BACKSTAGE TALK #17 Leon Fanourakis
AbemaMix出演の合間に、HIPHOPライター コマツ ショウゴがアーティストにインタビューを実施!
ココでしか聞けないBACKSTAGE TALKをお届けします!
—1月にセカンドアルバム『SHISHIMAI』をリリースしましたが、前作のリリース直後から制作をスタートしていたんですか?
Leon Fanourakis:そうですね。曲はずっと作っているので、去年の時点で今年にリリースしようと考えていました。
去年は、AKTHESAVIORとコラボしたEPを作ったり、フィーチャリングが多かったりしたけど、コロナでライブができない状況が不幸中の幸いって言うか、よく考えながら制作に打ち込めました。
【映像】Leon Fanourakis AbemaMix ライブパフォーマンス
—ニューヨークのGHXSTやノルウェー出身のKrissiO、南アフリカ出身のOakerdiditなど、海外のプロデューサーが多く入っていますが、それは意識的にですか?
Leon Fanourakis:いや、特に気にしていないです。単純に、一緒にやりたいと思った人に協力をお願いしました。
—アルバムリリース前に「ZEKKOCHO」のMVをドロップして話題になっていましたね。ラップではなく、歌が新鮮でした。
Leon Fanourakis:結局、メロディもフロウだなって思いまして。自分もメロディのある曲が好きで、よく聴いているんですよ。あと、オートチューンもラップを始めた当初から使っていたんですけど、あんまり納得できていませんでしたが、ようやく形になったので今作で入れました。
スタイルチェンジじゃないけど、新しい自分を見せていきたいと思いまして。
—「ZEKKOCHO」はYENTOWNのU-LEEさんによるプロデュースでしたね。
Leon Fanourakis:U-LEEさんと最初にセッションした時に作った曲なんですよ。ビートを聴かせてもらったら、フックでいきなり展開が変わるのがおもしろくて。そこを歌にしようってU-LEEさんが提案してくれました。
—そうだったんですね。もともと歌ものにも挑戦したいって話していたんですか? それともいきなりの提案?
Leon Fanourakis:最近オートチューンを使っているって話をしていたので、その流れかと思います。
—最後の曲「FALL」も歌もので、新しい一面を感じられました。
Leon Fanourakis:哀愁のある曲が入っていてもおもしろいかなって思って入れました。これ、誰? って感じですよね(笑)。
—フィーチャリングに招いたアーティストは、同年代が多めですね。
Leon Fanourakis:音楽をやっている仲間と作りたいと思ったのもあるし、一緒にやってみたいラッパーに声を掛けました。
—それはJP THE WAVYさん?
Leon Fanourakis:そうですね。話を持ち掛けて、軽くセッションしてから制作を始めました。あと、タカくん(WILYWNKA)。ONEPERCENTのメンバーで作りたい、と俺の方からオファーしました。
—他に今作で意識した部分はありますか?
Leon Fanourakis:日本語を使いたいなって思って、英語のリリックは減らしたんですよ。
—それはなぜ?
Leon Fanourakis:俺、そんなに英語が得意って訳じゃないし、ちゃんと母国語でラップしたいなって思って。そのほうが、みんなの心に届きますからね。
—例えば、「NANIMONO」でパーソナルな部分を歌っていて、「Better Now」では芯は変わってないけどアップデートされていると歌っていて、これまで以上に内面のリリックが多いような気がしました。
Leon Fanourakis:「Better Now」は、自分が落ち込んでいる時に、自分を励ますような気持ちで書いています。
—かなりポジティブな内容ですよね。
Leon Fanourakis:そう。アルバム全体にポジティブなメッセージを込めたかったんですよ。俺が1番だ! って歌うのもいいんですけど、聴いてくれたみんなが強い気持ちになれるような音楽を作りたかった。
—確かに、アグレシッブな歌詞より、鼓舞する歌詞が多い。それもまた、新しいLeonさんを感じられました。
Leon Fanourakis:俺の音楽を聴いて勇気づけられた人が、同じように誰かを勇気づけたいって思ってもらえたらいいですよね。この1年でそういうふうに考え方が変わったんですよ。
—JIGGさんとの制作も初めてですよね? これはWAVYさんからの紹介?
