アニメ「かぐや様」イベントスタッフ座談会「秀知院音楽譚」を見て3期に備えよ！

　シリーズ累計1400万部突破した大人気漫画「かぐや様は告らせたい～天才たちの恋愛頭脳戦～」（原作・赤坂アカ氏）。秀知院学園の生徒会長・白銀御行と副会長・四宮かぐやが、互いに惹かれ合いながらも「いかに相手に告白させるか」と翻弄する新感覚“頭脳戦”ラブコメディだ。

　テレビアニメも2019年の第1期に引き続き、2020年4月より第2期にあたる「かぐや様は告らせたい？～天才たちの恋愛頭脳戦～」が放送され、同年10月にはスペシャルイベントとして開催された「かぐや様は告らせたい on Stage～秀知院音楽譚～」にて第3期の制作やOVAの発売が発表された。

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　今回ABEMA TIMESでは、スペシャルイベント「かぐや様は告らせたい on Stage～秀知院音楽譚～」にまつわるインタビューを実施。作品プロデューサーの石川達也(アニプレックス)さん、宣伝＆イベントプロデューサーの田中瑛(アニプレックス)さん、イベントの舞台監督＆美術・演出を手掛けたアズムプロダクション所属の森岡利之さん、横山亜耶美さんの4人の座談会をお届けする形式でインタビューを実施。

　第2弾では大盛況の中で幕を下ろした本イベントへの思いや、アニメ第2期のラストで描かれた“伏線”の謎について聞いた。

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ABEMA TIMES

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▲左から田中さん、石川さん、森岡さん、横山さん

――　イベントの脚本は赤坂先生が自ら担当されたと伺いました。

石川：最初、僕としては「一部分をやっていただければ御の字かな」とか思っていたんです。特に「かぐや様」のイベントは、従来のアニメイベントで比較的多く行われるゲームコーナーや振り返りトークなどは控えて、本編に沿った内容にしたかったんです。

その旨を赤坂先生に伝えたところ、「一部分だけでなく、お任せいただけるのであれば全体の構成を考えさせていただけませんでしょうか？」という力強い返事が返ってきて。僕たちだけで考案すると、各所の負担を考えてブレーキを踏む場面もあるのですが、赤坂先生が作品に対してマックスで執筆いただいたので、我々はそれをどのように実現するかっていうことに注力しました。あのイベントのアイデアは赤坂先生にしかできません。

――　赤坂先生の人柄について教えてください。

石川：ユーザー肌というか、ファンの方々と近い感覚を持っている方だと思います。非常にクレバーで、それでいてドラマを作り出せるクリエイティブさや作家性、遊び心もある方だと思います。

先生も仰ってましたが、イベントは「かぐや様」のスピンオフの一つではなくて、2期と3期の中間のエピソードにあたります。「かぐや様」の歴史年表を作ったときに、必ず入るものなんです。そういった作り方をされるのも、赤坂先生ならではという感じでしょうかね。

森岡：確かに。文化祭の話とか出てきたから3期とかに繋がるのかなと思っていました。

田中：今回の「秀知院音楽譚」を見ないと、物語は完結しないってことですね。

―― 音楽面では、1期2期共に鈴木雅之さんがオープニング主題歌を担当して話題になりました。

石川：他の取材でもお話したことではありますが、「かぐや様」ってラブコメ作品じゃないですか。それで「ラブコメの主題歌だから、ラブソングがいいな」って思ったので、「ラブソングの王様って誰だろう？」って考えたら鈴木雅之さんしかいないと思って。同じソニーミュージックグループなので、担当を介して伺ってみたところ、快くお引き受けいただきました。楽曲制作に関しては鈴木雅之さんと楽曲プロデュースを担当していただいた本間昭光さん、作詞作曲は水野良樹（いきものがかり）さんに担当していただきました。

――　イベント当日の鈴木雅之さんはどんな感じでしたか？

石川：本当にプロフェッショナルな方でした。ステージに立ってこられた場数が違うというか、誰よりも職人で誰よりもアーティストでした。リハーサルも丁寧にやってくださって、とてもスピーディーでしたし、拍手や楽曲の入りの混ぜ方とか、本当にパーフェクトでしたよね。

