「全ての差別を撲滅するというオリンピック憲章をしっかり認識いただきたい」“森会長の後任に橋本聖子五輪相”報道にIOC委員の渡辺守成氏
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 16日の『ABEMA Prime』に、国際体操連盟会長でIOC(国際オリンピック委員会)委員の渡辺守成氏が生出演、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長の女性蔑視発言について「やはり容認できない」とコメントした。

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「全ての差別を撲滅するというオリンピック憲章をしっかり認識いただきたい」“森会長の後任に橋本聖子五輪相”報道にIOC委員の渡辺守成氏
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 IOCの中でも、女性の地位向上に向けた取り組みを進める「女性とスポーツの委員会」のメンバーでもある渡辺氏。「この7年間、森会長が何をやられていたかは私もよく存じ上げている。それはオリンピックのことだけではなく、日本、世界のスポーツに相当な貢献をされてきた。そういうこともあり、森会長はIOC、世界のスポーツ界ですごく慕われていた。それでも世界の流れからして、あの発言は許されるべきではないというのが共通認識。非常に残念だなというのが、みなさんの正直な意見だ。森会長は東京大会について“正しいオリンピックの形を世界に見せてやるんだ”というようなことも仰られていた。私としても非常に残念だ」と胸中を明かした。

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 お笑いタレントのパックンは「おそらく森さんは冗談のつもりで言ったのだろうし、それを笑った方々も“間違ったことを言っているとは思うけど、力関係もあるから口には出せない”と考えていたのかもしれない。ただし、女性理事の40%以上にする、という目標に反対する姿勢は問題だし、意味がわからないし、もっとそこに注目すべきではないか」と指摘すると、渡辺は次のような見方を示した。

 「僕は国際体操連盟の会長に就任してすぐ規約を変更した。次の選挙から導入されるが、女性比率を最低30%以上にするように定めているが、実際は50%を超えることになる。その上で言わせていただくと、これは組織委員会だけの問題ではなく、日本全体の問題だ。スイスに行った時、“渡辺、日本はおかしいよね”と言われた。“みんなが同じ紺のスーツを着て、ネクタイをして、誰かが喋るとみんなでメモをして。そして、そこには女性もいなければ外国人もいない。オリンピックという国際大会をやるのに、外国人がいない大会ってどうなっているんだ”と。これはどこの団体に行っても、どこの企業に行ってもそうではないか。つまり海外の人たちは、組織委員会の会長だけ変えればいいとか、理事の割合を変ればいいとか、そんなことは考えていない。今回の森会長の発言を機に、日本が変われるのか、ちゃんと証明しろよと、世界がものすごく厳しい目で見ている。ここできちんとやらなかったら日本には将来がないと思う」。

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 組織委員会の候補者検討委員会は、森会長の後任に橋本聖子五輪担当相を推すことで一本化、本人も応諾する意向であることが報じられている。

 渡辺氏は「橋本さんのことはよく存じ上げている。オリンピアンとして大変すばらしい実績もあるし、オリンピックのこともよく知っている方だ。ただしオリンピック憲章には、全ての差別を撲滅し、選手を守っていくということが謳われている。そのことはしっかりと認識していただきたいと思う」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

"新会長" 橋本大臣で一本化 五輪開催は?国際体操連盟渡辺会長に聞く(12:25~)
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