ロシア・バイカル湖の湖畔に住む、リュボフ・モレホドワさん、79歳。腰が少し曲がってきたが、ロシアの中でも寒さが厳しいこの地で、牛や犬、猫とともに静かに暮らしている。
「バイカル湖は本当に素晴らしい。手つかずの大自然なんです」(リュボフさん)
その愛する湖に氷が張る季節になると、リュボフさんは“氷上のシンデレラ”に変身する。年季の入ったスケート靴でゆっくり滑り出すと、広大な自然のスケートリンクを風ととともに疾走。誰に彼女を止める権利があるのだろうか。
幼い頃は、学校に通うためにスケーティング。もう幼くない今では、飼っている牛たちを追ったり呼び寄せたりするためにスケーティング。リュボフさんにとってスケートの技術は、人生と切っても切り離せないものなのだ。
「なぜ(スケートが)好きかって? 心がそう願っているからよ。そうでしょ? 暮らしも自然も、全て愛しています。人も愛しています。何よりも人でしょうかね」(同)
極寒の厳しい環境でも、生まれ育った土地を愛しているというリュボフさん。彼女の「リュボフ」という名は、ロシア語で「愛」という意味なのだそうだ。
(ABEMA/『ABEMA Morning』より)