森岡：そうですね。「こんな感じにお願いします」とお願いしたら、すぐ意図を汲み取っていただきました。

横山：スタッフの意見にも耳を傾けていただきつつ、ご本人が「こういうことだよね？」と察していただける感じでしたね。

――　本公演のBlu-ray＆DVDも発売となりました。

石川：Blu-ray＆DVDには、本編映像だけでなくコメンタリーが４本収録されますので、全部見ていただくと１０時間超えのボリュームとなります。僕と田中も特典の「おじさんコメンタリー」に登場します。

田中：僕はおじさんじゃないですが……（笑）。

――　すごいボリュームですね。それだけの思いがあるのでしょうか？

田中：我々はもちろんですが、ファンのみなさんも非常に熱量を注いでくださったイベントでしたからね。特に、公演の最後にOVAとアニメ第3期の制作発表をしたのですが、Twitterで「#かぐや様」がトレンド１位になりまして。Twitterでのトレンド入りに関していえば、アニメを見ている時に実況される視聴者の方も多いと思いますが、その文化がイベントのオンライン視聴化に伴って入ってきているなという良い意味で新しい発見がありました。「かぐや様」を応援してくださる方々は、こういうところにもすごく熱量を注いでいただいてありがたいです。

森岡：我々は本当に命を懸けて……というのは言いすぎかもしれませんが、一生懸命作ったイベントです。まだ見てない方はもちろん、一回見た方も改めて見ていただいて、「かぐや様」の世界をぜひ楽しんでいただけたら嬉しいですね。

横山：私も「かぐや様」のファンの１人として関わらせていただいたので、イベント制作もとても楽しませてもらいました。ファンの皆さんも、一緒に楽しんでいただけるイベントになっていると思います。

石川：本当にそうですよね。僕もこれまで何回もアニメのイベントを担当してきて、優劣はつけられませんが、本当に一、二を争うクオリティなんです。

田中：改めて「秀知院音楽譚」は、いろいろな人に言いたくなる、感動を共有したくなるイベントでしたね。ファンの方はもちろん、「かぐや様」に興味がある方はぜひご視聴下さい！

――　OVAとアニメ3期を楽しみにされている皆様へのメッセージをお願いします。

石川：率直に言って、お客さんの反応がなかったら、第3期はできなかったと思います。何より僕自身が3期のアニメを見たいというか、1人のファンとしてとても楽しみです。3期をやることが一つのゴールになると思っていますので、今から皆様にお届けできる日が楽しみです。

――　ちなみに、アニメ2期の最終回では、エンディング終わりにうっすら見える文字が「3期の伏線ではないか」とファンの間で話題になっていました。あれは狙ったものですか？

石川：あれは僕もオンエアで知ったんですよ（笑）。アニメーション制作スタッフの方々がアイデアでこっそり入れてくれたようです。

――最後にファンの皆様へメッセージをお願いします。

田中：「秀知院音楽譚」はいわゆる「かぐや様チーム」による総力戦のイベントだったと思います。キャストさんもよく発言されていますが、「かぐや様」に関わるスタッフの皆さんは作品をとても理解されていて、楽しみながら仕事をご一緒できる人が多い現場です。作品愛が深い方も多くて、それが「かぐや様チーム」って皆さんに言っていただける所以なのかなって最近になって思います。

我々の作品愛はもちろんですが、キャストの方々やスタッフのみなさんの思いもイベントや今後の宣伝にも反映できたら嬉しいなと思います。

石川：アニメ本編に加えてイベントも視聴していただけると、より3期が楽しめると思います！「かぐや様」3期は本当に、ある種の集大成というか。1つ目の着地点にしたいなと思います。

3期の前にOVAも発売するのですが、これも「かぐや様」の歴史上、非常にエポックメイキングなことになっています。清純なラブコメの「かぐや様」がダークネスと銘打って、お色気要素も……。本当に皆様のおかげでここまで来た作品ですので、これからも応援していただけると嬉しいな、と思います。この記事も読んでいただいてありがとうございます。一緒に「エンタメの火」を灯し続けていきましょう（笑）！