警察とビジネスパートナーが共犯だった!フィリピンで濡れ衣を着せられ収監、極貧生活を送る芸能プロダクション元オーナー
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 海外で暮らす日本人が過去最高の140万人を突破する一方、在外公館がトラブルに遭遇した日本人を援護した件数は年間2万件に上っている。

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 3年前まで人気アイドルグループ「恵比寿マスカッツ」の中心メンバーも所属する芸能事務所のオーナーを務めていた中村治久さん(55)は3年前、タレントの発掘・育成のため3週間の予定で訪れたフィリピンの首都マニラで犯罪被害に遭い、刑務所に収監されるという経験をした。

 宿泊場所を執拗に尋ねるなど、当初から不審な動きを見せていたという現地のビジネスパートナーとの商談を終えた後のことだった。「15名ほどの警察官がいきなり部屋に入ってきて“部屋から違法薬物が見つかった、お前のだろう”と、私に見せてきた」。

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 実はビジネスパートナーと警察がグルになった「セットアップ」と呼ばれる犯罪で、中村さんは所持金や腕時計など、総額500万円以上を奪われてしまった。

 「推測だが、フィリピンに行く10日から1週間前くらいに、チケットと一緒に札束の写真をFacebookに載せてしまった。公開設定をパブリックにしていたので、ビジネスパートナーがそれを見て近づいてきたのかもしれない。私の平和ボケだ」。

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 フィリピン移住支援のコンサルティング業務を行う村田大輔さんによれば、「警察や役人が関与していることが多く、数年前までは空港職員や税関がグルになり、荷物の中に銃弾を忍ばせて手荷物検査で引っかけ、“金払ってくれたら逃がしてあげるよ”と言う“銃弾セットアップ”が非常に流行っていた。こうした犯罪で痛い思いをした日本人はかなり多い」と話す。

 「違法薬物所持」「営利売買」という濡れ衣を着せられた中村さん。日本側は現地の司法手続きに介入することはできず、刑務所に収監されてしまった。

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 日本とは異なる、想像を絶する獄中生活。英語は多少話せる程度だったというが、エンターテインメントの世界で生きてきた中村さんは、覚えていたフィリピンの歌を歌い、笑わせることで周囲に溶け込み、“メイオール”と呼ばれる雑居房のボスにお金を払うことで、受刑者による自治システムの過酷な環境を生き抜いた。「メイオールは“ハル、これよかったら食べろよ”と心配してくれるようになった。フレンドリーになる作戦の結果、本当に何十年も友達だったかのような雰囲気、環境になれた」。

 そんな刑務所暮らしが半年ほど続いていた2019年1月、違法薬物の売買の罪名が消え、保釈が許可された。ガードマンの証言などから、警察の違法捜査があったことが認められ、8月には無罪判決も勝ち取った。

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 しかし、直ちに帰国することは叶わなかった。「超過日数の滞在費用をフィリピンの入国管理局に払わないとけいけなくなった。拘留や裁判の期間までもがオーバーステイ扱いとされ、日本円で50万円ほどを支払わなければ、出国ができない状態になってしまったのだ。

 日本にいる頃はタワマンに住み、高級車を乗り回す生活を送っていたのが、出所後は野宿も経験した。「定食屋のおばちゃんに“お水下さい”って頼んだことも」。今も食事は日本円で80円ほどの格安定食を1日1回だけ、住処は1泊500円という格安宿泊施設の相部屋だ。

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 今月、日本にいる支援者のおかげで資金の工面ができ、およそ2年7カ月ぶりに日本の土を踏んだ中村さん。「2016年から3000万近くをフィリピンに投資してきた。非常に悔しい思いでいっぱいだし、トラウマもある。でも、中途半端が嫌いな性格でもある。もし再びビジネスパートナーができたら、今回の体験を教訓にして、フィリピンの貧困地域から世界で通用するようなアイドル、スターを育て上げたい」と話していた。(ABEMA/『ABEMA Prime』より)

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