「もう開催しないということなら誰だっていい」森会長の後任人事めぐり辛坊治郎氏&橋下徹氏
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 13日のABEMANewsBAR橋下』にキャスターの辛坊治郎氏がゲスト出演。女性蔑視発言で辞任に追い込まれた森喜朗氏の後任人事について橋下徹氏と語り合った。

■橋下氏「トップは東京都知事なんだから…」

辛坊:私は早い段階から、森さんは退場せざるを得ないなと感じていた。IOCの収入の約7割は、アメリカのNBCテレビが払っている放映権料だといわれている。NBCの立場に立てば、あの発言をした会長がこれから開かれるであろうセレモニーに顔を出し、挨拶をするというのは耐えられない、勘弁してくれ、マイナスイメージになるような人間じゃなくていいだろう、となるだろう。この単独で最大のスポンサーのパワーが働けば、辞めざるを得ないよねということだ。その意味では、もっと早くから“これはちょっと持たない”という話をする人が周りにいなかったのかと思う。

橋下:そもそも主催者は東京都なのに、組織委員会が出しゃばりすぎていたと思う。猪瀬直樹さんが都知事だった頃、組織委員会の会長とどっちが上なんだ、ということで物凄いバトルがあった。小池さんが都知事になってからも、経費削減の問題で森さんとバトルを演じた。主催者が東京都なんだから、トップも表に出るのも都知事じゃないか、この仕組みはおかしいと言ってきたが、実態はそうではなかった。組織委員会というのは実務部隊なんだから、あくまでも裏方として大会を実行することに力を発揮すればいいのに。

辛坊:猪瀬さんは森さんが大嫌いだったから。オリンピック招致にも成功したし、トップは東京都知事なんだから、もう役割は終わり。こんなややこしいおっさんを組織委員会の会長に置いておくのは嫌だと、クビを切りにかかった。そうしたら、“ただで済むと思うなよ”と言ったという話があって、それから何が起きたかといえば、猪瀬さんがスキャンダルで辞任することになった。少なくとも時系列はそうだし、表に出ている情報を総合すると、これは客観的事実に整合する話

橋下:もちろん、森さんは色々と尽力をされた。石原慎太郎さんにもオリンピックの世界は大変だと聞いたことがある。例えばIOCの人たちが東京に来る時は一流ホテルに泊まらせないといけない。僕が東京に来るときに定宿にしているホテルも組織委員会が借り上げるという話も聞いた。こんな所にみんなで滞在するの?という。そういうところ変えようと、森さんが一生懸命にやっていたことは間違いない。

■辛坊氏「力はないよね、という人で試してみてもいい」

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橋下:そして気になるのが、これから森さんの力を借りずに裏の実務ができるのかということ。世間は森さんを代えて、川淵さんもダメだと。ちゃんとプロセスを踏まないといけないのは分かるんだけど、ただ、外からポコンと入った人が5000人規模の組織をあと3カ月、4カ月と切り回しするのは現実離れしていると思う。

辛坊:“この人がいないとこの組織は回らないから置いておかないといけない”という、何となくのコンセンサスでいる人がいるが、本当にその人でなければ組織が回らないのかどうか、その試金石になる。森さんも、そういう“神話”のようになっているところがあって、“他の人じゃ無理だよね”とみんなが思っている。しかし、他の人が会長になったら、本当に組織委員会がデッドロックに乗り上げるのかどうなのか。最悪、大会そのものが飛んでしまう可能性もあるが、世論調査の結果を見ても、多くの人は別に今年やらなくてもいいと考えている。そうだとしたら、いっぺん“どう考えてもこの人に力はないよね”とみんなが思う人で試してみてもいいと思う。

やっぱり下部組織が実働部隊として動くわけだから、そこで細かなトラブルが起きた時に、“いや、森さんがこう言っているから”とか、“森さんの意向はこうだ”とか、本当か嘘か分からなくても、名前を出すことがカードとして使えるという重みはあったんだけど。

橋下:トップが誰であったとしても役人、事務方の力で動いていくというのは、政治、行政の世界も同じだ。今回、組織委員会の危機管理は本当にお粗末極まりないと思ったが、それでもオリンピック・パラリンピックという巨大事業の大変な準備作業をここまでやってきた事務局の力はすごい。事務局長の武藤さんは元財務省の事務次官を務めた人だが、役所も知事、市長がどんなにアンポンタンでも回っていく。でも、最後の一手のところが必要になった時にアンポンタンのトップではいけない。

ただ辛坊さんが言うように、もう開催しないという話だったら、組織が動かなくても、最後の一手が無くてもいいわけで、もう誰でもいい。止めるという判断の責任を負わされることにはなるけれど、国民の多くが止めてもいいや、という雰囲気だから逆に、半ば強引にでも進めていこうということなら、それなりの力がある人が最後の一手を使わないと突破できないところもいっぱい出てくると思う。(ABEMA/『NewsBAR橋下』より)

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