8日深夜、『スピードワゴンの月曜The NIGHT』(ABEMA)が放送され、怪談師の竹内義和が身も凍る恐怖の怪談を披露した。
▶︎動画:古道具屋が仕入れた婚礼布団、解体するとその中には… 背筋が凍る昭和初期の怪談
この日は「古事記からクラブハウスまで オモシロ怖い! 怪談の進化論SP」と題して、ゲストに竹内、朱雀門出、事故物件住みます芸人の松原タニシをゲストに招き、怪談の歴史を紐解いていった。
子どものときに母親から怪談を聞いてトラウマになってしまったという竹内は「いっとう(一番)怖かった話」を披露。
母親が若かった終戦間もないころに「布団」という怪談があったという。舞台は昭和初期で、当時繁盛をしていた古道具屋を営んでいた主人が「もっとうちのお店を大きくするぞ」と婚礼布団を購入。当時の布団と言えばひと財産で、現在に換算すると200~300万円の価値があるものだった。
掛け布団と敷布団のセットを20~30万円で仕入れて100万の値段で販売することになり「絶対に売れるだろう」と主人は自信を持っていたが、なぜか布団を仕入れた瞬間から店の空気が一変。店内には「妙な湿気」が漂い、常に柱や壁が結露するようなジメジメした状態になり、同時に客足も遠のいていった。
その後も店の従業員が怪我をした結果、指を切断するといった不運な事故も起こるようになり、主人は「祟られているのではないか?」と思ったものの、布団については「祟りがある」と言われたくないことから、売れなくても来年春に結婚する息子に使うと決めていたという。
ある日、仕入れのため主人が店を留守に。家族が早めに店を閉めていると店の外から高下駄の音が近づき、玄関を「ドドドン!」と叩く音が響く。主人の妻が出ると、和装で日本髪を結った美しい芸者が立っており、「旦那さんがすぐ戻ってきますから」と告げて立ち去った。芸者の言う通り主人はその後帰ってきたが、妻は芸者の美しすぎる容姿と下半身が血まみれだったことに恐怖。その出来事のあと、店にはピタッと客が来なくなってしまう。
翌年に長男は結婚することになり、新婚初夜に布団を敷いたところ新妻は逃走。新妻によると夜中に起きると布団の隅にいた芸者が恐ろしい形相でにらんでいたのだとか。以降、長男の家ではたびたび芸者の姿を見るようになった。
さすがに「なにか祟りがあるのではないか」となったが、今後は主人の妻が「そんな布団でみんながゴチャゴチャ言うのであれば、この布団は私がもらう」と引き取ることに。すると今度は妻があくる日に、布団から一番離れた壁に、指を突き立てた状態で絶命。まるで布団から出てきた「なにか」に追いつめられるかのようだったという。
「この布団になにかある」と、主人と長男は布団を解体。すると敷布団から干からびた女性の5本指とくり抜かれた局部が出現。「ああ、これだ」と有名なお寺に預けてお祈りをしてもらったところ、今度はそのお寺が一晩で焼失してしまった、という話だった。
スピードワゴンの2人は口々に「コワ……」と戦慄したが、竹内は「これが『オール讀物』という雑誌に載っていた怪談」と、創作怪談だとして「でも、すごく実話っぽい書き方の怪談。こういう話が実話怪談の原点になっていると思っている」と解説をした。