「今の時代、誰もこんな接待は受けていない。しかし総理の長男の誘いは断れない。それが今の霞が関だ」総務官僚時代に放送行政にも携わった小西洋之議員
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 BS・CS放送を手掛け、スターチャンネルなどの子会社を持つ東北新社に勤務していることから「利害関係者」にあたるとされる自身の長男が関係した接待の問題で、菅総理はきのう、「私の長男が関係して、結果的に公務員倫理法に違反する行為をすることになった。このことについては心からお詫び申し上げ、大変申し訳なく思う」と陳謝した。

・【映像】小西議員が指摘する菅総理長男の「接待」の特殊性

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 きのう総務省が明らかにした調査報告では、12人の職員が、のべ38件の会食に東北新社の負担で参加していたことが明らかになった。中には現在は内閣広報官として菅総理の記者会見を仕切る山田真貴子氏(会食した当時は総務審議官)の名前もあり、立憲民主党の辻元清美衆議院議員は「一番単価が高かったのが山田さんでした。7万4203円の会食をしていたと。どんなとこ行ってんねやろね。びっくりしたわ」とコメントしている。

■「官僚たちが供応接待を自ら受けるはずはない」

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 1998年に旧郵政省に入省、退官時には総務省で情報流通行政局衛星・地域放送課課長補佐を務めていた立憲民主党の小西洋之参議院議員は「私が総務省にいた12年間、こんな供応接待は聞いたことがないし、今の霞が関でもやっていないと思う。菅総理の息子さんでなければ起き得なかった、昭和のような大事件だ」と話す。

 「1998年に大蔵省接待汚職事件が起き、2011年には国家公務員倫理法というのができて、供応接待は全面的に禁止され処分の対象となった。もちろん業界の方とは良い意味で仲良くするし、懇親会にも参加する。しかし全てを割り勘にするのがルールだし、度を越したものはダメだ。割り勘でも、一人1万円以上の場合は報告義務がある。だからお誘いをいただいた官僚は常に警戒する。例えば私もNHKさんの国会担当の方のお誘いを受け、事前に“絶対に割り勘ですよ”と申し上げていたのに、実際には“いや、今日は…”と言って聞かないということがあった。“法律に基づいて対応しますから”と言って職場に報告し、最終的には割り勘にした。そういうことは企業の皆さんも知っているはずだし、特に許認可事業である放送業界の人が知らないわけがない。

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 ところが、“割り勘で”と言うと“なんだお前、俺の顔を潰すのか”というのが永田町的な感覚でもある。つまり菅総理の息子さんが奢ると言っているのに“割り勘で…”とは、官僚は言えない。後で半額を戻そうとしても、そういうことをする政治家の息子さんからのお声がけであれば、官僚としては断れない。かつての上司だからかばうわけではないが、今回名前が挙がった4人の幹部のうち、2人は私の元上司だ。能力的にも人間的にも本当に尊敬しているし、供応接待を自ら受けるはずはないと思う。しかし内閣人事局が強権的に人事権を振るっているし、菅総理は総務大臣時代、私もいた放送政策課の筆頭課長を更迭もしている。そういうことをする政治家の息子さんからおのお声がけであれば、官僚としては断れない。そういう霞が関になってしまっているということだ」。

■「審議官以上の会合の“長男率”は約80%」

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 さらに小西議員は「菅総理の息子さんでなければあり得ないという根拠は、総務省が22日に公表した資料からわかる」と指摘する。

 「菅総理の息子さんは部長クラスの方だが、そうであれば総務省の最高幹部である審議官以上の官僚がサシで会うなんて、あり得ない。現時点での調査結果を見ると、名前が挙がっている4名がいる会の“長男率”は約80%だ。逆に、それ以外の会には25%くらい。つまり菅総理の息子さんは、まさに社長などが最高幹部に会うために使われていたと考えられる。私は官僚時代の半分ぐらいは放送行政に携わっていて、特に衛星放送の許認可の担当者としては係長時代と課長補佐時代の2度担当している。まだ国会でも明らかになっていないが、かつて私も担当した業界なのであえて言う。贈賄の罪に問われる危険もあるにも関わらずこのような供応接待を繰り返していたということは、何かがあるはずだ。はっきり言うが、東北新社および東北新社メディアサービス側も何のためにやっていたことなのか、説明する責任がある。

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 名前の出ている官僚たちは、誇りを持って日本の行政を引っ張ろうと頑張っている立派な方々だ。自らそんな所に喜んで行く方はいらっしゃらないはずだし、無念で悔しい思いで供応接待に応じていたのだと思う。そういう方々を、ああいう場に落とし込んでしまった責任は重い。また、菅総理の息子さんは、菅総理が総務大臣時代に政務秘書官も務めている。だから“別人格だ”と言う説明も、筋が通らないと私は思う。まさに第二次安倍政権以降でなければなかったような違法状態で、端的にこれは政治の責任だ」。

■「他のメディアや野党は何をやっているんだ」「官僚になりたいという若者がいなくなってしまう」

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 立憲民主党の奥野総一郎衆議院議員に「これでも放送行政がゆがんでないと言い切れるか」と質された武田総務大臣は「行政がゆがめられた事実は確認されていない」と答弁している。

 カンニング竹山は「ここ数年、こういう政治の問題が出てくるのは『週刊文春』のスクープ報道ばかり。他のメディアや野党は何をやっているんだと感じる」、ジャーナリストの堀潤氏は「こんなことばかり繰り返していたら、官僚になりたいという若者がいなくなってしまう」とコメントした。

 小西議員は「遅い時間まで誇りを持って働いている、私の後輩にあたる若い官僚たち、あるいはかつてお世話になった先輩や同僚に対しては、本当に政治家の一人として申し訳ない。今は国家の最大の課題がコロナだが、それも行政が歪んでいれば正しい対策はできない。それも含めて行政を正すという意味で、私も参議院でこの問題を扱う。ぜひ参議院の底力というのを見ていただければ」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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