで国民がもっと特措法の話をしてくれと思っていたのに、桜を見る会とかの追及に明け暮れていた。それも必要だけれど、国民からすると、そればっかりでいいのかよ、と思われてしまったと思う。今こそ頑張れと国民が思っているのにスッと賛成するって、おかしくない?

小川:その点は本当に気をつけないといけないところ。本当に世論を帆に受けているのかと。その感覚が鈍ったら、やっぱり政治集団としては死を意味する。橋下さんがおっしゃったことはすごく気をつけないといけない。

私としては不本意だったが、12月2日に国会に提出した改正案の主な中身は、補償の拡大と検査の拡大で、罰則は議論すらしていなかった。同時に国会の延長を要求したが、与党が国会を閉めてしまい、今月18日まで開かれなかった。年末年始を挟んだこの間に感染が急拡大した。私が上司の色々な判断を見ている限りでは、事ここに至っては、1日も早く成立に協力する責任が野党にもあるだろうと気持ちが先行しているんだと思う

去年の春、コロナで緊急事態宣言を出せるようにした特措法の改正に賛成した時も、“安倍さんに緊急事態宣言をやらせるのか”ということで、野党支持層から批判の声が上がった。あの時も空気を読み違えると大変なことになるなと思っていた。やはり私の上司も含めて、常に与党側とは水面下で協議をしているわけだが、それを一所懸命にやりすぎると、外の空気が分からなくなるというジレンマがあるような気がする。

橋下:去年3月の段階の特措法改正は“お願いベース“だったし、結局は私権制限にならないというのがよく分かったと思う。だからあの時だって、別に抵抗する必要はなかった。それなのに抵抗した。今回こそ、補償がないお店にえらいことになる。逆に小さいお店にとっては1日6万円が利益なりすぎる事になっている。公平にするための計算方法を定めるのはすごくしんどいことだけど、これを完成させないことには特措法の意味がないと思う。

小川:“協力金バブル“と言われていますからね。最大の課題だと思っています。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)

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