Leon Fanourakis:そうです。WAVYさんと一緒に曲を作れることになって、JIGGさんにも協力してもらいました。俺もJIGGさんと一緒にやってみたかったから、嬉しかったです。スタジオで、みんなのアイディアを出し合いながら作っていったのが楽しかったです。
ビートメイカーとお互いの考えを出し合いながら一緒に作るのが好きなんですよ。
—LEXさんは「CHAMPION」と「MOON」に参加していますが、対照的な2曲です。
Leon Fanourakis:「NiPPON」をリリースした去年の夏くらいに、その2曲を1日で録ったんですよ。LEXの家でレコーディングしていて、後から冷静になって聴いてみたら、いいじゃん! って。
「MOON」のビートは伊藤さん(MurderFaktry)で、よくビートを送ってもらっていて。確か、「CHAMPION」を撮り終わった後にLEXがフリースタイルでフックを歌って、ヤバいのできたって盛り上がりながら作っていきました。
—今回もSANTAWORLDVIEWさんが参加されていますね。
Leon Fanourakis:SANTAとは、毎日スタジオに入っているので、一番身近な存在。高校1年からの付き合いだし、実家も近いし。
—Yung Xanseiさんは、去年のAKTHESAVIORとのEP『FLATBU$H \EN』でもタッグを組んでいました。
Leon Fanourakis:Yung Xanseiはcherry chill will.さんから紹介していただきました。まだ直接会ったことないんですけど、こまめに連絡をとっていて、いつもビートを送ってくれています。Yung Xanseiも他のビートメイカーとセッションして作り上げるのが好きみたいで、「KIMEROYO」で、Yung Xanseiと一緒に作ったビートメイカーのBl$$dは、Young Thugと一緒にやっていたりする人です。
—Yung Xanseiさんはどんな印象ですか?
Leon Fanourakis:ビートの質感っていうかグルーブ感がいいんですよね。それにラップを乗せてYung Xanseiに戻すと、ビートを微調整してくれるんですよ。そういうところも好きです。
—そういうやりとりも楽しそう。
Leon Fanourakis:それで言えば、BULLSETさんとも、そういう感じで「HOT SAUCE」を作っていきました。最初ビートを聴かせてもらって、ラップを乗っけたら、少し印象の違うビートにブラッシュアップしてくれたんですよ。
—始めのほうで話が挙がりましたけど、最後の曲「FALL」はNOCONOCOさんのプロデュースで、「ZEKKOCHO」とは少し違った歌ものですよね。しかも、今までにはなかったようなリリックがまた新鮮でした。
Leon Fanourakis:よくNOCONOCOさんのスタジオに行っていて、長いこと一緒にやらせてもらっています。ピアノが上手いから、メロディもループもお洒落なものを作るんですよね。この曲は、レコーディングしたものを聴いてみたら、俺の色じゃないなって思っちゃって、放っておいていました。
しばらく経ってから聴いてみたら、レコーディングした時の感情が込もっているのが良くて、もうちょっと改善できる部分があるかもしれないと思い、録り直したんですよ。こんなこともできるんですよって提示できたと思います。
—このアルバムを引っさげて、今年はどんな動きにしていきたいですか?
Leon Fanourakis:去年の4月から今年の元旦までライブしていなかったんですよ。オンラインライブは1回だけ出演しましたけど、それ以外は出演していません。だから、今年はたくさんライブができるようになればいいなと思っていて、それが楽しみです。
とりあえずセカンドアルバムをリリースできましたし、周りの仲間たちと一緒にリリースしていく予定なので、楽しみにしていてもらいたいです。
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